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【アメリカ大学入学基準】大学の入学選考の傾向の調べ方

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テストの点数だけで合否が決まる日本の大学受験とは違い、入学基準が山ほどあるアメリカの大学受験

エッセイやら、課外活動やら、SAT・ACTやら、どれが一番だいじとかあるの?(入学基準に優先順位は存在するのか?)と疑問に思うひとも多いはず。今回の記事では、各入学基準の重要度について書いていきたいと思います。

一般的な入学選考プロセス

出願書類は2つのグループに分けられる

山ほどある出願書類・入学基準の評価項目ですが、これらは Academics (学業評価) と Character (人格評価) の2つのグループに分けることができます。

Academics (学業評価)

・GPA(学校の成績)

・カリキュラムの難易度

・テストスコア(SAT・ACT)

・研究経験(Research Experience)

・クラスランク(Class Rank)など

Character (人格評価)

・エッセイ

・課外活動・ボランティア

・推薦状 

・生徒の熱意・関心レベル(Demonstrated Interest)

・面接 など

 

覚えておいてほしいのは、この2つのグループはどちらも同じくらい重要だということ。特に、名門校ともなると、両方のグループで高評価を得ることがカギとなってきます。

Academics(学業評価)と Character (人格評価)、 それぞれの役割

Academics(学業評価)でまず生徒をランクづけ?足切りも?

Academics(学業評価)だけでは合格は得られませんが、この評価の高さによって、ある程度受かる可能性は決まってきます。

これは筆者の勝手なイメージですが、受験者はまず Academics(学業評価)をもとに、ランクづけされるのではないでしょうか?GPA や SAT・ACT は数値なので、比べやすいですしね。

ここでのランクが高いと、必然と合格の可能性は高くなってきますし、多少 Character(人格評価) で求められるハードルが下がると思われます。

対して、テストスコアや成績が入学基準(受験者平均)を大きく下回っている場合、どんなに人格評価が高くても、合格する可能性はかなり下がってしまいます。

よっぽど全米レベルのアスリートぐらいのタレントじゃないかぎりね。(上位校の場合)

アメリカ大学は基本的には出願書類をぜんぶみてから合否を判断しますが、やはり学業評価があまりに求められているものよりも低いと、かなり「足切り」に近い状況に陥ってしまいます。

Character (人格評価) で差がつく

ただ、受験者数が多いアメリカの大学受験で、Academics(学業評価)だけで合格者を選ぶのは不可能に近のも事実です。なんせ、同じ SAT・ACT のスコアを持っている生徒は何万といるのですから。

学業評価的には合格圏内にいる大量の生徒の中から最終合格者を選ぶために使われるのが、Character(人格評価)なのです。

だから、この人格評価でも高い評価を得ないと、合格にはたどり着けません。

入学選考の評価項目ってどれが一番だいじなの?

これは後ほど詳しく説明しますが、大学によって入学基準の重要度・優先順位は変わります。

ただ、一般的な入学基準の重要度が知りたいという人のために、 ここではメジャーな入学基準をその重要度ごとにランクに分けていきます。

※このランクづけは、筆者の主観と NACAC Admission Trends Survey, 2018–19 のデータをもとに行いましたので、必ずしも正確とは限りませんのでご了承ください。

最も重要な入学基準
  • GPA(高校の成績)
  • テストスコア(SAT・ACT)
  • カリキュラムの難易度(Strength/Rigor of Curriculum)

やはり、大学は学びの場。一番大事なのは Academic(学業評価)です。

かなり重要な入学基準
  • エッセイ
  • 課外活動・ボランティア活動
  • 推薦状 

Academic(学業評価)の項目とほぼ同じくらい重要なのが、Character(人格評価)のこの3つ。

そこそこ重要な入学基準
  • クラスランク
  • 大学への熱意・関心レベル
  • 就労経験・研究経験
  • 面接
  • タレント・才能(程度にもよるが)

このあたりの重要度は大学によりますが、「かなり重要」として扱う大学もあります。

コントロールできないが入学基準として扱われることがるもの
  • 人種
  • 居住地
  • 宗教
  • レガシーステータス(同じ大学に通っている・卒業した親族はいるか)
  • First Generation(家族ではじめて大学に通ようひとか)

重要:入学基準の重要度・優先順位は大学によって変わってくる

ただ、先ほども書いたように、入学基準の重要度・優先順位は大学によって変わります。

まあ、当たり前ですよね。大学によって生徒に求めるものは変わってきますから。

成績・テストスコアをより重視する大学もあれば、エッセイや課外活動により重きをおく大学もあります。何を重視するかは、大学のスタイル・校風・レベルなどによって全然変わってきます。

せっかくなので、いくつか例を書いておきます。

Academics(学業評価)だけで合否を判断する大学もある

大規模の大学などでは、生徒の Academics だけで(エッセイや課外活動を求めない)合否を判断するところもあります。

Liberal Arts College では Character(人格評価)の重要度が高い

Liberal Arts College は、生徒に幅広く勉強させることが1つのポリシーなので、それができる生徒を見極めために、生徒の人格・やる気レベルに注目します。そのため、これらの評価をするのに適しているエッセイや熱意アピール度などの重要度が高くなる傾向があります。

難関校では Character (人格評価) がとても重要

Ivy League などの上位校では、受験者のレベルも高くなってくるため、Academic(学業評価)での差がつきにくくなってきます。

つまり、学業評価で高評価を得ることだけでは足りないわけです。ハーバードなどでは、SAT 1500点、1600点でも普通に落ちていますしね。

こうなってくると、より Character 人格評価でアピールすることが大事になってきます。上位校を受験する場合や自分のレベルより高い大学を受験する場合は、人格評価でしっかりアピールできるように工夫しましょう!

生徒の宗教・レガシーステータスを入学基準にする大学もある

あまり多くはありませんが、生徒の宗教やレガシーステータス(親族でその大学に通っているもの・卒業したものがいる場合はレガシー生徒になる)を入学基準の1つにしている大学もあります。特に、宗教係の大学に多くみられますね。

大学が何を求めているのかをリサーチする

だからこそ、大学のリサーチをしっかりして、大学が受験生にどんなことを求めているか知ることはとても大事です。

大学リサーチというと、 テストの平均スコアや校風などをなんとなく調べればいいんでしょ!というひとが多いですが、入学選考の傾向や何が出願書類で重視されているのかを調べることが大切なのです。特に、以下のポイントを意識しましょう。

入学選考の傾向をリサーチする時のポイント
リサーチポイント

1)大学はどういう生徒を求めているのか?

2)入学選考プロセスはどういうふうに行われるのか?

3)出願書類で(より)重視されているものは何か?(テスト重視型・人柄重視型・バランス型)

4)その大学特有の出願書類はあるのか?(ある場合は、それを通じて生徒の何を見ようとしているのか?)

リサーチの仕方

まずは、大学のホームページをみることをおすすめします。ほとんどの大学のウエブサイトでは、1)大学はどういう生徒を求めているか、2)入学選考はどういうふうに行われているかなどが書いてあるので。

4)の「大学特有の出願書類」も、大学のウエブサイトの出願書類リストで簡単にチェックすることができます。もし、他の大学にはないようなユニークな出願書類があれば、それを導入している意図をしっかり理解するようにしましょう。受験生にとっては、たかが出願書類の1つかもしれませんが、大学側からしたらこの1つを全員分みるには何百時間とかかるわけです。つまり、出願書類の1つ1つに意図があり、無駄に出願を求めているものはないのです。

例えば、あまり他の大学ではない、「自己紹介ビデオ」の提出を求めている大学があるとしよう。この大学は、生徒の人柄をより知るために、これを導入していると考えるのが自然だよね。つまり、この場合、人柄をアピールするはもちろん、どういう人柄をもった生徒を求めているのかを調べることも大切だよ!

ただ、一方で、公式のサイトだけでは、どうしても入手できる情報が限られてきますよね。 大学側は本質的なところはあまり言わないですしなので、公式サイト以外の第三者のサイトも見てみることをおすすめします。実際、筆者も情報はほぼ公式サイト以外のところから入手しました。特に、有名校などの対策はいろいろ載っていることが多いのです。

「What does(○○大学)look for in applicants/admission?」ってググるだけでその大学の入試傾向・対策に関する情報がでてくるよ!

※ただ、ひとつ注意してほしいのは、これらの第三者のサイトに載っている情報は公式ではないので、正確ではない可能性があるということです。Prep Scholar などの比較的信用できるところが書いていることもあれば、Reddit、College Confidential、Quora などのフォーラムに匿名で書いてあることもあります。元職員や合格者が書いている役立て情報もあれば、全くの噓っぱちということもあるので、あまり鵜吞みにしすぎないようにしましょう。

大学が入学選考で何を重視するかを調べるならこのサイト!

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出典:CollegeData.com 

この CollegeData というサイト、筆者は受験が終わったあとに見つけたのですが、結構おすすめです。特に、この「Selection of Students」というデータからは、各大学の入学選考の傾向(どの項目が重視されているか)が分かるため、自分の受ける大学は1度は調べておきましょう。

このデータをみるためには、まず調べたい大学を検索し、「Admission」をクリックしましょう。また、これ以外にも、有益な大学の基本情報がたくさん書いてあります。

ちなみに、上記のデータは、UC Berkeley のものです。

大学のリサーチはなるべく早めに!

せっかく大学の入学選考の傾向・特色を把握できても、それを生かせなければ意味がありません。 だから、リサーチは早めにはじめて、十分対策する時間があるようにしましょう。

受験する全ての大学への対策を練るのは難しいかもしれませんが、早めに知っとくと便利な情報はたくさんあります。

入学選考の傾向を調べるメリット(例)

例えば、UCLA と UC Berkeley では、UCLA はよりテストスコアや成績などに重きをおき、UC Berkeley はより総合的(Holistic Review)に合否を判断するといわれているようです。 

UCLA と UC Berkeley はどちらもカリフォルニア大学システム(UC System)の学校で、出願書類もほぼ同じだけど、各大学の求めていることが微妙に違うってことがわかるよね。

また、UCLA では、他の大学よりも生徒の研究活動(Research)を高く評価する傾向があるようです。世界的な研究機関として有名な UCLA ですが、やはりテストスコアや成績などの学力レベルの高さをアピールするだけでなく、どれだけその学力を社会貢献に応用できるかをもアピールすることも大事なようです。

この情報を知っていれば、研究プロジェクトに参加したり、近くのラボでボランティアしたりするなどして、アピールポイントを増やすことができるね!

たまたま例がすべて UCLA に関するものになってしまいましたが(笑)、リサーチの大切さは分かっていただけたでしょうか?  

まとめ

  • 入学基準の重要度に関しては、大まかな順位が存在する
  • ただ、各入学基準の重要度は大学によって変わってくる
  • しっかりリサーチし、受験する大学の入学選考の傾向を知るべし

 



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