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謎多き「SATセクション5」の正体【パニック予防】

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皆さんはSATにはセクション5があるということを知っていましたか?そんなのうそでしょ!というひとがいても全くおかしくありません。公式の模擬試験にも、SAT参考書にも、「セクション5」などいくら探してもありませんから。

SATは普通4つのセクションで構成され、スコアがだされますが、ときどきこの4つのセクションのあとに追加の問題がだされることがあります。これこそが、SATセクション5です。

その存在理由はあまりはっきりとはされておらず、セクション5があることじたい知らない生徒もたくさんいます。毎年この謎のセクションの登場に動揺し、パニックになる生徒がたくさんいるので、この記事を書きました。ちなみに、僕もその「被害者」のひとりです。やはりあのときは混乱しましたね。皆さんはそうならないように、この記事を通してセクション5について知っておきましょう!

SATセクション5完全解体書(もくじ)

SATセクション5とは?

SATセクション5は、本来4つのセクションしかないSATに不定期で追加される問題のことです。時間は20分程度と短く問題はすべての科目(リーディング・ライティング・MATH)からだされます。

College Board の説明は?

残念ながらセクション5について、SATの主催者である College Board からは、あまりはっきりとした説明はありません。2016年にSATはいまの「新SAT」になりましたが、そのときに配られたガイドブックにはセクション5について以下のように書かれています。

2016年

"The SAT given in a standard testing room (to students with no testing accommodations) consists of four components — five if the optional 50-minute Essay is taken — with each component timed separately. The timed portion of the SAT with Essay (excluding breaks) is three hours and 50 minutes. To allow for pretesting, some students taking the SAT with no Essay will take a fifth, 20-minute section. Any section of the SAT may contain both operational and pretest items."

「出典:Advising and Admission Handbook(リンク)」

太字のところをまとめると、SATは実験的・試験的(スコアに影響しない)問題をテストに含むことがあり、そのためにセクション5が追加されることがあると書いてあります。これだけ読むと、セクション5は最終スコアに影響しないもと思ってしまいますが、最後の文には5つのすべてのセクションに、この実験用の問題が含まれる可能性があると書いてあります。つまり、この説明だけをみると、セクション5もスコアにカウントされる可能性があるということです。

2019年

また、2019の試験官マニュアルも、セクション5について言及していますが、こちらもはっきりとした説明はありません。

At some centers, certain administrations will include an additional 20-minute section to be completed by all SAT test takers, including students taking the SAT with Essay. The
Standard Testing Room Manual informs associate supervisors precisely when to administer it.

「出典: Spring and Summer 2019 The SAT and SAT Subject Tests Supervisor Manual

3年間のあいだにゆいつ変わったのは、SATセクション5の対象者がエッセイを受けない生徒からエッセイを受ける生徒まで拡大されたこと。実際、筆者も2019年にSATエッセイを受験したときに、セクション5に遭遇しました。

2020年
We occasionally pretest new questions to determine if they should be included in a future SAT test form. These questions may appear in any of the test sections, and testing time will be extended by 20 minutes so students have time to answer them. These questions will not be included in computing students’ scores.

「出典: 2020-21 The SAT Student Guide (リンク

いちおう、最新のガイドブックも確認をしましたが、特に変わったところはありませんでした。生徒にとっては、ただでさえ普段より多くの問題を解くのはストレスですので、College Board には自分のスコアに影響するのかどうかぐらいはっきり説明してほしいですね。

SATセクション5の目的は?スコアに影響するの?

College Board が、かたくなに明かさないセクション5の「存在意義」

細かいものまで含めると、さまざまな説がありますが、説得力があるのは以下の2つでしょう。

新しい問題をテストするため説(実験用・試験用説)

これが1番に有力な説でしょう。College Board が証言しているように、SATには実験用の問題が含まれることがあります。これは、新しい問題の難易度・公平性を計り、未来のテストで使用できるかを判断するためだと思われます。

その新問題のテストのためだけに作られたのがセクション5というわけです。College Board は、どのセクションにも「実験用」と実際にスコアにカウントされる「スコア用」の問題があると書いていますが、「実験用」はセクション5だけなのでは?

なぜなら、セクション5の問題は少なく、とてもランダムだからです。ある特定のセクションからぜんぶ出題されることもあれば、2つ以上の科目から出題されることもあります。僕の場合、ライティングとMATHの問題が15問ぐらいだされました。

そのランダムさから、セクション5がスコアにカウントされてるとは正直思いにくです。どちらかというと、いろいろな問題をテストしているようにみえます。

なら、なぜ正直に College Board はそういわないのかという点ですが、これは多分生徒に本気で取り組んでもらいたいからでしょう。スコアにカウントしない実験用だといったら、生徒は多かれ少なかれ手を抜くでしょう。これでは「実験」の意味がありません。スコアに影響する可能性があるといっておけば、生徒は本気で問題を解き、より正確なデータがとれます。そう考えればあの曖昧な説明にも納得がいくでしょう。

ただ、これはあくまで推測ですので、決して安心して手を抜くなどということは絶対しないでください。真実は College Board しか知りませんし、2018年には、試験官にセクション5はスコアに影響するといわれたと生徒が証言するなどというこもとありましたから。(信ぴょう性はなぞ)どのセクションも全力でやりましょう!

不正・カンニング防止説

もうひとつの説がテストの不正防止のためではないかというものです。ほとんどありませんが、事前に問題・解答を入手できてしまっていた場合、セクション5をいれることにより、不正者を割り出すことができます。なぜなら、セクション5は予告なしで出題されますし(=準備ができない)、すべての問題が新しいもの(SATの問題はときより再利用されることがある)なので解答はありません。なので、セクション5で不正をするのはとても難しいので、そこのスコアと他のセクションを比べることで事前に不正をしていた可能性があるかどうかを調べられます。

例えば、最初の4つのセクションで満点だったのに、最後のセクション5では半分しかとれていなかったら怪しいですよね?セクション5とその他のセクションのスコアを比べることによって、その生徒が本当に自分の実力でそのスコアをとったのかを判断できる可能性があるのです。

しかし、筆者はこの説にはあまり説得力がないと思っています。確かに事前にテストを入手している生徒を割り出すことはできるかもしれませんが、そんな生徒ほとんどいないですし、もっと頻繫に起こっているであろうカンニングには全く効果がありませんから。また、もし本当に不正防止の目的で導入しているのであれば、ときどきしかやらないがとても不自然だと思います。

旧SATにもセクション5はあった?

筆者がSATセクション5が実験用のセクションだと信じるには、もう1つ理由があります。それは2016以前の旧SATにも、同じようなパートがあったからです。

旧SATでは実験用のセクションは毎回あったようで、その理由から今と違いほとんどの生徒がその存在について知っていたそうです。ただ、その実験用セクションは6つあるうちのどれかだったそうなので、ほとんど分からなかったそうです。

旧SATでもどれが実験用かを伝えていなかった College Board なので、セクション5がそうだと断言しないのも納得できます。ただ、セクション5がいつも実験用だという保証は残念ながらありません。

まとめ ~SATセクション5の対策~

ポイント

①SATにセクション5があっても驚かない(落ち着いて解く!)

②スコアに影響するかもしれないので、セクション5でも絶対に手を抜かない

③常に柔軟に対応できるように、「心の準備」を欠かさない

SATセクション5については「対策法」などという洒落たものは必要ありません。というか、問題はいつもランダムなので、準備・勉強のしようがありません。

大切なのは、セクション5があるかもしれないという心の準備をすること。小さなことですが、小さな動揺が命とりになるので。

ちなみに、余談ですがSATセクション5があるということを全く知らなかった筆者はパニック状態でした。笑 なんだこれ?これスコアにカウントするの?などの疑問で頭がいっぱいで、20分しかない短いセクションなのにぜんぜん集中できませんでした。皆さんはそうならないように、常に柔軟に対応できるように「心の準備」を忘れないようにしましょう。

 



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