お待たせしました!久しぶりの更新です!
さて、今回のテーマですが、タイトルに書いてある通りSATとACTの受験回数、そして、Superscore や Score Choice など、生徒がテスト結果を送る際に持つ「選択肢」などについて解説していきたいと思います。
これらは SAT や ACT などの共通テストを受けるまえに必ず知っておいた方がいいです。ためになることもたくさん書いてあるので、ぜひ最後まで読んでください!
- SAT・ACTは何回でも受けていいの?
- 複数回うけた場合はどうすればいいの?どれを送るの?
- Score Choice(スコアチョイス) ~全テスト結果を提出しないといけないの?~
- Superscore(スーパースコア)~教科・セクションごとの最高点が違うテストで記録された場合は?~
- 【必見】豆アドバイスシリーズ
- まとめ
SAT・ACTは何回でも受けていいの?
これは「ほぼ YES」ですね。
なぜ「ほぼ」なのかというと、SAT は受験回数に制限がなく、正真正銘「何回でも受けていい」のですが、ACT は12回までと制限があるからです。
ただ、12回でも十分おおいですし、だいいちそれ以上受ける必要なんてないので(それ以上は逆効果)これも「ほぼ」無制限としてカウントしてもいいでしょう。(^^)
これは、基本的に「一発勝負」である日本の大学受験に比べると、かなり気が楽ですよね。だめでもセカンドチャンス、サードチャンスとあるわけですから。ただ注意点もいくつかあります。
複数回うけた場合はどうすればいいの?どれを送るの?
しかし、複数回うけていいとなると、新たな疑問が浮かびますよね。主な疑問は以下の2つでしょう。
- 全テスト結果を大学に提出しなければならないのか?
- 教科別のハイスコアと合計ハイスコアを記録したテスト機会が違う場合はどちらを提出すればいいのか?
2つ目がよく分からないというひとは、例えば SAT でいうと、回の合計点の最高は10月のテストだけど、Math の最高点は違うテストの時に記録したという場合ですね。
これらの疑問を解決するには、SAT と ACT が導入している Score Choice と Superscore を理解する必要があります。
Score Choice(スコアチョイス)
~全テスト結果を提出しないといけないの?~
Score Choice では、複数回テストを受けた場合、大学に送るスコアをその中から選らぶことができます。つまり、全結果を送る必要がなく、自分の良いスコアだけを送ることができるのです。(ちなみに、これはSAT・ACTの両方で可能です)
例えば、5月、9月、12月と計3回、共通テスト(SATまたはACT)を受けたとしましょう。Score Choice を使えば、その中から2つ送るのもよし、1つだけ送るのもよし。でも、テストのある科目だけ送る(例えば、5月に受けたSATの Math だけ)ことはできないので注意しましょう。
ただ、大学によって Score Choice を容認している大学とそうでない大学がありますので、そこはしっかり調べなくてはいけません。全テスト結果を送ることを義務付けている大学も少数ですがありますから。
Score Choice のまとめ
- Score Choice を容認している大学では、大学に送りたいテスト結果を選択することができる
- ただ、教科スコア(SAT:Math・EBRW・Essay、ACT:English・Reading・Math・Science・Writing)だけを送ることはできず、送るならばそのテストの全てを送ることになる
➡ 例)○○月のテストの Math スコアだけを送ることはできない - 大学が Score Choice を容認していない場合、全てのテスト結果を送らなくてはならない
Superscore(スーパースコア)
~教科・セクションごとの最高点が違うテストで記録された場合は?~
Superscore とは、複数のテスト結果の中から、教科(セクション)ごとに自分の最高点をみてくれるということです。つまり、テストスコアの「いいとこどり」ができるということですね。
例)SATの場合
この例でいうと、最高合計点は9月の1400点となりますが、Superscore をすると、1420点になります。
これは ACT でも同様で、教科スコアごとの最高点を足して、Superscore スコアを算出します。
ただ注意です!
Superscore は、あくまで、大学のテストスコア評価方法であり、生徒側が教科ごとのベストスコアを選択することができるわけではありません。
先ほど書いた通り、生徒はテスト結果の1部だけを送ることはできず、提出するテストの結果は全て(全教科・セクション)提出しなければいけません。
つまり、Superscore を導入している大学は、あなたの送ったテスト結果の教科ごとの最高点に注目し、それらを足したスコアをカウントしてくれるということであって、「自分の Superscore」 だけを送るということはできません。それができるのは、全ての教科の最高点が1つのテスト機会で記録された場合だけです。
Superscore のまとめ
- Superscore とは多くの大学が使用するテストスコアの評価方法のこと
- Superscore を使用している大学は、生徒の教科・セクションごとの最高点(それらが複数のテスト機会で別に記録された場合)を足したスコアをあなたの最高点としてカウントしてくれる
➡ 例)SAT Math の最高点は9月テストで記録した750点
SAT EBRW の最高点は12月テストで記録した700点
= Superscore は1450点となる - ただし生徒は Superscore の点数だけを送れるわけではなく、 Superscore の算出に必要なテスト結果の全てを送ることになる
➡ 例)上記の例の場合、9月と12月の全テスト結果(全教科のスコア)を送らなくてはならない
【必見】豆アドバイスシリーズ
どうでした?とりあえず基本は理解できたと思います。
アメリカの大学受験では、共通テストを複数回うけていいかわりに、そのスコアの提出などは少し複雑です。
ここには、SAT や ACT を受験する前に絶対知っておいたほうがいいこともまとめました。いろいろな疑問もここで解決されると思います。
【1】まずは受験する大学の共通テストの評価方法を確認せよ!
Superscore や Score Choice ができるかは大学によります。
なので、あなたの志望校がこれらを容認しているかを事前に確認しましょう。それによって、テストの受験回数・戦略なども変わってきます。
例えば、大学が Score Choice を容認していない場合、受験した全てのテスト結果を送らなくてはなりません。良いのも、悪いのも含めてです。また、共通テストの受けすぎも印象が悪くなる可能性もあるので、この場合、受験回数も制限した方がよいでしょう。(これは【3】で解説しています)
そして、Superscore の有無は、どのテスト結果を送るかに影響するでしょう。また、Superscore のスコアを伸ばすために、特定の教科に専念するなど、勉強方法にも影響してくれるでしょう。
【2】SAT と ACT では評価方法が違う場合も!?
ACT はそのシステム上、「Superscore」のスコアを計算するのが少し複雑になります。
SAT が Math セクションと EBRW セクションの最高点を足せばいいだけなのに対して、ACT は4つあるセクションの最高点を足して4で割る必要があるからです。
まあ、とはいってもそんな「複雑」なわけではありませんが、「Superscore」は SAT だけ、という大学もあるので、Superscore のポリシーに関してはしっかり確認しましょう。
【おまけ】SAT と ACT の違いについてもっと知りたいというひとはこちらへ ⇩
【3】SAT・ACT の受けすぎはよくないかも!(でも抜け道も?)
受験回数がほぼ無制限となると(ACT は12回までですが)、少しでも高い点を目指して何回何回も受験したくなってしまいますが、一般的に受けるのは3回までにするのがよいとされています。
その理由には、お金がかかるから、何回受験してもそんなに点数は上がらないため意味がないから、生徒にとって負担が多すぎるからなどがありますが、これらは何が何でもいい大学に入りたかった僕にとってあまり説得力がありませんでした。
でも、納得できるような理由もありました。
- 受験回数が多いと、テストスコアばかり重要視している印象を与えてしまい、課外活動などの他の要素をおろそかにしていると思われがちだから
- テストを何回も受けられるということは、それだけ裕福な家庭にいると思われるから(アメリカでは、お金のアドバンテージを使うよりも、限られた環境の中でじぶんの努力で解決することが評価される)
つまり、SAT・ACT の受けすぎは大学にあまりいい印象を与えないらしいです。
僕自身、高校のカレッジカウンセラーに、4回以上 SAT を受けるのはおすすめしないと言われたのを覚えています。やはり、共通テストの受けすぎはテストスコアばかりに固執しているイメージを与えるからというのが理由でした。
ただ、僕はそれでもスコアへの執着を捨てきれずに結局4回受けました。筆者の場合、Score Choice ができる大学ばかりだったので、最終的にベストスコアの2つだけを送ればよかったので、「受けすぎ」が大学に知られる心配は無かったですしね。Score Choice を使用しても、それが大学に知れることはないので、もし受験する全・ほとんどの大学が Score Choice を容認しているのであれば、回数を気にせず高スコアを目指すもひとつの手でしょう。
はい、Score Choice を使用したことは大学側にはバレません。だからといって、全スコアを提出することを義務付けている大学に自分のよいスコアだけを送るのはやめましょう。モラル的にも問題ですが、もしバレたら合格取消しなどをすべてを失いかねないので、そこはちゃんと大学側からの指示を守りましょう。
【4】SAT・ACT をはやくに受験する意味はある?
SAT・ACT に年齢制限はありません。なので、厳密にいえば何歳からでも受けることができます。
ただ、いちおうスコアの「有効期限」は5年なので(それ以前に受けたものも送ることができるが)大学受験の時に「有効」であるテストスコアは8年生以降に受けたものに限られます。
ほとんどの生徒は11年生ごろに共通テストを受験しますが、なかには早くに(8年生・9年生の時に)受ける生徒もいます。
もし、7・8・9年生の時にうけた SAT・ACT で高得点をとれれば、1つのアピールになります。ただ、これ以外の理由で早く受験するメリットはないと思います。
実践練習のために早くに受験するひともいるようですが、もし Score Choice ができない場合、この「実践練習スコア」も大学にみられるかもしれません。いくら早くに受験したとはいえ、もしスコアがあまり良くない場合、マイナスに働くことはなくても、プラスに働くことはまずないでしょう。練習なら家で十分できますし、可能なら PSAT を受けてみるのもよいでしょう。
ちなみに、共通テストの理想的な勉強開始のタイミングや受験時期などについては、以下の記事にまとめてありますので、ぜひそちらもチェックしてください!
【5】Superscore の点数だけがみられるわけではないかも?
Superscore とは生徒にとってとても嬉しい評価方法ですよね。
ただ、大学があなたの Superscore の点数だけを評価対象にしているとは限りません。確かに、もし大学が Superscore を容認していう場合なら1番重視されるのはそのスコアですが、送られた他のテストスコアもみてるかもしれません。
先ほども使った例をみてみましょう。
大学が Superscore する場合、確かに1番注目するのはハイライトされている点数ですが、だからといって他の点数がみえないわけではありません。この例の場合、もし3つのテストすべてを送った場合、9・10月の Math スコア、そして12月の EBRW スコアも「筒抜け」なのです。
考えてみてください。SAT で1420点をとった生徒なんて1つの大学の受験者だけで何千といるかもしれません。特に Superscore は点数のインフラを起こしますからね。
もちろん共通テスト以外の要素もありますが、もしかしたら同じテストスコアの中でも「格付け」されているかもしれません。同じ Superscore 1420点でも、そのスコア以外の点数(例でいうとハイライトされていない点数)で優劣がつけられている可能性も否定できます。
なので、大学が Superscore を採用している場合でも、送るテストスコアには注意を払いましょう。この例の場合、9月と10月両方のテストで EBRW のハイスコアを記録しましたが、送るのは9月のテストがいいです。Math スコアがそちらのほうが高いので。
ただ、これはあくまでこの例のように選択肢がある場合です。もし10月と12月のスコアしかない場合、迷うことなくその2つを送りましょう。とはいっても1番だいじなのは Superscore の点数ですから。まあ、あまりに他の教科のスコアが悪い場合はべつですが。その場合は Superscore にした場合の上がり幅と天秤にかけて判断しましょう。(例えば10月の Math スコアが400点だった場合、送らないほうがよいかも)
あと Superscore で高い点をとるために、1つの教科だけに集中しすぎるのもやめましょう。せっかく狙っていた教科でハイスコアがとれても、もう一方があまりに悪かったら意味がありませんから。
まとめ
- Score Choice では大学に提出するテスト結果を選択できる
- Superscore は教科ごとの最高点を足したもの = テストスコアのいいとこどり
- 大学の共通テスト評価方法をちゃんと確認すること(Score Choice・Superscore を使用しているのかなど)
- SAT・ACT は受けすぎないように注意