アメリカ大学情報室

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【F1ビザ面接】アメリカ学生ビザ面接の流れと対策【経験談】

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先日、待ちに待った(?)F1ビザの面接に行ってきました!とても緊張しましたが、結果は無事合格でした!とりあえずこれで一安心です。

ということで、今回は筆者の面接体験談を交えつつ、アメリカ学生ビザの面接の攻略法について書いていきたいと思います!

~その前に~面接までのステップを知りたい人はこちら

F1ビザ取得において、面接はいわば「最終ステップ」です。

えっ!じゃあ面接までのステップは?というか、F1ビザ取得までの全体的な流れが知りたい!というひとは、こっちの記事を先に読むことをおすすめするよ!

uscollege.hatenablog.com

この記事は「F1ビザ面接」にフォーカスしているので、まだ面接予約まで行っていないひとは上記の記事から読むことをおすすめします!

重要:面接の難易度は大使館や領事館によって違う

各大使館・領事館によってビザのプロセスは微妙に違います。これは当然面接にも影響してきます。

普通よりも多くの書類を要求してきたり、面接でたくさん質問してくるところもあれば、逆に他と比べてゆるいところもあります。

僕が申請したところ(日本ではありません!)は多分結構ゆるかった方だと思います。なので、僕自身の体験談だけでなく、しっかりリサーチしたことも交えて書いていきたいと思いますが、みなさんもぜひ自分が申請する大使館・領事館のサイトを事前にチェックすることをおすすめします。

面接前に準備すること

面接に必要な書類を用意する

パスポート

滞在予定日数プラス6ヶ月以上の有効期限があるパスポート。(あと過去10年分の古いパスポートも必要な場合があるそうです)

また、アメリカのビザを過去に取得したことがある人は、そのビザがはいっているパスポートも必要と書いてあるところもありました。

この「滞在予定日数+6ヶ月」の意味は正直最後までよく分かりませんでした。大学の場合、4年いることになるので、4年半有効なパスポートじゃなきゃいけないのかなとも思ったのですが、そうじゃないみたいです。ビザのはいっているパスポートが切れてしまった場合は、2冊持ち運べばいいだけらしいので。とにかく1年以上有効なパスポートであれば大丈夫そうです。

ちなみに、過去10年分の古いパスポートと過去に取得したアメリカのビザは、僕のケースでは求められませんでした。

入学許可書(I-20)

留学する大学・語学学校から発行される入学許可書。

SEVIS FEE 支払い証明書(レシート)

SEVIS 費用を払ったあとそのレシートを印刷してください。

DS-160 提出証明書

DS-160を提出したあとその Confirmation を印刷してください。

面接予約確認書

面接を予約したあとに必ず印刷してください。

顔写真(カラー)

2インチ×2インチのカラー顔写真。メガネ着用不可。詳しくはこちらアメリ国務省「Photo Composition Template」)

これも僕は必要ありませんでした。でも、これは事前にDS-160と一緒にデジタル写真を提出していたからだと思います。確かどちらか1つあれば良かったはずなので。

成績証明書

アメリカの高校などに通ったことがある人は提出を求められることがあるようです。

一応、高校の成績証明書を持っていたのですが、求められませんでした。

財政能力証明書

銀行残高証明書など、大学や語学学校に提出したものを出せば大丈夫です。あなたが留学費用を支払う能力があることを証明するために必要となります。

これも僕は求められませんでした。ただ、支払い能力があることを証明することはとても大事なので、成績証明書同様、必ず持っていきましょう。

留学後の帰国を証明する書類(オプショナル)

これは基本的には必要ないと思いますが、もし留学後もアメリカに滞在する可能性があると判断されてしまった場合、帰国する意思を証明するものが必要になります。

  • 帰国後の復職・復学証明
  • 雇用証明
  • 戸籍抄本など、母国にいる家族がいることを証明するもの
  • 銀行口座や家・車などの資産が母国にあることを証明するもの

※これら必要書類は大使館によって違う場合や変わることもありますので、必ず面接の前に大使館・領事館のウエブサイトをチェックしましょう。

服装はシンプルでOK!

面接の服装ですが、カジュアル過ぎなければ大丈夫です。

別にスーツなどの正装でビシッと決める必要はなく、男性ならボタンダウンシャツ・ポロシャツで、女性ならワンピースなどで全然OKです。

ただ、あまり派手すぎる格好は避けましょう。あくまで勉強しに行くわけですから、あまりにも派手なアクセサリーばかりつけていたら怪しまれますから。

面接当日の流れ

予約時間に大使館前に着く

大使館・領事館に着いたら、入口に向かいましょう。たぶん列があると思うので、そこで中に案内されるまでしばらく待ちます。

待ち時間は場所と時期によりますが、長い時で2~3時間待たされることもあります。

実際、僕も2時間以上待たされました。特に、今はコロナの影響で一度に入れる人数に制限がありますしね。しかも、予約時間お構いなしに来てしまう人がいると、一気に列が長くなってしまいます。僕の場合も、予約時間の2時間ぐらい前に来ている人がたくさんいましたから。まあ、とりあえず早めに到着することをおすすめします。

セキュリティチェックを通過する(持ち物には注意を!)

中に入ったら、まずはセキュリティーチェックです。あたりまえですが持ち込みが禁止されているものを持っていると入れません。持ち物は持ち込みが禁止されていないかちゃんと確認し、必要最低限にすることを強くおすすめします。

持ち運び可能なもの

・必要書類

・携帯電話×1(セキュリティで預ける必要あり)

・25cm×25cm以下ののバック※

・赤ちゃん用品 など

持ち運び不可能なもの

・電子機器

・食べ物

・バック全般※

・ハサミやナイフなどの武器になりえるもの など

 

持ち運びできるものは各大使館・領事館によって違うことがあるので、必ず自分が申請する大使館・領事館のサイトを確認しましょう。  

※実際、僕の大使館ではバック全般の持ち運びが禁止されていました。そこをしっかり読まずにバックを持っていってしまったのですが、結果とても大変でした。バックは持ち運びできないと言われ、わざわざ近くのレストランまで預けにいかなくてはならなかったので。

だから、できるならバックはなるべく避けるようにしましょう。必要書類はクリアファイルに入れ、それ以外は本当に必要最低限のものだけを持っていくようにしましょう。

ビザ郵送用の封筒を渡される

ビザの申請が認められた場合、パスポートは預かられ、後日ビザのシールが貼られたものが郵送で返却されます。

ここでは、その返却用の封筒に自分の住所(又は受け取り場所の)を書きます。

違う住所を書いてしまうと大変なので、間違いがないように気を付けましょう!

必要書類を提出・指紋採取

僕の場合、窓口が2つあり、最初の窓口で返却用封筒の提出と必要書類の確認、そして指紋採取をされました。

ここを通過すると、いよいよ2つ目の窓口(面接)に進むことができます!

いよいよ面接!

そしていよいよ今回の「メインイベント」です。ここでは、あなたの留学に関する質問が何個かされます。

面接は基本的に英語で行われます。ただ、国によっては現地の言語で面接ができるところもあるみたいです。実際、僕のところも現地語OKでした。ただ、やはり喋れるなら英語の方がいいと思います。印象がよくなりますし、アメリカに勉強しにいくのに、全然喋れないと怪しまれてしまう可能性もありますから。

もちろん個人差はあると思いますが、だいたい5分~10分で終わると思います。

そして、何も問題がなければ、合格を告げら、パスポートは後日郵送で返還することを告げらます。

面接のアドバイス

面接の目的とは?面接官は申請者の何をみている? 

面接の主な目的は申請者の以下の点を見極めることです。

  • 怪しい人物ではないか?
  • 学業以外の目的で渡米しようとしてはいないか?
  • アメリカで就労しようとしてないか?
  • 留学が終わったあとも滞在する気がないか?

F1ビザでも限られた時間なら働くことは許されています。また、留学終了後にそのまま現地で就職するひともたくさんいます。

ただ、あくまで学生ビザの面接では、「勉強のためだけに行く、留学が終了したらすぐ帰国する意思がある人」を演じましょう。

面接でアピールすること・注意すること

面接でアピールすべき主なポイントは以下の4つです。

  1. アメリカで勉強したいという強い気持ち
  2. 働く必要・意思がないこと
  3. 留学終了後はすぐ帰国する意思があること
  4. 怪しい人ではないこと
アメリカで勉強したいという強い気持ちをアピールしよう!

当たり前ですが、アメリカに勉強しに行く許可をもらいにいくわけですから、留学への熱意が伝わらないと怪しまれてしまいます。

どこで何を勉強するかはもちろん、なぜアメリカで勉強したいのかをしっかり答えられるようにしましょう。 

「別にアメリカじゃなくてもよくない?」と聞かれても、なぜアメリカに留学したいのかスラスラ答えられるように練習しておきましょう!

働くつもりがないことをアピールしよう!

先程も書いたように、F1ビザでもバイトすることは許されていますし、卒業後にOPTを通して職探し・就職することも可能です。

ですが、ここの面接では絶対働くする意思をみせてはいけません。

なんかひっかけ問題みたいですね。ですが、アメリカは不法労働をとても警戒しているので、面接ではあくまで渡米目的は勉強することだけであることをアピールしましょう。

別にここで働く意思がないことを伝えたからといって、現地で働いちゃいけないわけではありません。渡米後は働こうが働かなかろうが自由です。

書類でいうと、働かなくても十分な資金があることを証明できる「財政能力証明書」が役に立ちます!

留学終了後は帰国することをアピールしよう!

卒業後はすぐ帰国する意思があることを示しましょう。

だから、たとえ現地でインターシップや就職をするつもりであっても、ここでは言わない方がいいです。無難に卒業後は学んだ知識を母国で活用するために、母国で就職したいとでも言っておきましょう。

この人はアメリカに住み着く恐れがあると判断されてしまうとビザの許可がおりる可能性が低くなってしまうので、そういった場合は「留学後の帰国を証明する書類」を提出しましょう。

好印象を与えることを心掛ける!

これは単純に怪しい人物だと思われないためです。

でも一言で「好印象」っていわれてもどうすればいいかわからないですよね。やはり大事なのは、ちゃんとした服装で来ること、笑顔をみせること、英語で喋ること、はきはき喋ることですかね。

面接対策~イメトレをしよう~

一番よい対策は、事前に面接のイメージトレーニングをしておくことです。

面接で聞かれる可能性がある質問にあらかじめ目を通しておき、どう答えるのが一番いいかを頭の中でシミュレーションおけば、当日慌てることがなくなります。

よく「面接では正直に答えるべき」と書いてあるサイトをみかけますが、すべてばか正直に答える必要はありません。例えば、正直に「留学中に働きたいです」と答えてしまえば、下手をしたらビザは却下されてしまいます。

大事なのは、どう答えるのが自分にとって一番いいかをあらかじめ考えておくことです。もちろん、大きな噓はダメですが。

僕が面接で聞かれた質問

先程も書きましたが、僕の面接したところはかなりゆるかったです。以下に僕が面接で聞かれた質問を書いておきます。

  1. アメリカではどこで勉強するのか?(➡大学名を答えました)
  2. そこでは何を勉強するのか(➡専攻を答えました)
  3. 学費はどうやって払うつもりなのか?(➡父がスポンサーだと答えました)
  4. お父さんは何の仕事をしているのか?(➡父の仕事を答えました)
  5. 過去にアメリカに行ったことはあるか?(➡僕は過去にアメリカに住んだことがあったので、住んでいた場所と期間を答えました)

えっ?これで終わり?というぐらいあっさり終わりました。時間にして5分にも満たなかったと思います。

面接練習に役に立つリソース

面接でよく聞かれる質問リスト

www.stilt.com

studyabroad.shiksha.com

www.internationalstudent.com

他に僕が参考にさせてもらったサイト

www.ny-ryugaku.com

www.ausbiznet.com

面接が不合格になることはある? 

2021年現在のF1ビザ合格率は86%だそうです。意外と不合格者が多いですね。

まあ、留学先の学校(大学・大学院・語学学校)がすでに決まっている場合は、 ほとんど不合格になることはないと思います。逆に、留学先が決まっていなくて、なんとなくアメリカで勉強したいからビザくださいって人は必然と申請が通る確率が低くなります。

ここでは学生ビザが却下される主な原因を紹介していきます。

F1ビザ申請が却下される主な理由

  1. 留学動機が怪しい
  2. 留学先が怪しい
  3. 留学の資金がない
  4. 帰国する意思がなさそう
  5. 家族の誰かがすでにアメリカに住んでいる

1~3は、本当は働くために渡米しようとしているのではないか?と疑われる原因になってしまいます。

4~5は、ビザが切れたあともアメリカに住み着こうとしているのでは?と疑われる原因になってしまいます。

他にも、単純な書類不備や不自然な言動などの理由で不合格になるひとも多いようです。

ビザ申請が不合格となってしまった場合は?

Supervisory Review(再審査) をリクエストする

面接後に不合格を言い渡された場合、その場で再審査をお願いできるようです。

面接官に「I would like to request a supervisory review」と言い、再審査をお願いしましょう。

この再審査は、あなたを担当した面接官の監督者(Supervisor)が行うらしので、もう一度ここでアピールしましょう。

後日再チャレンジする

Supervisory Review でもダメだった場合は、別日に再びチャレンジしましょう。

この際、前と同じ書類・やり方ではまた却下される可能性が高いので、しっかり敗因を分析してから再チャレンジしましょう。必要ならば、質問への答え方を変えたり、新たな書類を用意するなどして、2回目に挑みましょう!

ちなみに2回目の面接をする場合は、再びDS-160を入力してその代金を払う必要があるそうです。大変ですね。

まとめ

「面接」って聞くと緊張してしまう人も多いと思いますが、そんな大それたことではないので出来るだけリラックスして挑みましょう。

それでも緊張してしまう、不安だというひとは、面接のイメトレすることをおすすめします。ちゃんと答え方を間違えなければ、絶対大丈夫ですから。

この記事が少しでもみなさんの役に立ったことを願っています!

【F1ビザ】アメリカ学生ビザ完全ガイド

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留学生がアメリカの大学で勉強するのに必要不可欠な学生ビザ(F-1ビザ)

今回は学生ビザ取得までの流れを紹介していきます!

F-1ビザってなに?

留学生がアメリカの大学・語学学校で勉強するために必要な学生ビザのこと。

基本的には週18時間以上のフルタイムで学校に行くひとは、このF-1ビザが必要みたいです。

F-1ビザの有効期限は?

F-1ビザの有効期限は最長で5年ですが、これは人によって違うようです。だいたいは I-20 に記載されている滞在期間と同じのようです。

F-1ビザに関する注意点・よくある質問 

ビザ取得までどれくらいかかる?

まず面接の予約ですが、どんなに早くても二週間ぐらい先になってしまうと思います。時期によっては(混んでいる場合)もっとかかることもあります。

ちなみに各大使館の面接待ち時間はこのウエブサイトで調べることができます!

また、面接が終わってから、ビザが郵送されてくるまでも2週間はかかると思いますので、最低一か月は見積もっておいた方がいいでしょう。

学生ビザはいつから発行できる?

F-1ビザは I-20発行日よりも最大で120日前から発行することができます。

学生ビザではいつから入国できる?

I-20 に書いてある始業日の30日前から入国することができます。それよりも前に入国したい場合は特別な手続きが必要なようです。

アメリカをでることはできる?

休暇のために帰ることはできますが、5ヶ月以上の休暇をとってしまうと(アメリカの外で)学生ビザは無効となってしまうそうです。

F-1ビザ取得までの流れ

                            f:id:miumiu19:20210518002931p:plain

                                           出典:「Interanational Student

I-20をもらう

I-20とは、大学や語学学校が発行する入学許可証のこと。

ちなみに、この I-20は SEVP認可校という、アメリ国土安全保障省(DHS)に留学生の受け入れを認められた学校しか発行できないんだ!

この I-20 が届くまでビザの申請はできませんのでご注意を。一般的な9月入学の場合、 5月中には、遅くても6月中には、届くと思います。I-20 が届くまでの間は、申請書類が全部あるかを確認しましょう!

I-20に記載されている情報があっているか確認する

I-20が届いたら、まず記載されている情報(名前、出生地、国籍、Majorなど)が正しいかを確認しましょう。

ちなみに、僕のは Major(専攻)が間違っていたので、なおしてもらいました。

SEVIS FEE を払う 

I-20 の情報がすべて正しかったら、次は SEVIS 費用を払いましょう。

SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)とは、留学生の情報を管理するためのシステムで、I-20でビザを申請するひとは、この SEVIS FEE を払わなくてはいけません。

また、SEVIS FEE の支払いは、最低面接の3日前までにしなくてはならないようです。

SEVIS FEE の支払い方法(2021年5月現在)
  1. アメリカ国土安全保証省の SEVIS FEE 支払いページ(https://www.fmjfee.com/)にいく
    ※リンクが作動しない場合は、「Department of Homeland Security Form I-901」ってググればでてくると思います
  2. 画面右上にある「PAY I-901 FEE」をクリックする
  3. 必要情報を記入する(SEVIS ID と School Code は I-20 に書いてあります)f:id:miumiu19:20210516211432p:plain
  4. SEVIS FEE($350)を払う
  5. 必ず Payment Confirmation(レシート)をプリントしましょう。これは面接で SEVIS FEE を払ったことを証明するために必要になります。

DS-160 ビザ申請書を提出する

SEVIS FEE を払いレシートをプリントしたら、次は DS-160申請書を提出しましょう。これは、オンラインで提出できるため、面接の前に必ず提出しましょう。

この申請書が意外とめんどくさくて、けっこう時間がかかるよ

ちなみに、筆者は1時間以上かかりました・・・ 

DS-160 オンライン申請書の提出方法(2021年5月現在)

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  1. DS-160 申請ページ(https://ceac.state.gov/genniv/)にいく
    ※リンクが作動しない場合は「DS-160」ってググればでてくると思います
  2. あなたがビザを申請する場所を選択する(※A)ー 例)東京のアメリカ大使館で申請する場合、「Japan, Tokyo」を選ぶ
  3. セキュリティコードを入力する(※B)
  4. 申請書を作成する(※Cをクリック)ー 申請書番号と Security Question の答えはちゃんとメモしておきましょう
  5. 必要情報をすべて入力したら、申請書を提出する
  6. DS-160 提出証明書(バーコードがついている)をプリントする(これも面接で必要になります)

DS-160申請書はセーブすることができますので、 途中で中断してあとで再開することも可能です。(作成された申請書のデータは最長で30日ぐらい保存されているそうです)
前回の続きから再開したい場合は、※Aと※Bを入力したあと、※Dをクリックしましょう。そこで申請書番号、あなたの出生地、Security Question の答えなどを入力すれば、前回セーブしたところから再開することができます。

また、よく「Session Timeout」になることもありますが、その場合も上記の方法でやれば、セーブデータの続きから再開できます。

ビザ申請料金を払い、面接を予約する

最後に、ビザ申請料金を払い、面接の予約をします。

これらも全部オンラインで出来ますが、どこのサイトで払い・予約するかは各大使館によって違うので、自分がビザを申請する大使館の指示にしたがってください。

予約ができたら、面接予約確認書(Instruction)をプリントすることを忘れずに。これも面接で必要になります。

必要書類をそろえて面接へ

あとは面接ですが、必要書類がたくさんありますので忘れ物がないように。

パスポート

滞在予定日数プラス6ヶ月以上の有効期限があるパスポート。(あと過去10年分の古いパスポートも必要な場合があるそうです)

また、アメリカのビザを過去に取得したことがある人は、そのビザがはいっているパスポートも必要と書いてあるところもありました。

入学許可書(I-20)

留学する大学・語学学校から発行される入学許可書。

SEVIS FEE 支払い証明書(レシート)

SEVIS 費用を払ったあとそのレシートを印刷してください。

DS-160 提出証明書

DS-160を提出したあとその Confirmation を印刷してください。

面接予約確認書

面接を予約したあとに必ず印刷してください。

顔写真(カラー)

2インチ×2インチのカラー顔写真。メガネ着用不可。詳しくはこちらアメリ国務省「Photo Composition Template」)

成績証明書

アメリカの高校などに通ったことがある人は提出を求められることがあるようです。

財政能力証明書

銀行残高証明書など、大学や語学学校に提出したものを出せば大丈夫です。あなたが留学費用を支払う能力があることを証明するために必要となります。

留学後の帰国を証明する書類(オプショナル)

これは基本的には必要ないと思いますが、もし留学後もアメリカに滞在する可能性があると判断されてしまった場合、帰国する意思を証明するものが必要になります。

  • 帰国後の復職・復学証明
  • 雇用証明
  • 戸籍抄本など、母国にいる家族がいることを証明するもの
  • 銀行口座や家・車などの資産が母国にあることを証明するもの

※これら必要書類は大使館によって違う場合や変わることもありますので、必ず面接の前に大使館・領事館のウエブサイトをチェックしましょう。

ビザ面接に関してはこちら!

 F1ビザの面接について詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!

uscollege.hatenablog.com

役に立つリソース 

まとめ 

とりあえずこんな感じです。

僕も今回初めてビザの申請をしましたが、けっこう大変ですよね。みなさんもなるべく余裕をもって早めにはじめてください。

面接については、また次回僕の面接が終わったら詳しく書きたいと思っています。それではまた!

【追記】

面接についてはこちらの記事にまとめました!

uscollege.hatenablog.com

【アメリカ大学入学基準】大学の入学選考の傾向の調べ方

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テストの点数だけで合否が決まる日本の大学受験とは違い、入学基準が山ほどあるアメリカの大学受験

エッセイやら、課外活動やら、SAT・ACTやら、どれが一番だいじとかあるの?(入学基準に優先順位は存在するのか?)と疑問に思うひとも多いはず。今回の記事では、各入学基準の重要度について書いていきたいと思います。

一般的な入学選考プロセス

出願書類は2つのグループに分けられる

山ほどある出願書類・入学基準の評価項目ですが、これらは Academics (学業評価) と Character (人格評価) の2つのグループに分けることができます。

Academics (学業評価)

・GPA(学校の成績)

・カリキュラムの難易度

・テストスコア(SAT・ACT)

・研究経験(Research Experience)

・クラスランク(Class Rank)など

Character (人格評価)

・エッセイ

・課外活動・ボランティア

・推薦状 

・生徒の熱意・関心レベル(Demonstrated Interest)

・面接 など

 

覚えておいてほしいのは、この2つのグループはどちらも同じくらい重要だということ。特に、名門校ともなると、両方のグループで高評価を得ることがカギとなってきます。

Academics(学業評価)と Character (人格評価)、 それぞれの役割

Academics(学業評価)でまず生徒をランクづけ?足切りも?

Academics(学業評価)だけでは合格は得られませんが、この評価の高さによって、ある程度受かる可能性は決まってきます。

これは筆者の勝手なイメージですが、受験者はまず Academics(学業評価)をもとに、ランクづけされるのではないでしょうか?GPA や SAT・ACT は数値なので、比べやすいですしね。

ここでのランクが高いと、必然と合格の可能性は高くなってきますし、多少 Character(人格評価) で求められるハードルが下がると思われます。

対して、テストスコアや成績が入学基準(受験者平均)を大きく下回っている場合、どんなに人格評価が高くても、合格する可能性はかなり下がってしまいます。

よっぽど全米レベルのアスリートぐらいのタレントじゃないかぎりね。(上位校の場合)

アメリカ大学は基本的には出願書類をぜんぶみてから合否を判断しますが、やはり学業評価があまりに求められているものよりも低いと、かなり「足切り」に近い状況に陥ってしまいます。

Character (人格評価) で差がつく

ただ、受験者数が多いアメリカの大学受験で、Academics(学業評価)だけで合格者を選ぶのは不可能に近のも事実です。なんせ、同じ SAT・ACT のスコアを持っている生徒は何万といるのですから。

学業評価的には合格圏内にいる大量の生徒の中から最終合格者を選ぶために使われるのが、Character(人格評価)なのです。

だから、この人格評価でも高い評価を得ないと、合格にはたどり着けません。

入学選考の評価項目ってどれが一番だいじなの?

これは後ほど詳しく説明しますが、大学によって入学基準の重要度・優先順位は変わります。

ただ、一般的な入学基準の重要度が知りたいという人のために、 ここではメジャーな入学基準をその重要度ごとにランクに分けていきます。

※このランクづけは、筆者の主観と NACAC Admission Trends Survey, 2018–19 のデータをもとに行いましたので、必ずしも正確とは限りませんのでご了承ください。

最も重要な入学基準
  • GPA(高校の成績)
  • テストスコア(SAT・ACT)
  • カリキュラムの難易度(Strength/Rigor of Curriculum)

やはり、大学は学びの場。一番大事なのは Academic(学業評価)です。

かなり重要な入学基準
  • エッセイ
  • 課外活動・ボランティア活動
  • 推薦状 

Academic(学業評価)の項目とほぼ同じくらい重要なのが、Character(人格評価)のこの3つ。

そこそこ重要な入学基準
  • クラスランク
  • 大学への熱意・関心レベル
  • 就労経験・研究経験
  • 面接
  • タレント・才能(程度にもよるが)

このあたりの重要度は大学によりますが、「かなり重要」として扱う大学もあります。

コントロールできないが入学基準として扱われることがるもの
  • 人種
  • 居住地
  • 宗教
  • レガシーステータス(同じ大学に通っている・卒業した親族はいるか)
  • First Generation(家族ではじめて大学に通ようひとか)

重要:入学基準の重要度・優先順位は大学によって変わってくる

ただ、先ほども書いたように、入学基準の重要度・優先順位は大学によって変わります。

まあ、当たり前ですよね。大学によって生徒に求めるものは変わってきますから。

成績・テストスコアをより重視する大学もあれば、エッセイや課外活動により重きをおく大学もあります。何を重視するかは、大学のスタイル・校風・レベルなどによって全然変わってきます。

せっかくなので、いくつか例を書いておきます。

Academics(学業評価)だけで合否を判断する大学もある

大規模の大学などでは、生徒の Academics だけで(エッセイや課外活動を求めない)合否を判断するところもあります。

Liberal Arts College では Character(人格評価)の重要度が高い

Liberal Arts College は、生徒に幅広く勉強させることが1つのポリシーなので、それができる生徒を見極めために、生徒の人格・やる気レベルに注目します。そのため、これらの評価をするのに適しているエッセイや熱意アピール度などの重要度が高くなる傾向があります。

難関校では Character (人格評価) がとても重要

Ivy League などの上位校では、受験者のレベルも高くなってくるため、Academic(学業評価)での差がつきにくくなってきます。

つまり、学業評価で高評価を得ることだけでは足りないわけです。ハーバードなどでは、SAT 1500点、1600点でも普通に落ちていますしね。

こうなってくると、より Character 人格評価でアピールすることが大事になってきます。上位校を受験する場合や自分のレベルより高い大学を受験する場合は、人格評価でしっかりアピールできるように工夫しましょう!

生徒の宗教・レガシーステータスを入学基準にする大学もある

あまり多くはありませんが、生徒の宗教やレガシーステータス(親族でその大学に通っているもの・卒業したものがいる場合はレガシー生徒になる)を入学基準の1つにしている大学もあります。特に、宗教係の大学に多くみられますね。

大学が何を求めているのかをリサーチする

だからこそ、大学のリサーチをしっかりして、大学が受験生にどんなことを求めているか知ることはとても大事です。

大学リサーチというと、 テストの平均スコアや校風などをなんとなく調べればいいんでしょ!というひとが多いですが、入学選考の傾向や何が出願書類で重視されているのかを調べることが大切なのです。特に、以下のポイントを意識しましょう。

入学選考の傾向をリサーチする時のポイント
リサーチポイント

1)大学はどういう生徒を求めているのか?

2)入学選考プロセスはどういうふうに行われるのか?

3)出願書類で(より)重視されているものは何か?(テスト重視型・人柄重視型・バランス型)

4)その大学特有の出願書類はあるのか?(ある場合は、それを通じて生徒の何を見ようとしているのか?)

リサーチの仕方

まずは、大学のホームページをみることをおすすめします。ほとんどの大学のウエブサイトでは、1)大学はどういう生徒を求めているか、2)入学選考はどういうふうに行われているかなどが書いてあるので。

4)の「大学特有の出願書類」も、大学のウエブサイトの出願書類リストで簡単にチェックすることができます。もし、他の大学にはないようなユニークな出願書類があれば、それを導入している意図をしっかり理解するようにしましょう。受験生にとっては、たかが出願書類の1つかもしれませんが、大学側からしたらこの1つを全員分みるには何百時間とかかるわけです。つまり、出願書類の1つ1つに意図があり、無駄に出願を求めているものはないのです。

例えば、あまり他の大学ではない、「自己紹介ビデオ」の提出を求めている大学があるとしよう。この大学は、生徒の人柄をより知るために、これを導入していると考えるのが自然だよね。つまり、この場合、人柄をアピールするはもちろん、どういう人柄をもった生徒を求めているのかを調べることも大切だよ!

ただ、一方で、公式のサイトだけでは、どうしても入手できる情報が限られてきますよね。 大学側は本質的なところはあまり言わないですしなので、公式サイト以外の第三者のサイトも見てみることをおすすめします。実際、筆者も情報はほぼ公式サイト以外のところから入手しました。特に、有名校などの対策はいろいろ載っていることが多いのです。

「What does(○○大学)look for in applicants/admission?」ってググるだけでその大学の入試傾向・対策に関する情報がでてくるよ!

※ただ、ひとつ注意してほしいのは、これらの第三者のサイトに載っている情報は公式ではないので、正確ではない可能性があるということです。Prep Scholar などの比較的信用できるところが書いていることもあれば、Reddit、College Confidential、Quora などのフォーラムに匿名で書いてあることもあります。元職員や合格者が書いている役立て情報もあれば、全くの噓っぱちということもあるので、あまり鵜吞みにしすぎないようにしましょう。

大学が入学選考で何を重視するかを調べるならこのサイト!

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出典:CollegeData.com 

この CollegeData というサイト、筆者は受験が終わったあとに見つけたのですが、結構おすすめです。特に、この「Selection of Students」というデータからは、各大学の入学選考の傾向(どの項目が重視されているか)が分かるため、自分の受ける大学は1度は調べておきましょう。

このデータをみるためには、まず調べたい大学を検索し、「Admission」をクリックしましょう。また、これ以外にも、有益な大学の基本情報がたくさん書いてあります。

ちなみに、上記のデータは、UC Berkeley のものです。

大学のリサーチはなるべく早めに!

せっかく大学の入学選考の傾向・特色を把握できても、それを生かせなければ意味がありません。 だから、リサーチは早めにはじめて、十分対策する時間があるようにしましょう。

受験する全ての大学への対策を練るのは難しいかもしれませんが、早めに知っとくと便利な情報はたくさんあります。

入学選考の傾向を調べるメリット(例)

例えば、UCLA と UC Berkeley では、UCLA はよりテストスコアや成績などに重きをおき、UC Berkeley はより総合的(Holistic Review)に合否を判断するといわれているようです。 

UCLA と UC Berkeley はどちらもカリフォルニア大学システム(UC System)の学校で、出願書類もほぼ同じだけど、各大学の求めていることが微妙に違うってことがわかるよね。

また、UCLA では、他の大学よりも生徒の研究活動(Research)を高く評価する傾向があるようです。世界的な研究機関として有名な UCLA ですが、やはりテストスコアや成績などの学力レベルの高さをアピールするだけでなく、どれだけその学力を社会貢献に応用できるかをもアピールすることも大事なようです。

この情報を知っていれば、研究プロジェクトに参加したり、近くのラボでボランティアしたりするなどして、アピールポイントを増やすことができるね!

たまたま例がすべて UCLA に関するものになってしまいましたが(笑)、リサーチの大切さは分かっていただけたでしょうか?  

まとめ

  • 入学基準の重要度に関しては、大まかな順位が存在する
  • ただ、各入学基準の重要度は大学によって変わってくる
  • しっかりリサーチし、受験する大学の入学選考の傾向を知るべし

 

SAT Essay と SAT Subject Tests の廃止を徹底解説

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少し、というか結構遅れてしまいましたが、今回は今ホットな SAT Essay と SAT Subject Tests の廃止について書きたいと思います。

2021年1月SAT を主催する College Board から SAT Essay と SAT Subject Tests の廃止が発表されました。この突然のニュースは現受験生にとってだけでなく、もう受験を終えている筆者にとっても衝撃的でした。

去年受験した僕にとっては、あと一年早ければ・・・というところですが、そんなどうでもいい愚痴はおいておき、本題にうつりましょう。

SAT Essay と SAT Subject Tests の目的

いちおう、知らないひとのために簡単にこの2つのセクションについて説明しておきます。しかし、何年かしたらこれらを全く知らない人がほとんどになると思うと、なんか変にしんみりしますね。(笑)

SAT Essay

作文を書くという、ライティングの能力が試されるセクションでした。しかし、これはオプションナルで、受験するには追加料金を支払う必要がありました。

内容はというと、文章を読み、その文章の筆者がどのように読者を「説得」しているかを説明するというものでした。スコアは、各8点満点の3つのカテゴリー(Reading、Analysis、Writing)からなる、合計24点満点でした。

SAT Subject Tests

別名 SAT II。通常の SAT とは違い、より専門的な知識を試すためのテストでした。生徒は20にも及ぶ科目Chemistry、Biology、Spanish、World History など)の中から受験する科目を選び、スコア各科目800点満点で評価されました。

SAT Essay と SAT Subject Tests はどれくらい重要だったの?

SAT Essay は不評だった?

2019-20年は、120万人以上が受験した SAT Essay ですが、意外にも廃止の影響はそこまで大きくないと思います。なぜなら、このセクションはもともと大学からもあまり重視されていなかったからです。

その証拠として、SAT Essay の提出を必須としている大学の方が少なかったぐらいです。筆者が受験した時も、必須だったのは University of California ぐらいでしたね。

まあ、詳しいことは僕もよく分からないのですが、SAT Essay は生徒の能力・大学への適性度をはかるのに適していない、とよく言われていました。

生徒のライティング能力を正しく評価するには、1) テスト時間(50分)短すぎるとか、2) 採点にかける時間が短すぎる(1時間に20~30人を採点)とかいわれていたね。

いずれにしろ、かなり不評だったので、SAT Essay の廃止は特に驚きませんでしたね。

SAT Subject Tests(SAT II)はそこそこ需要があった

個人的には、SAT II の廃止の方が意外というか、インパクトが大きかったですね。

というのも、SAT II は受験生のレベルがあがる難関校の受験において、そこそこ重宝されてきたからです。

やはり、大学のレベルが上がれば上がるほど、受験生のレベルもあがり、SAT や成績だけでは差別化が難しくなってきます。

また、MITなどの Tech School では、より専門的な(科学や数学など)知識を持っているのかをみたいというところも多くあります。

SAT II は、これらの問題の解決にそこそこ(?)貢献していました。

最初に書いたように、基本的に競争の激しい難関校でしか求められませんでしたので、受験者数は SAT Essay の半分ぐらいでしたが、筆者的には SAT II の廃止の方が、その影響が大きいと思っています。

なぜ SAT Essay と SAT Subject Tests は廃止された?

College Board(CB)のこの突然の発表には多くの人が驚きました。

SAT II の廃止の噂など全くといっていいほどありませんでしたし、SAT Essay も、確かに不評ではありましたが、つい最近まで CB はその有用性と信頼性をアピールしていましたから。

いったい何がこれら2つのテストを廃止に追い込んだんたろう?

CB が説明した廃止理由によると「SAT をよりシンプルにするため」らしいよ。

まあ、確かにこの理由には納得がいきます。

SAT II は、AP で十分まかなえますし、むしろ AP をとっている生徒にとっては余分な負担でした。

SAT Essay はもともと大学から不評で、その存在意義を議論されるぐらいでしたから、まあ無駄を排除するという意味では、よりシンプルになったといえます。

しかし・・・

あんなに不評でも、SAT Essay を中々廃止しなかった CB が、なぜ急に世間のいうことに耳を傾けはじめたんだろう?しかも、SAT II まで廃止して。

最近は AP が普及してきていること(結果、SAT II の必要性が下がってきている)やコロナなどでテスト機会が限られてきてることから、より SAT をシンプルにしようとしているのではないかというのが大半の見方だそうです。確かに、通常の SAT 1つにすることによって、CB と生徒、両方の負担が減ることは確かです。

また、これはあくまで筆者の推測ですが、これには最近の SAT・ACT の不人気が関係しているのではないかと思っています。 昨今、SAT・ACT の提出を免除する大学が増えており、さすがの CB も大学や生徒の意見を無視し続けるのはやばいと思ったのではないでしょうか。利益よりも、 SAT の人気・信頼の回復が目的だったとするなら、この決断にも納得がいきます。

【おまけ】ちなみに、SAT の最近の不人気についてはこちらの記事で詳しく書いてあります ⇩ ⇩ ⇩

uscollege.hatenablog.com

SAT Essay と SAT Subject Tests 廃止の勝者と敗者

勝者:ほぼ全員

ほぼ全員にとって、これはグットニュースでしょう。

なぜなら、これら2つのテストの廃止は生徒の負担をかなり減らしてくれるからです。 

たかが2つの小さいテストが無くなっただけじゃん!という人もいるかもしれませんが、それは大間違いです!この2つは生徒にとってかなりの負担でした。

SAT Essay 廃止のメリット

SAT Essay なんて、必要としている大学が少なかったうえ、その信頼性・妥当性が議論されるぐらいだったので、勉強のモチベーションをあげるのが大変でした。

筆者も、UC を受けるためだけに必要だったのですが、本当にやる気が出ませんでした。しょっちゅう「受けても大学はみない」とか「信頼性がない」とか言われていましたし。

ただ、受験する以上はちゃんと勉強しなきゃいけなかったので、SAT Essay の廃止は本当に良かったと思います。

SAT Subject Tests 廃止のメリット

こちらも同じく生徒の負担をかなり減らしてくれます。

まず、SAT II は、通常の SAT と一緒には受験できなかったため、SAT I と SAT II のスケジュールの兼ね合いが地味にめんどうでしたしね。SAT II を受験するために SAT I の受験を断念・延期するひとも多かったですし、SAT II の受験機会はあまり多くなかったので、それも大変でした。

そして、こちらもやはり受ける以上は、ちゃんと勉強しなくてはならないですしね。これは、特にAP や IB をとっている人にとって、結構めんどくさかったです。なぜなら、同じ教科でも内容が違うからです。また、高校で勉強したことがない教科なんかには、もっと勉強に時間がかかりますしね。

例えば、筆者は、IB 生徒でしたが、 IB Biology と SAT II Biology でも、範囲や内容が全然違ったので、大変でした。また、同じ CB が主催しているとはいえ、AP と SAT II も微妙に違うそうです。

もちろん、できる生徒は、AP・IB と SAT II の両立ができましたが、ほとんどの生徒にとっては結構な負担だったので、これは喜ばしいニュースだと思いますね。

敗者:テストが得意な上位校志望者

SAT II と SAT Essay の廃止は、テスト負担の軽減という意味では、全生徒にとってよい出来事です。

ただ同時に、これらのテストが得意な生徒にとっては、残念なニュースであることも事実です。アピールできる場所が減るわけですから。

特に、SAT II は上位校を受験するテスト上手な生徒にとっては、貴重な武器でしたからね。テスト好きな生徒にとっては、SAT II で800点とることはそこまで難しくなかったですし、それを3教科分とれれば結構なアピールになりましたからね。

しかし、彼らも見方を変えれば、その勉強時間を他のことにまわせるわけですから、重要なのは、この時間をどう使うかですね。

ポジティブに考えよう!(SAT Essay と SAT II 廃止の影響と対策)

筆者のように、SAT II と SAT Essay の廃止を嬉しく思う人もいれば、貴重なアピール方法を失って落ち込んでいる人もいるでしょう。

しかし、一番だいじなのは、これを自分のアドバンテージに変える努力をすることだということを忘れてはいけません。みな同じ条件なのですから。

テストが無くなったからといって喜んだり、悲しんだり(これは少数だと思いますが)している場合ではありません。この2つが無くなったということは、他のものが今まで以上に重要になってくるということですし、他の方法でライティング能力(SAT Essayの代わりに)や専門知識(SAT II の代わりに)をアピールしなくてはなりません。

具体的には、

  • ライティング能力をアピールする場は、自然とカレッジエッセイと SAT の Writing セクションに限られてきます
  • 専門知識は、課外活動や AP などでアピールすることが重要になってきます

本当の「勝者」は、この出来事をより自分のアドバンテージになるように努力したひとです!

グットラック!

【Demonstrated Interest】アメリカ大学へ「入りたい熱意」をアピールする方法8選

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この「熱意アピール(Demonstrated Interest)」に関しては、1つの記事で終わるはずが、気づいたら三部作のシリーズになっていました。(*^^)v

とりあえず、いったんここまでの流れをおさらいしておきましょう。

熱意アピール編①

第一章では、大学がなぜ「Yield Rate(歩留まり率)」を気にするのかをメインに、なぜ「大学への熱意アピール」がアメリカ大学受験において大事なのかを解説しました。

uscollege.hatenablog.com

熱意アピール編②

第二章では、その熱意アピールの重要性のおさらいと効果的なアピールに必要不可欠なポイントについて説明しました。

uscollege.hatenablog.com

熱意アピール編③】(本記事)

そして、最終章である今回の第三章では、いよいよ「熱意アピールの効果的な仕方」について書いていきたいと思います。

まだ読んでいないという方は、ぜひ①と②をから順番に読んでいくことをおすすめします。もう読んだというひとやお急ぎの方は、さっそく本題にうつりましょう!

【おさらい】「熱意アピール(Demonstrated Interest)」の重要性

このへんは第一章第二章で詳しく書きましたが、いちおうサラッとおさらいしましょう。

「熱意アピール」とは筆者が勝手に「Demonstrated Interest (DI)」を翻訳したもので、これは言葉通り、受験において自分の「大学への熱意」をアピールすることです。

アメリカの大学は皆さんが思っているよりも生徒の大学への関心・熱意レベルをみており、これが合否の分かれ目になることもあります。

実際、「熱意アピール(DI)」の重要性は National Association for College Admission Counseling (NACAC) が2017年に行なった調査結果にも表れています。この調査では、実に13.7%の大学が「熱意アピール」は入学選考の過程において「かなり重要 (Considerable Importance)」と答え、25.5%の大学が「適度に重要 (Moderate Importance)」と答えました。

つまり、約40%もの大学が「熱意アピール(DI)」を入学選考の評価対象としているってことだね!これは面接(22%)や学年での順位(Class Rank、38%)よりも高いし、課外活動(49%)や推薦状(54%)などと比べてもそんなに変わらないんだ!

もちろん、一番だいじなのは、成績や課外活動などの主要項目なので、そこがしっかり合格圏内にあることが大前提ですが、それプラス「熱意アピール」がうまくできれば、合格への可能性をさらにあげることができます!

受験は一度きりのチャンスなので、使える「武器」はぜんぶ使いましょう。(例えが物騒ですいません笑)ぜひ、皆さんもこの「熱意アピール」をじぶんの「武器」のひとつとしてフル活用してくれることを願っています!

【全部紹介します!】効果的な「熱意アピール」の仕方8選

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出典:Forbes「10 Ways Students Can Use Demonstrated Interest To Their Benefit」より

しかし、いくら熱意アピールの重要性を知っていても、そのやり方をを知らなければ意味がありませんよね。

でも熱意アピールなんてエッセイぐらいでしかできないんじゃないの?

そんなことないよ!地味なものまで含めたら熱意アピールの方法は意外とたくさんあるんだ!今回はそれらぜんぶを紹介するよ!

カレッジエッセイ

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なんやかんや言っても一番効果的に熱意アピールにできるのはカレッジエッセイでしょう。なぜなら、エッセイほどあなたがなぜその大学で学びたいのかをアピールするのに適している場所は無いからです。

ポイントは自分のことをアピールしつつ、大学への熱意を伝えることです。

これは第二章の「熱意アピールの重要ポイント」でも書きましたが、この3つのポイントを意識するとより「深み」のある熱意アピールをすることができます。

  • なぜその大学で勉強したいのか?なぜその大学じゃなきゃいけないのか?(大学のフィロソフィをしっかり理解・共感していることをアピール)
  • 大学の特徴・リソースをどう自分に活かすのか?(大学のリソースを有効活用できる人物であることをアピール)
  • 大学のコミュニティにどう貢献するのか?(大学のコミュニティに貢献できるひとであることをアピール)

なので、エッセイの構成やアイデアを練る際に、これらの質問にどう答えるかを考えるところからはじめるといいかもしれません。

ただ、すべてのカレッジエッセイが大学への熱意アピールである必要はありません。筆者の受験した大学はだいたいどこも「なぜうちの大学で勉強したいのか?」というトピックのエッセイがあったので、それを「大学への熱意アピール」のために使いました。ただ、書くことすべてが「あなたの大学の好きなところ」でなくてはいけないわけではありません。むしろ、それは避けてください。あくまで、大学はあなたのことを知りたいので。

カレッジフェア、大学説明会、キャンパス見学に行く

Francis Quadrangle, University Of Missouri, Landscape

大学のイベントや見学には積極的に参加しましょう!なぜなら、これらはポイント①の「大学のこと全部知っていますよアピール」をする絶好の機会だからです。

というのも、こういうイベントではだいたい出席者の名前を記録しています。(逆に名前を記録しないセルフツアーなどはあまり効果はありません)大学側は後の入学選考でも生徒のイベント参加歴を確認できるため、参加したイベントが多ければ「熱意ある生徒」としてアピールできます。

また、参加するだけでなく、できるだけ大学の職員(可能なら Admission Officer がよい) と話すようにしましょう。できるだけ相手の印象に残るような会話を心掛け(難しいですが)終わったあとも定期的にメールするなどして相手の記憶に残るようにしましょう。人間は知らないものより知っているものの方が評価は上がりやすいですから(知らないブランドよりもCMなどでみた商品を買っちゃうのと同じ原理)こういった小さな努力が意外と実を結ぶかもしれません。

※無理はしないで!

ただ、これらのイベントは住んでいる場所によっては参加するのがむずかしいですよね。アメリカに住んでいるならまだしも、日本から行くとなると・・・遠いしお金もかかりますよね。たしかに大学受験においてプラスにはなりますが、すごく大きな効果があるわけではないので、費用対効果があまりにも悪い場合は無理してまでも行く必要はないと思います。もちろん、簡単に行けるなら絶対行った方がいいです。こういったイベントは生徒のためにもなりますしね。ちなみに筆者もなかなか簡単に大学見学できる場所に住んでいなかったので、大学見学は1回しか(しかも予約満員でセルフツアー)行けませんでした。それでも高校がいろんなカレッジフェアや大学説明会を開催してくれたのでそこはありがたかったですね。

Admission Counselor にメールする

説明会や見学などに行けなくても、大学職員とはメールで簡単にコンタクトをとるこができます。

これは少しでも大学職員の印象に残るために絶対やっておいた方がいいです。(コンタクトする際は自分の住んで地域の入学選考を担当しているひとにしましょう!)

「でもメールって何を書けばいいの!?」という声が聞こえてきそうですが、基本的に質問・相談が一番無難だと思います。

ただ、質問・相談といっても、すぐ調べて分かるようなものではダメです。より具体的で、あなたの「熱意と本気度」が伝わるような質問・相談をしましょう。例えば、

 ①「僕は本を読むのが大好きなのですが、キャンパスに図書館はありますか?」

このようなウエブサイトで調べれば5秒で分かりそうな質問をされたら、イライラしますよね。何より、真面目に大学をリサーチしていないことがバレバレですから、これでは熱意をアピールするどころか、逆効果です。

 ②「僕は高校では聴覚障害をもった子供たちに英語を教えるボランティアをしていました。実際に英語を教えるだけでなく、アプリを作ったり、そういう子供たちが集まって交流できるクラスなどを作ったりしたのですが、このような経験を生かせるようなボランティ・プログラムはありますか?また、自らプロジェクトを立ち上げることは可能なのでしょうか?」

⇒こっちの質問の方がより熱心さ・本気度が感じられますよね。また、大学側にもこの生徒がボランティア熱心だということが伝わるうえ、真剣に大学での未来について考えていることが感じられます。質問に具体性と個性を足すことによって、より効果的なアピール・メールになります。

コツは質問・相談メールを通して相手に自分のことを知ってもらうことだよ!そのためには「具体性」「個性」を忘れないようにしよう!あと、1回で終わるのではなく、定期的にメールすることもだいじだよ!

また、いまいちどう熱意をアピールしたらいいか分からない場合は、ストレートにそのことを聞くのもありです。「僕はこの大学にとても興味をもっていて、ダントツの第一志望校です。この僕の熱意はそちらには伝わっているでしょうか?また、これを Admission の人達によりうまく伝えられる方法はありますか?」っていうのもアリだと思います。

Early Decision(ED) や Early Action(EA) を活用する

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これらは、生徒の「熱意レベル」をみるために導入されたシステムです。

ED や EA では、生徒に普通の(Regular Decision)期限よりも早く提出されることや本校を第一志望として入学を確約させるなどして、生徒に「大学への本気度」を証明させることが一番の目的です。

特に ED は、合格したら辞退することができないかわりに、合格率が普通よりも高くなります。これは、「この大学が僕の第一志望校です!」と、 ED を通して熱意をアピールすることで、評価があがるためです。

また、ED 生徒は合格を辞退することができないため、「Yield Rate」を下げずに済むという大学側のメリットもあります。

なので、もし志望校が ED や EA を使用している場合は、積極的に活用してみることをおすすめします。(ただ、ED では原則1校しか受験できないのでご注意を)

早めに(期限の前に)願書を提出する

Alarm, Time, Flat, Wake Up, Sleep

これは、単純に「(期限の2-3週間前など)早めに願書を提出する」という戦法です。

正直、その効果は未知数ですが、意外とこれが効果的だと信じているひとは多いです。実際、筆者も、何人かの先生の早めに提出することをすすめられました。

彼らがいうには、早く提出することで、1)整理整頓できていて、物事を計画的に運ぶことができる生徒、2)大学に対する熱意ややる気に満ちている生徒、であることをアピールできるらしいです。

まあ、早く提出することはプラスにはならなくても、絶対マイナスになることはないので、時間に余裕がある方は検討してみてくださいね。早め早めに行動することはいいことですし。

大学のメールリストに登録する(そしてメールを読む)

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各大学には、Mailing List というものがあり、これに登録すると、大学が受験生用に送っているメールを受け取ることができます。

メールの内容は、大学説明会やオンライン・ウェビナーなどの案内、大学の紹介、在校生の声、受験に関する説明など多岐にわたります。

なぜこれに登録しておいた方がいいかというと、大学はどの生徒が登録しているか入学選考の際にチェックすることができるからです。さらに、大学側は、生徒が「どれだけの頻度でメールを開けたか」、「どれくらいの時間をかけて読んだか」、「リンクをクリックしたか」などもチェックできるらしいです。ここまでくると、ちょっと怖いですよね。

しかし、見られている以上、メールリストに登録するだけでなく、来たメールはちゃんと時間をかけて読みましょう。また、動画やウェビサイトへのリンクなどもありまたら、必ずクリックして、読むなり見るなりしたほうがいいと思います。

地味で面倒くさい作業なうえ、その効果もさだかではありませんが、できるならやったほうがよいです。

ソーシャルメディアでつながる

Icon Set, Social Media, Contact, Web, News, Blog

これは、大学のインスタグラムやツイッターなどの SNS アカウントをフォローして、「いいね!」を押しまくるという、とんでもなく地味なアピール方法です。(笑)

ただ、これもメール同様、大学側は生徒がどれだけやったかをチェックすることができるので、やる価値は十分あると思います

※大学にはメイン・アカウントのほかに、Admission 部門のアカウントも別にあることが多いので、そちらもフォローしましょう。また、他の関連アカウント(例えば、その大学の留学生向けのアカウントなど)、特に自分に関係あるものは、フォローすることをおすすめします。

定期的に大学のウェブサイトを訪問する

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これは、たぶん一番地味なアピール方法ですね。

タイトル通り、定期的に大学のウェブサイトを訪問するだけです。 

もちろん、たんに訪問するだけではなく、ちゃんと何かを読んだりしながら、最低10分ぐらいはサイトにいるようにしましょう。

あまり効果はないかもしれませんが、これも大学はトラッキングしているらしいので、いちおう彼らも評価対象の項目の1つとしているらしいです。まあ、何回も訪問している=めっちゃ大学のこと調べている=すごく熱心な生徒ってことですかね。

こいつら何でもトラッキングできるやん!

しかも、噂によると、大学のウェブサイトを訪問する前後に何をブラウザしていたかも筒抜けらしいよ・・・(=_=;) だから、みんなもそこのところ気を付けてね。

熱意アピールを成功させるためのキーポイント

  • すべての大学が「熱意アピール」のを入学選考の評価対象としているわけではない。(これについては、各大学のウェブサイトで調べることができますし、どこにも書いてない場合はやりましょう)
  • しっかり作戦を立てる。いつ・どう熱意アピールをするのかのプランをしっかり立てからやったほうが絶対いいです。どうやったらあなたの熱意と魅力が一番伝わるかを考えましょう。
  • 量よりも質。適当にアピールしまくればいいというわけではありません。
  • 早めに熱意アピールをはじめる(最後まで待つな!)受験の年から熱意をアピールしはじめた生徒と受験の3,4年前からしている生徒では、あたりまえですが後者の方が印象は良くなります。

まとめ

思ってたより長く(まさかの三部作シリーズ)なってしまいましたが、やっと終わりほっとしています。(*^^)v

ここまで読んでくれた方は、長々とお付き合いいただきありがとうございました。

提出するものが多いアメリカの大学受験では、どうしても「熱意アピール」の重要性を軽視しがちです。しかし、うまくやれば、入学選考において貴重なプラス要素となりますので、みなさんにもぜひ実践してほしいです!グットラック!

 

 

 

 

 

 

【合格率アップ?】Demonstrated Interest の重要性【アメリカ大学受験】

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皆さんこんにちは!はやく前回の続きを書かなきゃと思っていたのですが、気づいたら一ヶ月以上たってしまいました。(>_<) すいません。

分からないひとのために説明すると、この【熱意アピール編】は、3つの記事からなるシリーズで、これは第二章です。

前回の記事(第一章)では「Yield Rate(歩留まり率)」について書きましたが、今回はその知識を応用して、どう受験に役立てるかを解説していきます。まだ前回の記事を読んでいないというひとはそちらから読むことをおすすめします! ⇩ 

uscollege.hatenablog.com

それでは、さっそく参りましょう!

Yield Rate から理解する「アメリカの大学が受験生に求めるもの」

前回の記事では、アメリカの大学にとって「Yield Rate」がなぜ大事なのかを解説しました。そこで話した重要なポイントは以下の3つです。

  • 「Yield Rate」とは合格者のうち何%が実際に入学したかを表す数値
  • アメリカの大学にとっては様々な理由(ブランド価値、大学ランキング、授業料収益など)から「Yield Rate」は高いほうがいい
  • だからアメリカの大学は「Yield Rate」を上げようと努力している

さて、ここからが今回の本題です!

アメリカの大学にとって「Yield Rate(歩留まり率)」は重要な指標であり、どこも多かれ少なかれこの数値を上げようと努力しています。(特に生徒を選ぶ余裕がある名門大学は)

この「Yield Rate」を一番かんたんに上げる方法は単純に「合格をあげたら入学してくれそうな生徒を多くとる」ということです!

なので、皆さんが思っている以上にアメリカの大学は「生徒が大学にどれだけ興味・熱意をもっているのか」をみているのです。

だから、「生徒の大学への関心度・熱意の度量」も、受験生が注意しなければならない選考基準のひとつなのです。

なるほど。たしかに、どんなに優秀でもあきらかに「すべりどめで・なんとなく受けていまーす」みたい感じだったら大学側は合格にしにくいよね。特に「Yield Rate」のことを考えると。

そのとおり!特に同じような成績の生徒が2人いたら、より大学に対して関心・熱意をみせていて入学してくれる可能性が高そうな生徒の方がいいでしょ?もちろん成績や課外活動が合格圏内にあることが大前提だけど、「どうしてもこの大学に入りたいんです!」という熱意・関心をアピールできれば合格する確率をあげることができるんだ!

アメリカの大学受験でこのような「熱意アピール」(これは筆者オリジナルの言葉です笑)のことを「Demonstrated Interest」といいます。ようは大学に対して興味・関心があることをアピールすることですね。

ちょっとこの「Demonstrated Interest」を日本語でなんていうのか分からなかったので、この記事では筆者の独断で「Demonstrated Interest」=「熱意アピール」ということで進めていきたいと思います。分かりにくかったらごめんなさい!

データが示す「熱意アピール(Demonstrated Interest)」の重要性

実際、「熱意アピール(DI)」の重要性は National Association for College Admission Counseling (NACAC) が2017年に行なった調査結果にも表れています。この調査では、実に13.7%の大学が「熱意アピール」は入学選考の過程において「かなり重要 (Considerable Importance)」と答え、25.5%の大学が「適度に重要 (Moderate Importance)」と答えました。

つまり、約40%もの大学が「熱意アピール(DI)」を入学選考の評価対象としているってことだね!これは面接(22%)や学年での順位(Class Rank、38%)よりも高いし、課外活動(49%)や推薦状(54%)などと比べてもそんなに変わらないんだ!

もちろん、一番だいじなのは、成績や課外活動などの主要項目なので、そこがしっかり合格圏内にあることが大前提ですが、それプラス「熱意アピール」がうまくできれば、合格への可能性をさらにあげることができます!

大学への「熱意アピール(Demonstrated Interest)」の3つのポイント

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これまでのことをまとめると、こんな感じになります。

どうですか?大学への「熱意アピール(Demonstrated Interest)」がなぜ効果的な戦法になりうるか分かっていただけたでしょうか。

でも「熱意アピール」と一言でいっても具体的にどんなアピールをすればいいのでしょう?

すべりどめの大学でも「第一志望校です!」とか言わなきゃいけないの?

いや噓はダメだよ (笑) それにそんなことしなくても「熱意アピール」には3つの重要なポイントがあって、その3つさえおさえておけば効果的なアピールができるんだ!

効果的な熱意アピールに欠かせないポイントは以下の3つです。

  • 大学のフィロソフィをしっかり理解していることをアピール

  • 大学のリソースを有効活用できる人物であることをアピール

  • 大学のコミュニティに貢献できるひとであることをアピール

ここからはこの3つのポイントを詳しく解説していきます。

【ポイント①】大学のフィロソフィ(教育理念)を理解していることをアピール

まず、重要なのが大学のフィロソフィをしっかり理解していることをアピールすることです。

大学はそれぞれ自分たちの教育理念・フィロソフィなどがあり、それを誇りに思っています。だから、そのフィロソフィを理解していることはもちろん、それを体現してくれそうな生徒だと思わせることができれば、効果的なアピールになります。

志望動機などを書く時も、「キャンパスの美しさ」や「食堂のクオリティの高さ」みたいな単調なものよりも、あなたがフィロソフィへ「共感」していることを伝えることができれば、大学もあなたの熱意が「本物」であると感じるでしょう。

また、逆に大学への熱意アピールをする際に絶対やってはいけないのが、相手に自分熱意が「偽物」だと感じさせてしまうことです。例えば、大学説明会などでちょっと調べれれば分かるような質問をしたり、エッセイで大学について間違った情報を書いたりしたり、「うすい」志望理由を書いちゃったりすると、「こいつうちの大学が好きというよりも、とりあえず合格するためにだけにやっているな」と思われてしまいます。

「どうしてもこの大学に行きたいんだ!」という情熱を「濃く、具体的に」伝えられるように心掛けよう!

【ポイント②】大学のリソースを有効活用できる人物であることをアピール

大学は高いお金を払って教授、施設、プログラムなどの「リソース」を生徒のために用意します。

そう、大学にとってリソースを用意することは、生徒への高額な「投資」でもあるのです。だからこそ、生徒にはそのリソースを有効活用し、将来は大学のブランド価値を上げてくれるような人物になってほしいと思っているはずです。

だから、大学はいかにも流されているだけそうな、「なんとなく感」があふれている生徒には興味がありません。

彼らが求めているのは、行動力と向上心があり、意欲的に大学のリソースを自分の成長のために使う生徒です。

なので、大学のリソースの価値をしっかり理解しており、なおかつそのリソースをどう自分のために役に立てるのかというビジョンをしっかり描けていることが伝わってくる熱意アピールは、より「深み」が感じられます。

【ポイント③】大学のコミュニティに貢献できるひとであることをアピール

アメリカの大学の入学選考では「この生徒が自分の大学にフィットするのか」合否の1つの判断基準としているの。だから、「なぜ自分がその大学に合っているのか」や「どう大学のコミュニティに貢献するか」をしっかりアピールできる生徒の評価は高くなるの!

例えば、大学 A がボランティア・プログラムに力を入れているとしましょう。この大学はどういう生徒を集め、どういうコミュニティ(もっというならブランド)を作ろうとしていると思います?

大学が作りたいコミュニティ生徒同士が助け合い、常に自分のことより他の人の手助けになろうと頑張る人で溢れる環境

生徒に求める素質ボランティア熱心、個人的利益よりも社会全体への利益を優先できる、世界をより良い場所にしたいと考えている(環境問題の活動家など)、自分から行動できる・・・など

大事なのは自分がその「大学が求めている人材」、つまり「大学が理想としているコミュニティの形成に貢献できるひと」だとアピールすること。あなたの大学への熱意が本物だと思わせるには、大学の特徴・フィロソフィを理解しているということだけでなく、どう自分が大学のコミュニティに貢献できるをしっかり理解していることを示さねければなりません。

プチまとめ

「熱意アピール」は何でもすればいいというものではないことは分かっていただけたでしょうか?絶対「なんとなく受けている」という印象を与えてはダメです。「どうしてもこの大学で人生の次の章をはじめたいんだ!」という猛烈な熱意アピールで、相手に「どうしてもこの生徒が欲しい」と思わせるぐらいの気持ちで!

効果的な「熱意アピール(Demonstrated Interest)」の一例

とりあえず熱意アピールをする際に重要なポイントを説明しましたが、これだけではピンとこないひともいると思うので筆者が個人的に効果的だと思う熱意アピールの一例を作ってみました。

僕が生徒になりきって大学に対する熱意をアピールするから、みんなも大学の Admission Officer になったつもりで評価してみてね!

それではさっそく例をみていきましょう!

効果的な「熱意アピール」の一例

生徒 Z です。僕は幼い頃から機械を分解したり、組み立てることが大好きでした。高校では工学クラブを作り、リーダーとして数々のプロジェクトを成功させることができ、全米のロボットコンテストでも優勝することができました。僕の夢は工学の発展に貢献できるようなエンジニアになることで、この大学は2つの理由からその夢を叶えるのに最適な場所だと思っています。1つ目の理由は大学のオープン・プログラムの存在です。僕は心理学を工学に応用することが可能であり、この2つの異なる分野の知識を混ぜ合わせることによって工学をさらに発展させることができると考えています。ただ、これには両方の分野で高いレベルの知識を持つ必要があります。その点、一般教養科目をとる必要がなく、さらに学部の枠にとらわれず自分の好きな分野の勉強ができるオープン・プログラムに強い魅力を感じました。2つ目の理由は全米トップを誇る大学の工学プログラムです。単に現在の知識を学ぶだけでなく、「常にイノベーションを目指す」というを教育理念を掲げているこのプログラムは、同じく工学の新たな可能性を模索している僕の研究をはじめる場所としては最適だと思いました。また、大学には工学の最先端で働いている教授が多数おり、彼らのもとで学ぶことで知識だけでなく、これからの工学のあり方についても学べると考えています。特にジョンソン教授は世界で初めて他の分野の知識を工学に応用することに成功した人物なので、僕のプロジェクトについてもぜひアドバイスをもらいながら社会の役に立つようなものに発展させていきたいです。

どうですか?この例は筆者が夜中に適当に考えたものなので、エンジニアのこととか間違っていたらすいません。でも、こんなのでも普通に「この大学に行きたいんです!」というよりは説得力があるというか熱意が伝わりますよね。ここからはポイントごとに解説していきたいと思います。

【解説】

オレンジ自己アピールですね。今回のトピックは「大学への熱意アピール」なので、自己アピールについてはあまり深くは解説しませんが、アメリカの大学では自己アピールはとても大切です。というか、これがちゃんとできてないと、大学への熱意アピールをいくらしても効果はありません。この生徒は自分が興味がある分野(工学)」、「実績」、そして「将来の夢」の3つを交えてうまく自己アピールできていますね。

青色の部分ポイント①の「大学のフィロソフィ(教育理念)を理解していることをアピールですね。この生徒はオープン・プログラムや工学プログラムのことなど、この大学のフィロソフィをしっかり理解していますよね。これなら大学側も「あっうちのことちゃんと知っているな!」と感心しますし、なんとなくではなく明確な意思を持ってこの大学を受験している印象を与えることができます。

むらさきポイント②の「大学のリソースを有効活用できる人物であることをアピールですね。この生徒は大学の特徴を理解しているだけでなく、それがなぜ自分に合っている・どうそれを自分の成長のために役に立てるか明確なビジョンを持っていることが伝わってきますよね。大学のオープン・プログラム、工学プログラム、そしてトップレベルの教授という大学自慢のリソースをそれぞれどう自分の成長のために使うのかを明確に説明することで、「どうしてもこの大学で学びたいんだ!」という熱意が伝わってきます。

また、この生徒は、いっけんポイント③の「大学のコミュニティに貢献できるひとであることをアピール」をしていないように見えますが、このアピールも十分できています。例えば、この大学はオープン・プログラムを採用することで、様々な分野にわたって探究・活躍できる生徒を求めているはずです。その点、この生徒はそのプログラムの趣旨をしっかり理解しており、自ら「学部の枠にとらわれず」研究をしていきたいと言っているので、同じようなマインドをもった生徒たちで溢れるコミュニティにも問題なく馴染むでしょう。また、工学のプログラムのモットーが「イノベーション」であることも、それを知っているだけでなく、自らのプロジェクトもそれにあてはまると言っているので、その点もちゃんと大学の教育理念をしっかり体現してくれそうな生徒だというふうに感じられます。

このように、この3つのポイントをちょっと意識するだけで、かなり「深み」のある熱意アピールをすることができます。

あとは、やっぱりできるだけ具体的に。大学の特徴を浅く何個も並べるのではなくて、自分にとって大切なものを1つか2つ深く掘り下げるようにしましょう。

「熱意アピール(Demonstrated Interest)」の失敗例とその影響

さて、ここまでは「熱意アピール(Demonstrated Interest)」がどれだけ重要かを説明してきましたが、いちど視点を変えてこのアピールを失敗するとどんな影響があるのかをみていきましょう。(いくつか例を用意しました)

僕が各シナリオの生徒役をやるから、みんなもなぜその生徒のアピールがダメなのかを考えてみてね!

失敗例1「熱意アピールを全くしない」

生徒 A です。僕は幼い頃から機械いじりが大好きで、高校ではエンジニアクラブを作り、リーダーとして様々なプロジェクトを成功させました。また、2021年の全米のロボットコンテストでも優勝しました。大学ではエンジニアリングを学び、工学の発展に貢献できるようなエンジニアになりたいと思います。

【解説】アメリカの大学受験では自己アピールはとても大事です。その点、この生徒はうまく自己アピールできていますが、大学については何も書かれていません。これだけだと、大学側は「何でうちで勉強したいの?」や「結局どこでもいいんじゅないの?」などと思ってしまい、いまいち「大学への情熱・関心」が伝わりません。

失敗例2「熱意アピールがありきたりすぎる」

生徒 B です。この大学に合格するのが小さい頃からの夢でした。大学見学には何回も行きましたし、たくさんの在校生とも話しましたが、調べれば調べるほどこの大学のことが好きになっていきました。特に広くて美しいキャンパスと生徒の大学に対する愛校心の高さに魅力を感じました。ぜひこの大学で4年間勉強し、立派なエンジニアになりたいです。

【解説】生徒 B は一見しっかり熱意をアピールできているようにみえますが、その内容はとても単調でありきたりです。「キャンパスの美しさ」や「生徒の愛校心の高さ」のようなちょっと調べたらすぐ分かるような大学の特徴を並べられてもあまり熱意は伝わりません。そして何より、なぜこの大学が自分の夢や目的を達成するのに最適な場所なのかについて説明していません!

失敗例3「熱意アピールが間違った情報を含んでいる」

※設定:この大学の特徴・売りは一般教養プログラムのクオリティの高さ

生徒 C です。僕はこの大学が自分の夢を叶えるのに一番最適な場所だと思っています。僕の夢はエンジニアとなり工学の発展に貢献することです。それにはたくさんの専門的な知識を学ぶ必要があります。そのため、大学では一般教養よりもできるだけエンジニアの勉強に時間を割きたいと思っており、工学プログラムのレベルが高く一般教養がないこの大学が魅力的にうつりました。

【解説】この大学は一般教養プログラムが自慢なのに、生徒 C は「一般教養がないこの大学」と完全に間違った認識をしています。この時点で「にわか」だということがバレバレでかなり致命的ですが、それ以上にこの生徒は自分で「一般教養はいらない」といってしまっているので、大学側はうちにはフィットしないと思い、リサーチミスを見逃してくれたとしても合格する可能性はかなり低くなってしまいます。熱意アピールをする際は必ず大学の特徴・フィロソフィーをしっかりリサーチし(ポイント①)、なぜそれらが自分に合う・必要なのかを説明するようにしましょう(ポイント②)。

やっぱり大学への熱意がちゃんと伝わってくると、大学側もその生徒に合格をあげやすくなります。時にはこれが合否の分かれ目になるので、みなさんもしっかり熱意アピールの重要性を頭にいれておいてください。

まとめ

今回でこの「熱意アピール編」は終わらせるつもりだったのですが、またも長くなってもしまったので、次回こそ三度目の正直でちゃんとコンプリートさせたいと思います。

【更新】⇩これがその最終章です⇩

uscollege.hatenablog.com

 ただ、長くはなってしまいましたが、今回の記事で少しでも「熱意アピール」の重要性(そしてその3つのポイント)についての理解が深まったことを願っています。「熱意アピール(Demonstrated Interest)」はまだまだ軽視されがちですが、うまくやればとても強力な武器となりえるので、みなさんも頑張ってください!グットラック!

【受験生にも関係あり!?】アメリカ大学が気にする「Yield Rate」って何?

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皆さんこんにちは!今回のトピックは「Yield Rate」です!

「Yield Rate」って確かその年の合格率や合格者プロフィールなどと一緒に毎年公表されているやつだよね?

そう!日本語だと歩留まり率っていって、合格者のどのくらいが実際に入学したかを表しているとても重要なデータなんだ。

へえ~。でも、それって受験生にとっても大事なの?

それがとても重要なんだ。「Yield Rate」をしっかり理解すれば、入学選考においての大学側の意図・基準への理解が深まるし、それは受験戦略にも応用できるんだ!

そうです!今回のトピックはいっけん生徒にとってあまり重要そうではなさそうに見えますが、実は意外と大事なんです!ぜひ最後まで読んでください!

Yield Rate とは?

まずは「Yield Rate」とはなにかですよね。

難しそうにみえるかもしれませんが、全然そうなことはありません。よく「Acceptance Rate」といっしょに取りあげられるので、セットで説明します。

  • 「Acceptance Rate(合格率)」= 受験者のうち何%が合格したか
  • 「Yield Rate(歩留まり率・入学率)」= 合格者のうち何%が実際その大学に入学したか

計算方法入学者 ÷ 合格者 = Yield Rate(歩留まり率)というわけです。

どうですか?簡単でしょう?

つまり、「Yield Rate」が100%の場合合格者全員がその大学に進学したことになります。逆に、0%だと誰もその大学に進学しなかったことになります。(そんな大学ないですけどね笑)

「Yield Rate」が低いと、合格を「蹴った」生徒が多かったことになるので、やっぱり大学側としては「Yield Rate」は高いほうが見栄えがいいですよね。でも、アメリカの大学が「Yield Rate」を重視するのはそれだけが理由じゃありません。これは後に詳しく説明しますが、まずはその前に・・・

アメリカ大学トップ25校の「Yield Rate」(2020年度)

せっかくなので、アメリカ大学の実際の「Yield Rate」がどんな感じなのか、「Acceptance Rate」と一緒にみてみましょう。

ちなみに、これらのデータは毎年入学選考が終わったあとに大学が公表しているので、各大学のウェブサイトにいけば簡単にみつけられます。

今回はそれらをまとめてくれているブログをみつけたので、そちらを表になおして使わせていただきました。(このデータでいう「トップ25大学」は、US News & World Report の大学ランキングに基づいているそうです)

2020年度のアメリカ大学トップ25校の「Yield Rate」

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出典:McElory Tutoring より

意外と低くない?と筆者同様に思ったひとも多いんじゃないでしょうか?

2020年度の入学選考で1番「Yield Rate」が高かったのはハーバード大学スタンフォード大学の82%ですが、このような超エリート大学でも20%近くが合格を蹴っているのです。

あと「Acceptance Rate」が低いほど、「Yield Rate」が高い傾向がありますね。やっぱり入るのが難しい大学ほど、第一志望校であることが多いので、自然とそうなるのでしょう。

アメリカ大学の「Yield Rate」が低い理由とは?

例えば、東京大学の「Yield Rate」は99%(2019年)を超えています。だって普通に考えて東大の合格を蹴るなんて想像できないですよね。

でも、アメリカの場合、トップ25の名門大学であっても50%を超えているところのほうが少ないですし、なかには30%台の大学もありますね。

これは大学選びの基準の違いからくるものでしょう。日本の場合、大学のネームバリューを最優先に考えますが、アメリカ場合はそれよりも学費(奨学金の有無)や環境、そしてどの大学が1番じぶんにあっているかなどかを優先して大学を選ぶ傾向が強いですから。

なので、アメリカの大学では、「Yield Rate」が50%もあれば高いほうになりますし、平均も30%あたりといわれています。1つの基準として覚えておくといいでしょう。

なぜアメリカの大学は「Yield Rate」を気にする?

アメリカの大学にとって「Yield Rate」はかなり重要です。これにはいくつかの理由があります。

合格率を下げるため

もし「Yield Rate」が高ければ、その分だけ合格者の数を少なくすることができます。逆にこれが低いと、定員を埋めるためにより多くの生徒に合格をださなければいけないため合格率があがってしまいます。

なぜ大学はそこまで合格率を下げようとするかというと、最近は「低い合格率」が名門大学の証とされており、一種のステータスとなっているからです。特に「一桁の合格率」は多くの大学の憧れみたいなものでしょう。

合格率を下げる方法は受験者の数を増やすか「Yield Rate」をあげるかの2つしかないので、だから大学は頑張って「Yield Rate」をあげようと努力しているわけです。

大学ランキングに影響するから

「Yield Rate」や「Acceptance Rate」(特に後者)は大学のランキングに影響してきます。多くのランキングはこの2つを使い入学難易度を評価するためです。

年々ランキングの重要度は増していて、どの大学も1つでも順位をあげるために頑張っています。受験者の数を増やして「Acceptance Rate」を下げるために、SATなどの共通テストや推薦状の免除などを取り入れている大学もあるくらいです。ちなみに、アーリーディシジョン(Early Decision)制度も「Yield Rate」をあげる効果があります

おまけ:アメリカ大学ランキングについてはこちら ⇩

uscollege.hatenablog.com

Yield Rate が低いと授業料収益が下がるから

毎年、大学は「Yield Rate」を予想して入学選考を行いますが、その実際の数値が予想より低いと、新入学生の数が目標を下回ってしまいます。そうなると授業料収益が減ってしまうため、これを回避するためにも大学は入学選考の際、この「Yield Rate」をとても気にするのです。

もちろん予想より多くの生徒が入学することもあり、これもこれで問題なのですが、たぶん経済的な理由から、「目標より低い Yield Rate」の方が深刻でしょう。

入学選考プロセスの評価のため

大学は「Yield Rate」を使いその年の入学選考プロセスの評価をするそうです。「Yield Rate」は実際に入学した合格者の割合です。なので、これが低い場合、合格の基準・生徒の見極め方法を見直す必要があるかもしれません。

「本当にその大学にマッチした生徒を選べていたか?」や「本当にその大学に入学する気がある生徒に合格をあげられていたか?」などの答え合わせに「Yield Rate」は重要なわけです。

そんなに「Yield Rate」が大事なら絶対入学しそうな生徒ばかりを合格にすればいいじゃんとなりそうですが、合格者のテストスコア・成績の平均も大事ですし、滑り止めで受験していると分かっていてもやっぱり優秀な生徒はどの大学も欲しいので難しいんですよね。そのバランスを調整するためにも「Yield Rate」は必要なのです。

おまけ:Yield Protection 存在説

「Yield Protection」とは「スター生徒」(レベルが高い生徒)をわざと不合格または Waitlist (補欠合格)にして Yield Rate が下がるのを防ぐ方法のことです。ちなみに、Tufts Syndrome ともいうようです。

大学にとって「スター生徒」は確かにとても欲しいですが、せっかく合格をあげても実際に入学してくれる生徒は少ないです。(Harvard などは例外ですが)なので、明らかに滑り止めで受験している生徒を不合格や補欠合格にすることによって、Yield Rate が下がるのを防ぐのです。特に Waitlist補欠合格を希望した生徒はほとんどの場合絶対に入学しなくてはならないので、本当に入学する気がある生徒だけを見極めることができるので最適です。

ただ、これはあくまで噂であり、大学が本当に「Yield Protection」をしているという証拠はありません。

受験生も無関係じゃない!Yield Rate から導きだす受験対策:Demonstrated Interest の重要性

これだけみると「Yield Rate」はあまり生徒にとって関係なさそうにみえますよね。大学にとって重要なのは分かったけど、受験生には関係ないじゃんと思っているひとも多いでしょう。でも、先ほども書いたように、これが意外と受験生にとっても重要なんです。

大学は「Yield Rate」をあげるために「入学してくれそうな生徒」を好みます。どんなに成績やテストスコアがよくても「入学する意思」がないと判断されれば、あまりよい印象を与えません。

だからこそ、「私はこの大学が大好きで、受かったら入学しますよ」という感じを強くアピールしなくてはいけません。志望校にも滑り止めにもです。これを「Demonstrated Interest 」といいます。

アピール方法は小さいものから大きいものまで、いろんな方法があります。本当はここで紹介するはずだったのですが、ちょっと長くなりそうなので次の記事で書くことにしました。ぜひそちらも読んでください!

まとめ

  • 「Yield Rate(歩留まり率・入学率)」= 合格者のうち何%が実際その大学に入学したか
  • 「Yield Rate」は大学にとってとても重要で、入学選考が行われる際もこれが考慮される
  • 大学は「Yield Rate」を落とさないように「入学する気がある生徒」を好むため、そこのアピールが重要である(=「Demonstrated Interest 」)

ちなみに、この記事は3つの記事からなる「熱意アピール編」の最初の記事(第一章)です。第二章、第三章では、この知識をどう受験に活かすのかを詳しく書いているので、ぜひそちらもチェックしてください!

⇩第二章「【Demonstrated Interest】アメリカ大学への「熱意アピール」の重要性【熱意アピール②】」

uscollege.hatenablog.com

⇩第三章「熱意アピール(Demonstrated Interest)」の効果的な方法8選【熱意アピール編③】」

uscollege.hatenablog.com

SAT や ACTって何回うけてもいいの?Superscore や Score Choiceって?

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お待たせしました!久しぶりの更新です!

さて、今回のテーマですが、タイトルに書いてある通りSATとACTの受験回数、そして、SuperscoreScore Choice など、生徒がテスト結果を送る際に持つ「選択肢」などについて解説していきたいと思います。

これらは SAT や ACT などの共通テストを受けるまえに必ず知っておいた方がいいです。ためになることもたくさん書いてあるので、ぜひ最後まで読んでください!

SAT・ACTは何回でも受けていいの?

これは「ほぼ YES」ですね。

なぜ「ほぼ」なのかというと、SAT は受験回数に制限がなく、正真正銘「何回でも受けていい」のですが、ACT は12回までと制限があるからです。

ただ、12回でも十分おおいですし、だいいちそれ以上受ける必要なんてないので(それ以上は逆効果)これも「ほぼ」無制限としてカウントしてもいいでしょう。(^^)

これは、基本的に「一発勝負」である日本の大学受験に比べると、かなり気が楽ですよね。だめでもセカンドチャンス、サードチャンスとあるわけですから。ただ注意点もいくつかあります。

複数回うけた場合はどうすればいいの?どれを送るの?

しかし、複数回うけていいとなると、新たな疑問が浮かびますよね。主な疑問は以下の2つでしょう。

  • 全テスト結果を大学に提出しなければならないのか?
  • 教科別のハイスコアと合計ハイスコアを記録したテスト機会が違う場合はどちらを提出すればいいのか?

2つ目がよく分からないというひとは、例えば SAT でいうと、回の合計点の最高は10月のテストだけど、Math の最高点は違うテストの時に記録したという場合ですね。

これらの疑問を解決するには、SAT と ACT が導入している Score ChoiceSuperscore を理解する必要があります。

Score Choice(スコアチョイス) 
~全テスト結果を提出しないといけないの?~

f:id:miumiu19:20201227035449j:plainScore Choice では、複数回テストを受けた場合大学に送るスコアをその中から選らぶことができます。つまり、全結果を送る必要がなく、自分の良いスコアだけを送ることができるのです。(ちなみに、これはSAT・ACTの両方で可能です)

例えば、5月、9月、12月と計3回、共通テスト(SATまたはACT)を受けたとしましょう。Score Choice を使えば、その中から2つ送るのもよし、1つだけ送るのもよし。でも、テストのある科目だけ送る(例えば、5月に受けたSATの Math だけ)ことはできないので注意しましょう。

ただ、大学によって Score Choice を容認している大学とそうでない大学がありますので、そこはしっかり調べなくてはいけません。全テスト結果を送ることを義務付けている大学も少数ですがありますから。

Score Choice のまとめ
  • Score Choice を容認している大学では、大学に送りたいテスト結果を選択することができる
  • ただ、教科スコア(SAT:Math・EBRW・Essay、ACT:English・Reading・Math・Science・Writing)だけを送ることはできず、送るならばそのテストの全てを送ることになる
    ➡ 例)○○月のテストの Math スコアだけを送ることはできない
  • 大学が Score Choice を容認していない場合、全てのテスト結果を送らなくてはならない

Superscore(スーパースコア)
~教科・セクションごとの最高点が違うテストで記録された場合は?~

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Superscore とは、複数のテスト結果の中から、教科(セクション)ごとに自分の最高点をみてくれるということです。つまり、テストスコアの「いいとこどり」ができるということですね。

例)SATの場合

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この例でいうと、最高合計点は9月の1400点となりますが、Superscore をすると、1420点になります。

これは ACT でも同様で、教科スコアごとの最高点を足して、Superscore スコアを算出します。

ただ注意です!

Superscore は、あくまで、大学のテストスコア評価方法であり、生徒側が教科ごとのベストスコアを選択することができるわけではありません。

先ほど書いた通り、生徒はテスト結果の1部だけを送ることはできず提出するテストの結果は全て(全教科・セクション)提出しなければいけません。

つまり、Superscore を導入している大学は、あなたの送ったテスト結果の教科ごとの最高点に注目しそれらを足したスコアをカウントしてくれるということであって、「自分の Superscore」 だけを送るということはできません。それができるのは、全ての教科の最高点が1つのテスト機会で記録された場合だけです。

Superscore のまとめ
  • Superscore とは多くの大学が使用するテストスコアの評価方法のこと
  • Superscore を使用している大学は、生徒の教科・セクションごとの最高点(それらが複数のテスト機会で別に記録された場合)を足したスコアをあなたの最高点としてカウントしてくれる
    ➡ 例)SAT Math の最高点は9月テストで記録した750点
                SAT EBRW の最高点は12月テストで記録した700点
                = Superscore は1450点となる
  • ただし生徒は Superscore の点数だけを送れるわけではなく、 Superscore の算出に必要なテスト結果の全てを送ることになる
    ➡ 例)上記の例の場合、9月と12月の全テスト結果(全教科のスコア)を送らなくてはならない

 【必見】豆アドバイスシリーズ

どうでした?とりあえず基本は理解できたと思います。

アメリカの大学受験では、共通テストを複数回うけていいかわりに、そのスコアの提出などは少し複雑です。

ここには、SAT や ACT を受験する前に絶対知っておいたほうがいいこともまとめました。いろいろな疑問もここで解決されると思います。

【1】まずは受験する大学の共通テストの評価方法を確認せよ!

Superscore や Score Choice ができるかは大学によります。

なので、あなたの志望校がこれらを容認しているかを事前に確認しましょう。それによって、テストの受験回数・戦略なども変わってきます。

例えば、大学が Score Choice を容認していない場合、受験した全てのテスト結果を送らなくてはなりません。良いのも、悪いのも含めてです。また、共通テストの受けすぎも印象が悪くなる可能性もあるので、この場合、受験回数も制限した方がよいでしょう。(これは【3】で解説しています)

そして、Superscore の有無は、どのテスト結果を送るかに影響するでしょう。また、Superscore のスコアを伸ばすために、特定の教科に専念するなど、勉強方法にも影響してくれるでしょう。

【2】SAT と ACT では評価方法が違う場合も!?

ACT はそのシステム上、「Superscore」のスコアを計算するのが少し複雑になります。

SAT が Math セクションと EBRW セクションの最高点を足せばいいだけなのに対して、ACT は4つあるセクションの最高点を足して4で割る必要があるからです。

まあ、とはいってもそんな「複雑」なわけではありませんが、「Superscore」は SAT だけ、という大学もあるので、Superscore のポリシーに関してはしっかり確認しましょう。

 【おまけ】SAT と ACT の違いについてもっと知りたいというひとはこちらへ ⇩

uscollege.hatenablog.com

【3】SAT・ACT の受けすぎはよくないかも!(でも抜け道も?)

受験回数がほぼ無制限となると(ACT は12回までですが)、少しでも高い点を目指して何回何回も受験したくなってしまいますが、一般的に受けるのは3回までにするのがよいとされています。

その理由には、お金がかかるから、何回受験してもそんなに点数は上がらないため意味がないから、生徒にとって負担が多すぎるからなどがありますが、これらは何が何でもいい大学に入りたかった僕にとってあまり説得力がありませんでした。

でも、納得できるような理由もありました。

  • 受験回数が多いと、テストスコアばかり重要視している印象を与えてしまい、課外活動などの他の要素をおろそかにしていると思われがちだから
  • テストを何回も受けられるということは、それだけ裕福な家庭にいると思われるから(アメリカでは、お金のアドバンテージを使うよりも、限られた環境の中でじぶんの努力で解決することが評価される)

つまり、SAT・ACT の受けすぎは大学にあまりいい印象を与えないらしいです。

僕自身、高校のカレッジカウンセラーに、4回以上 SAT を受けるのはおすすめしないと言われたのを覚えています。やはり、共通テストの受けすぎはテストスコアばかりに固執しているイメージを与えるからというのが理由でした。

ただ、僕はそれでもスコアへの執着を捨てきれずに結局4回受けました。筆者の場合、Score Choice ができる大学ばかりだったので、最終的にベストスコアの2つだけを送ればよかったので、「受けすぎ」が大学に知られる心配は無かったですしね。Score Choice を使用しても、それが大学に知れることはないので、もし受験する全・ほとんどの大学が Score Choice を容認しているのであれば、回数を気にせず高スコアを目指すもひとつの手でしょう。

はい、Score Choice を使用したことは大学側にはバレません。だからといって、全スコアを提出することを義務付けている大学に自分のよいスコアだけを送るのはやめましょう。モラル的にも問題ですが、もしバレたら合格取消しなどをすべてを失いかねないので、そこはちゃんと大学側からの指示を守りましょう。

【4】SAT・ACT をはやくに受験する意味はある?

SAT・ACT に年齢制限はありません。なので、厳密にいえば何歳からでも受けることができます。

ただ、いちおうスコアの「有効期限」は5年なので(それ以前に受けたものも送ることができるが)大学受験の時に「有効」であるテストスコアは8年生以降に受けたものに限られます。

ほとんどの生徒は11年生ごろに共通テストを受験しますが、なかには早くに(8年生・9年生の時に)受ける生徒もいます。

もし、7・8・9年生の時にうけた SAT・ACT で高得点をとれれば、1つのアピールになります。ただ、これ以外の理由で早く受験するメリットはないと思います。

実践練習のために早くに受験するひともいるようですが、もし Score Choice ができない場合、この「実践練習スコア」も大学にみられるかもしれません。いくら早くに受験したとはいえ、もしスコアがあまり良くない場合、マイナスに働くことはなくても、プラスに働くことはまずないでしょう。練習なら家で十分できますし、可能なら PSAT を受けてみるのもよいでしょう。

ちなみに、共通テストの理想的な勉強開始のタイミングや受験時期などについては、以下の記事にまとめてありますので、ぜひそちらもチェックしてください!

uscollege.hatenablog.com

【5】Superscore の点数だけがみられるわけではないかも?

Superscore とは生徒にとってとても嬉しい評価方法ですよね。

ただ、大学があなたの Superscore の点数だけを評価対象にしているとは限りません。確かに、もし大学が Superscore を容認していう場合なら1番重視されるのはそのスコアですが、送られた他のテストスコアもみてるかもしれません。

先ほども使った例をみてみましょう。

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大学が Superscore する場合、確かに1番注目するのはハイライトされている点数ですが、だからといって他の点数がみえないわけではありません。この例の場合、もし3つのテストすべてを送った場合、9・10月の Math スコア、そして12月の EBRW スコアも「筒抜け」なのです。

考えてみてください。SAT で1420点をとった生徒なんて1つの大学の受験者だけで何千といるかもしれません。特に Superscore は点数のインフラを起こしますからね。

もちろん共通テスト以外の要素もありますが、もしかしたら同じテストスコアの中でも「格付け」されているかもしれません。同じ Superscore 1420点でも、そのスコア以外の点数(例でいうとハイライトされていない点数)で優劣がつけられている可能性も否定できます。

なので、大学が Superscore を採用している場合でも、送るテストスコアには注意を払いましょう。この例の場合、9月と10月両方のテストで EBRW のハイスコアを記録しましたが、送るのは9月のテストがいいです。Math スコアがそちらのほうが高いので。

ただ、これはあくまでこの例のように選択肢がある場合です。もし10月と12月のスコアしかない場合、迷うことなくその2つを送りましょう。とはいっても1番だいじなのは Superscore の点数ですから。まあ、あまりに他の教科のスコアが悪い場合はべつですが。その場合は Superscore にした場合の上がり幅と天秤にかけて判断しましょう。(例えば10月の Math スコアが400点だった場合、送らないほうがよいかも)

あと Superscore で高い点をとるために、1つの教科だけに集中しすぎるのもやめましょう。せっかく狙っていた教科でハイスコアがとれても、もう一方があまりに悪かったら意味がありませんから。

まとめ

  • Score Choice では大学に提出するテスト結果を選択できる
  • Superscore は教科ごとの最高点を足したもの = テストスコアのいいとこどり
  • 大学の共通テスト評価方法をちゃんと確認すること(Score Choice・Superscore を使用しているのかなど)
  • SAT・ACT は受けすぎないように注意

【徹底比較】SATとACTの違い【あなたにはどっちがあってる?】

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SATとACTどっちがいいの?

共通テストの勉強をはじめる際に、多くのひとが一度は悩みます。

いちおう分からないひとのために説明すると、多くの大学で提出が求められる共通テストにはSATとACTの2種類があり、どちらを受験してもOKです。なので、受験生はどちらを受けるかを(すごく?)悩みます。

今回はその決断をすこしでも簡単にできるように、SATとACTの違いを徹底的に解説していきます。

SAT vs. ACT完全比較ガイド(もくじ)

重要:SATとACTは同等

まず、SATとACTは同等のテストして扱われています。だから、どちらかのほうが有名だとか、より評価が高い・低いだというようなことはありません。

が、みな得意・不得意はあります。なので、テスト勉強を始めるまえに、両方試してみて、どちらがより自分にあっているかをみきわめましょう。家で両方の模擬試験(公式のやつがおすすめ)を、なるべくテスト環境に近い形で受けて、より自分が得意だと思うほうを受けましょう。

注意:このときに点数が高いほう=自分が得意ほうとしがちですが、必ずしもそうではありません。たまたま、問題が簡単だったのかもしれませんし、点数よりも手ごたえを重視しましょう。もし、点数が低くても、そちらのほうが自分にあっている・点数を伸ばしやすそうだと思ったら、そちらを選択してもよいでしょう。

さあ、それではさっそく模擬試験をやってみて、、、と、ちょっと待った!

いきなり模擬試験をやるまえに、まずはSATとACT、それぞれの特徴をしっかり理解しましょう!これを知らないと、テスト選びはもちろん、勉強方法も間違ってしまうかもしれないので。

この記事では、SATとACTそれぞれの特徴、そして違いを徹底的に解説します。最後のほうに、あまり知られていないコツなどもありますので、ぜひ最後まで読んでください!

SATとACTを徹底比較

基本的な違い

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※費用はアメリカ国外で受験する場合は高くなります 

個人的におもしろいなと思ったのは費用の差ですね。SATが意図的にACTより少し安くしようとしている、ライバル心?がみえみえですね。(笑)

さて、ここでまず知るべきは「テスト・セクション」の違いですね。名前は違ったりしていますが、実は問題の内容・タイプはほとんど同じです。以下にまとめました。

  • ACT Reading = SAT Reading 
  • ACT English = SAT Writing 
  • ACT Math = SAT Math (no-calculator) & Math (calculator) 
  • ACT Science 
  • ACTライティング = SATエッセイ

唯一の違いは、Science セクションですね。また、SATは Math が2つあるのに対して、ACTは Math と Science の1つずつという構成になっています。これは後に詳しく解説します。

ただ、それ以外はほぼ似たような問題ですね。ただ、この2つのテストには決定的な違いがあります。それはテストを解かなけばいけない「スピード」です。

テスト時間・スピードの違い

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注目すべきはセクションごとの問題数と時間。これをみることによって以下の「1問あたりに与えらえる時間」、つまりどれくらいのスピードで解かなければいけないのかがよくわかります。

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こうみると、すべてのセクションにおいてACTの方が1問あたりに与えられる時間が短いということがわかります。この「時間」は、「問題の難易度」と関係しており、それぞれのテストの特徴としてあらわれています。

  • ACTのほうがよりスピーディーに解く能力、つまり頭の回転のはやさが求められます。
  • SATじっくり解くことができますが、問題の難易度があがります。特に読解などの問題はかなり複雑なものが多いです。

なので、短い時間でポンポン問題を処理できるひとはACTがいいでしょうですし、逆に時間をかけてじっくり考えるのが得意ならSATのほうがいいかもしれません。

Science セクション

さて、最初に書いたとおり、ACTにあって、SATにない唯一の問題が Science セクションです。Science セクションと聞くと科学の専門的知識が必要なのかと思ってしまいますが、そんなのは必要ありません。

このセクションでは、科学に関する文章題がだされ、データやグラフなどの読み取りや分析することを求められます。集中してやれば、文章じたいは複雑ではないので、それほどむずかしくは感じないでしょう。

実はSATにも似たような問題はあるのですが、これはReadingの中から数問だされる程度なので、もしデータやグラフの読み取りが得意ならば、ACTを受験してみてはいかかでしょうか?

Math セクションの違い

Math セクションの違いに関しては、細々とした違いが何個かあります。

問題内容の違い

SATとACTはどちらも Algebra(代数学)の問題が多くだされます。

ただ、それ以外だと、ACTは Geometry(幾何学)の問題がSATよりも多く、全体的な範囲も広いということを理解しておきましょう。それぞれのテスト範囲をみてから決めるのもよいでしょう。

計算機

SATでは計算機を使ってはいけないセクションがありますが、ACTにはありません。なので、計算機なしで、じぶんの頭で計算(暗算)するのが苦手なひとはSATには向かないかも。

数式表

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出典:College Board より「SATの数式表」

SATでは、面積や体積の求め方などをのせた「数式表」が使えますが、ACTではそんなものはありません。そんなにむずかしい公式ではなく、普通に覚えられるレベルのものですが、数学が苦手で、公式をいつも忘れてしまうというひとはACTの方がいいかも。

選択肢の数

ACTの数学問題には選択肢が5つありますが、SATは4つです。これはつまり、ACTの方が若干むずかしいのと、当てずっぽうで正解する可能性がわずかながら低くなることをしめしています。

SATには書き込み問題がある

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出典:Khan Academy

ACTの問題はすべて選択問題ですが、SATには6問ほど書き込み(in-grid)問題があります。この問題では、選択肢はなく、じぶんで考えた答えを書き込み、その答えに応じてマークシートを記入するかたちになっています。

例えば、答えが1/3だと思うばあい、その答えをますめに書き込み、1,/,3をマークシートで塗りつぶします。

もうお分かりだと思いますが、SATではより「数学センス」みたいなのが求められます。暗算ができること、公式を覚えていること、そしてより自分で考え解いていく能力が必要です。

リーディングの違い

SATにだけある Evidence Support Questions

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出典:Perfect Scorer Test Prep より

これはSATにだけ存在する問題です。内容はというと、前の問題で選択した答えが正しいことを裏付ける「証拠」を選ぶというものです。例えば、問題1でAを選択したとします。この問題1の Evidence Support Question は、4つの文章中の切り抜きの中から、問題1の答え「A」が正解だとしめすものを選ぶのです。

この問題は好き嫌いが大きくわかれます。選択した答えが正しければ、「証拠」選びも簡単なのですが、逆に間違っていると、間違った「証拠」を探してしまうため、2問おとすことになってしまいます。とりあえず、やってみたらわかります。

問題の順番

SATでは、問題が時系列にそってだされます。つまり、極端な例でいうと、段落1、段落2、段落3の順に問題がだされるわけです。これは、答えを文章中からさがすうえで、範囲を絞れるため、とても便利です。

対して、ACTは必ずしも文章中の順番にそって問題がだされるわけではないため、より広範囲の中から答えを探すことになります。

こう聞くと、ACTの方がむずかしく感じますが、SATの問題はより複雑だということを忘れないでください。実際、筆者も答えがある範囲は簡単にみつけられても、文章を完全に理解できずに結局解けなかったということがありました。

小論文セクションの違い

SATとACTにはそれぞれオプショナルの小論文(エッセイ)セクションがあります。SATでは Essay とよばれ、ACTでは Writing とよばれます。

SATエッセイ

SATでは、パッセージ(Passage)を読み、筆者の主張とテクニックを分析します。うーん、もっと簡単にいうと、筆者がなにかを書く時は、必ず目的がありますよね。例えば、宣伝だったら、商品を買うように読者を説得することが目的ですよね。その「目的」を達成するために、印象に残る言葉遣いや購入者の声など、さまざまなライティング・テクニックを使うわけです。

つまり、SATエッセイでは、この「筆者の目的」と「筆者のライティング・テクニックとその効果」を分析することを求められます。じぶんの意見などは一切かきません。

SATエッセイは読解力が高く、筆者の意図やテクニック(そしてその読者にあたえる効果)を理解・分析することに長けているひとにおすすめです。

ACTライティング

ACTでは、同じくパッセージを読みます。そのパッセージでは何かしらの「問題」をとりあげており(例:人権問題)、生徒はその問題に関するいろいろな視点・意見について書くことが求められます。また、SATとは違い、じぶんの意見をのべることができます

つまり、様々な視点や意見を比べつつ、じぶんの意見を書くので、より主観的な(じぶんの考えを表現する)ことが好きなひとにおすすめです。ただ、なんでも好きなように書けばいいわけではなく、ちゃんとパッセージを使いじぶんの意見をサポートしなければなりません。

もしSATのように客観的に文章を分析するのが好きでなく、もっとじぶんの言葉で書きたいひとはこちらのほうがよいかもしれません。

スコアに関する違い

SAT━ACT点数換算表(公式)

ご存知のとおり、SATとACTではスコアの表示方法が全く違います。なので、一般的にSATとACTのスコアを比べるばあい、下記の表を使います。

これは2018年にSATを主催している College Board が出版した公式の点数換算表です。ちなみに、ACTからSATに換算する場合は * の点数を使用してください。

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出典:「Official ACT to SAT (New 1600 and Old 2400) Conversion Charts
スコアの計算方法(Mathの重要性)

SATとACTのスコア計算における大きな違いは、Mathセクションの重要性の違いです。ご存知のとおり、SATではMathセクションが全体の50%を占めます。なので、必然的に最終スコアにおけるMathセクションの重要性が高まります。

一方、ACTでは、Scienceセクションがあるため、Mathは全体の25%と、SATよりは重要性が少なくなります。

実際のをみてみましょう。

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出典:Prep Scholar より

どちらの例でもMathの点数がとても低いですが、ACTの方が最終スコアの下がり具合がゆるいことが分かります。ACTでは88パーセンタイル(トップ12%)と持ちこたえましたが、SATでは68パーセンタイルまで下がってしまいました。この20%の差は、トップ12%かトップ32%かの差なので、とても大きいですね。

なので、数学が得意ならばSATを、不得意ならばACTを受験することをおすすめします。

Superscore 

大学によっては、テストスコアを提出する際に、Superscore を選択することができます。

詳しい説明は省きますが、Superscore ではセクションごとにじぶんのベストスコアを選択することができます。

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このように、自分のセクションごとのハイスコアをくっつけることを、Superscore といいます。

セクション数は、SATでは2つ(Math、EBRW)、ACTでは4つ(English、Science、Math、Reading )あります。

なので、Superscore がしやすいのは、より細かくセクションがわかれている、ACTとなります。これも頭にいれておくとよいでしょう。

【必見!】豆アドバイスシリーズ

SAT━ACTの点数換算を最大活用しよう

皆さんお気づきでしょうが、SATの方がシステム上より細かくスコアが表示されます。これをうまく利用することによって、より自分のスコアを「よく」みせることができるかもしれません。f:id:miumiu19:20200922185047p:plain

例えば、SATで1490点、ACTで34点とったしましょう。ACTの34点は、SATでは1490点~1520点なので、この場合ACTをだしたほうが良いでしょう。ACTではギリギリ34点なのかわかりませんし、うまくいけば1520点相当と判断されるかもしれません。

逆に、SATで1520点、ACTで34点ならば、SATをだしたほうが、同じスコアバンド(ACT34点、SAT1490~1520)でも自分が高いほうだということをアピールできます。

注意点

①ただ、これはあくまでSATでも、ACTでも、同じようなスコアをとれる場合の話です。だいたいのひとは、得意・不得意なテストがあると思うので、その場合は単純により高いスコアがとれたテストの結果を提出しましょう。

②また、これらすべては理論上のことであって、実際に大学がACTとSATをこのように比べているかはわかりません。SATとACTを完全にわけて、それぞれのグループ内でしかスコアを比べていないかもしれませんし。

大学によってはSAT・ACTどちらかの方が有利ということも

これは筆者も知りませんでした。というか、いわれてみれば当たり前ですが、考えたことがありませんでしたね。

どういうことかというと、あたりまえですが、SATの提出者の数とACTの提出者の数がきれいに半々になることはありません。毎年、どちらかの受験者数の方が多くなりますし、平均レベルも違ってきます

前に書いたように、SATとACTはいちおう点数換算表があります。ただ、SATのほうがスコアが細かい(比べるのがむずかしい)ため、大学もあまり厳密にはACTとSATのスコアを比較していない可能性もあります。

つまり、段階によっては、SATとACTの受験者でそれぞれ分けて審査している可能性があるのです。そうすると、大学によってはどちらかのテストの方が、わずかながら有利になることもあるかもしれません。

どの大学も合格者のテストスコアを公開しているため、これは簡単にみることができます。ここで注目するのがテストスコアの四分位数です。これは合格者のスコアを下記のように4つのグループにわけたものです。

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合格者スコアの四分位数

この大学の四分位数をみると、ACTとSATでは違うことがわかります。

例えば、ある大学の Mid-50(合格者の真ん中50%のスコア範囲)は

  • ACT:29~34
  • SAT:1310~1510

でした。

ACTのスコアをSATになおすと、1330点~1520点になります。つまり、この年、この大学ではACT提出者の平均がSAT提出者よりも高かったということです。つまり、この年に限ってはSATを提出するほうが有利だったかもしれません。

ただ、これは毎年変わるので、予測するのがむずかしいです。過去の傾向などをみて判断することはできますが、確実性にかけますよね。

両方とも受けたほうがいいの?

よくある質問です。

結論からいうと、基本的に共通テストは1つだけで十分です。

ただ、もし時間と余裕があるのならば、2つ受けることをおすすめします。

多分この3つのアドバイスのなかで、1番効果があって確実なのは、両方受けることですね。詳しくは、「【SAT&ACT】両方うけたほうがいいの?【プリンストン大学の Dean of Admission が何と?】 - アメリカ大学情報室」に書いてあるので、そちらを読んでください。

【判断材料の優先順位】あなたはどちらがあっている?

さて、SATとACTの違いをいろいろ解説しましたが、多すぎてどれを重視すればいいか分からないという人もいるでしょう。

なので、筆者が考える判断材料の優先順位をお伝えします。

  1. スピード派かじっくり派か
  2. Mathセクション
  3. Scienceセクション
  4. リーディングセクション
  5. 小論文セクション

1番はテストスピードです。ACTは全体的にペースがはやく、SATは問題がより複雑なので、そこは自分が得意なほうを選びましょう。

次はMathセクションです。得意ならSATを、苦手ならACTが良いかと。

3番目は Science セクションです。グラフやデータ系の問題が得意なら、ACTで点数を伸ばすことができます。逆に苦手なら、問題数が最小限のSATへ。

リーディングは、小さな違いですが、意外と重要です。Evidence Support Question は好き嫌いが大きく分かれますし、問題が時系列にそって出題されないのはすごく嫌いなひと(僕もそうでした!)もいますから。

小論文はたいして気にしなくていいでしょう。小論文セクションを提出することを義務付けている大学はとても少ないですし、練習すればどちらでも対応できると思うので。

まとめ ~自分の得意な方を受ける~

いかかでしたか?長くなってしまいましたが、いちよう重要な違いは全て解説しました。以下に今回のポイントをまとめました。
ポイント

①それぞれの特徴をしっかり理解する

②なるべくテスト環境に近い感じで両方の模擬試験を受けてみる

③どちらがより自分にあっているかを見極める

あなたが1番信じるべきは、あなた自身のフィーリングです。

結局はあなたがより手ごたえがあるほうを選択し、全力で勉強するのみです。大変でしょうが、頑張ってください!グッドラック!

SATとACTって両方うけるのもあり?【プリンストン大学の Dean of Admission のコメント】

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SATとACT、2つとも受けたほうがいいの?

答えは、できるなら受けたほうがいいです

先にいっておくと、アメリカの大学受験でSATとACTを2つとも受ける必要はありません。どの大学も両方を受けつけているので、どちらか1つを提出すればOKです。

ただ、両方受けることのメリットがあることも事実です。

今回はSATとACTを2つ受験するメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。そして最後にみなさんが1番知りたいであろう、2つ受けることが入学選考にどう影響するのかを説明します!

ちなみに、SATとACTの違いについて知りたいひとは「【徹底比較】SATとACTの違い」をご覧ください!

SATとACTを両方受けるメリット・デメリット

【1】デメリット

(1)テスト勉強にかかる時間が長くなる

あたりまえですが、受験するテストを1つ増やすわけですから、単純に考えても普通の2倍の時間と2倍の努力が必要になります。

まず、筆者はSATしか受けませんでしたが、1つだけでも十分大変でした。その2倍のストレスをかかえることになると正直ぞっとします。まあ、僕があまり勉強が得意じゃないということもあるのですが。(笑) なににしろ、モチベーションを維持するのが大変でしょうから、そこは定期的に目標を確認するなどの工夫が必要でしょう。

そして「時間」です。アメリカの大学受験では、時間はとても貴重です。成績を落としてはいけませんし(APやIBなら特に大変)、エッセイ課外活動にもそれなりの時間をかけなければなりません。つまり、日本みたいにすべての時間をテスト勉強にそそぐわけにはいかないのです。

もし、他のどれかが少しでもおろそかになってしまうのであれば、両方受けるのはあきらめましょう。そこまでして2つ受けるメリットはありません。

(2)ごちゃまぜになる

やはりSATとACTの勉強を同時にするとなると、どうしても頭がこんがらがってしまう可能性が高いです。それぞれ特徴とそれに応じた対策があるので。

もし両方受けるのであれば、同時期に2つを勉強するのは避けたほうがいいです。1番やってはいけないことは、どっちも中途半端になってしまうことですから、そこは注意しましょう。

【2】メリット

(1)テスト日のオプションが増える

SATもACTも毎月開催されるわけではありません。特にアメリカ国外で受験する場合、その数はもっと限られるでしょう。

もし両方受けられるのであれば、よりチャンス(受験できる回数)もオプションも増えますので、それはメリットの1つでしょう。

あまりたいしたメリットにはみえないかもしれませんが、テストのスケジュールリングって意外に大変なので(無理に受けたり)、オプションが多いほうがプレッシャーとかも軽減されて絶対いいです

(2)勉強の相乗効果?

問題形式はちがいますが、SATもACTも求められる基礎能力はほぼ同じです。まあ、そうでないと不公平になってしまうので当たり前ですよね。

つまり、SATとACT両方の勉強することにより、単体では得られない効果を期待できるかもしれません。実際、ACTの Science Section と SATのグラフ問題など、似たような問題もあるので、2つ勉強することに損はないでしょう。思わね得点アップにつながるかもしれません。

(3)2つのスコアを比べて高いほうをだせる

「【徹底比較】SATとACTの違い」でも書きましたが、共通テストの勉強をはじめる前に、両方の模擬試験をやって、どちらが得意・不得意かみきわめることが重要です。

ただ、じぶんはこっちが得意だと思っていても、実際に受けてみたら、もう1つのほうが高い点をとれたということもあります。運にも左右されますしね。

こういうことがあるので、両方受けてみるのもよいでしょう。最後は高い点をとれたほうを出せばよいだけなので。(1)もそうでしたが、両方受けることは単純に「数の原理」で有利にたつことができます。

【3】ぶっちゃけ両方受けたほうが入学選考に有利なの?

1番気になるところですよね。

結論からいうと、もし両方のテストで高得点がとれるのであれば、SAT・ACT両方だしたほうが入学選考で有利になる可能性が高いです。

これは大学によってちがうでしょうので、一概には言えないのですが、トップクラスの大学ほど、両方のテストを提出すること有利に働く可能性が高そうです。

実際、トップクラスの大学の新入生はSAT・ACT両方を提出した生徒の率が高いことが分かっています。下記のデータをみてください。

データ

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出典:「% FROSH ENROLLED IN FALL 2017 THAT SUBMITTED ACT AND SAT SCORES

これは Princeton Review が出版したデータなのですが、Stanford、Cal Tech、MITなど理数系の大学では特に両方提出した生徒が多いことがわかります。

それ以外にも Harvard や Princeton などの超名門大学でも、20%前後もの生徒が両方提出しています。

これはあくまで推測ですが、大学のレベルが高くなればなるほど、受験者の平均点も高くなりますから、共通テストスコアでの差別化がむずかしくなります。そういうばあい、両方のテストで高得点をとっている生徒のほうが高く評価されるのかもしれません。まあ、そうだったとしても納得ですよね。

プリンストン大学 Dean of Admission の発言

実際、筆者の仮説を裏付けるように、当時プリンストン大学の Dean of Admission であった(2018年に退任)Janet Rapelye は New York Times のインタビューでこう語っています。

 “...more information is always better. If students choose one or the other, that’s fine, because both tests have value. But if they submit both, that generally gives us a little more information.”

判断材料は大いに越したことはないと。「共通テスト」は生徒の学力を測定するための判断材料です。SATとACT両方で高得点をとってる生徒は、どちらか1つでしか高得点をとっていない生徒よりも、判断材料(学力測定の結果)の信用性が高いということでしょう。

まあ、こんなむずかしくいわなくても、単純に比べれば明白です。

  • 生徒A:SAT1480点
  • 生徒B:SAT1480点、ACT34点

この2人の中から1人選ばなければいけないとしたら、だれだって生徒Bを選びますよね。良い判断材料はより多いほうが自分のためになります。

まとめ

今回のポイントをまとめました。

ポイント

①SATとACT、両方で高得点がとれるなら入学選考で有利になる可能性大

②2つの勉強は大変なので、じぶんの「時間」と「やる気」と相談する

③大学選考の他の要素に少しでも悪影響を及ぼすならやめる

以上ですかね。まだプランニングの段階だというひとは、2つ受けることを前提ではじめても損はないでしょう。特にトップクラスの大学に受かりたいのであれば、SATとACT両方の高スコアを持っているに越したことはありません。

ただ、他の要素(課外活動、成績、エッセイ、ボランティアなど)も同じくらい重要なので、そこを犠牲にしてまでもやる必要はありません。

謎多き「SATセクション5」の正体【パニック予防】

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皆さんはSATにはセクション5があるということを知っていましたか?そんなのうそでしょ!というひとがいても全くおかしくありません。公式の模擬試験にも、SAT参考書にも、「セクション5」などいくら探してもありませんから。

SATは普通4つのセクションで構成され、スコアがだされますが、ときどきこの4つのセクションのあとに追加の問題がだされることがあります。これこそが、SATセクション5です。

その存在理由はあまりはっきりとはされておらず、セクション5があることじたい知らない生徒もたくさんいます。毎年この謎のセクションの登場に動揺し、パニックになる生徒がたくさんいるので、この記事を書きました。ちなみに、僕もその「被害者」のひとりです。やはりあのときは混乱しましたね。皆さんはそうならないように、この記事を通してセクション5について知っておきましょう!

SATセクション5完全解体書(もくじ)

SATセクション5とは?

SATセクション5は、本来4つのセクションしかないSATに不定期で追加される問題のことです。時間は20分程度と短く問題はすべての科目(リーディング・ライティング・MATH)からだされます。

College Board の説明は?

残念ながらセクション5について、SATの主催者である College Board からは、あまりはっきりとした説明はありません。2016年にSATはいまの「新SAT」になりましたが、そのときに配られたガイドブックにはセクション5について以下のように書かれています。

2016年

"The SAT given in a standard testing room (to students with no testing accommodations) consists of four components — five if the optional 50-minute Essay is taken — with each component timed separately. The timed portion of the SAT with Essay (excluding breaks) is three hours and 50 minutes. To allow for pretesting, some students taking the SAT with no Essay will take a fifth, 20-minute section. Any section of the SAT may contain both operational and pretest items."

「出典:Advising and Admission Handbook(リンク)」

太字のところをまとめると、SATは実験的・試験的(スコアに影響しない)問題をテストに含むことがあり、そのためにセクション5が追加されることがあると書いてあります。これだけ読むと、セクション5は最終スコアに影響しないもと思ってしまいますが、最後の文には5つのすべてのセクションに、この実験用の問題が含まれる可能性があると書いてあります。つまり、この説明だけをみると、セクション5もスコアにカウントされる可能性があるということです。

2019年

また、2019の試験官マニュアルも、セクション5について言及していますが、こちらもはっきりとした説明はありません。

At some centers, certain administrations will include an additional 20-minute section to be completed by all SAT test takers, including students taking the SAT with Essay. The
Standard Testing Room Manual informs associate supervisors precisely when to administer it.

「出典: Spring and Summer 2019 The SAT and SAT Subject Tests Supervisor Manual

3年間のあいだにゆいつ変わったのは、SATセクション5の対象者がエッセイを受けない生徒からエッセイを受ける生徒まで拡大されたこと。実際、筆者も2019年にSATエッセイを受験したときに、セクション5に遭遇しました。

2020年
We occasionally pretest new questions to determine if they should be included in a future SAT test form. These questions may appear in any of the test sections, and testing time will be extended by 20 minutes so students have time to answer them. These questions will not be included in computing students’ scores.

「出典: 2020-21 The SAT Student Guide (リンク

いちおう、最新のガイドブックも確認をしましたが、特に変わったところはありませんでした。生徒にとっては、ただでさえ普段より多くの問題を解くのはストレスですので、College Board には自分のスコアに影響するのかどうかぐらいはっきり説明してほしいですね。

SATセクション5の目的は?スコアに影響するの?

College Board が、かたくなに明かさないセクション5の「存在意義」

細かいものまで含めると、さまざまな説がありますが、説得力があるのは以下の2つでしょう。

新しい問題をテストするため説(実験用・試験用説)

これが1番に有力な説でしょう。College Board が証言しているように、SATには実験用の問題が含まれることがあります。これは、新しい問題の難易度・公平性を計り、未来のテストで使用できるかを判断するためだと思われます。

その新問題のテストのためだけに作られたのがセクション5というわけです。College Board は、どのセクションにも「実験用」と実際にスコアにカウントされる「スコア用」の問題があると書いていますが、「実験用」はセクション5だけなのでは?

なぜなら、セクション5の問題は少なく、とてもランダムだからです。ある特定のセクションからぜんぶ出題されることもあれば、2つ以上の科目から出題されることもあります。僕の場合、ライティングとMATHの問題が15問ぐらいだされました。

そのランダムさから、セクション5がスコアにカウントされてるとは正直思いにくです。どちらかというと、いろいろな問題をテストしているようにみえます。

なら、なぜ正直に College Board はそういわないのかという点ですが、これは多分生徒に本気で取り組んでもらいたいからでしょう。スコアにカウントしない実験用だといったら、生徒は多かれ少なかれ手を抜くでしょう。これでは「実験」の意味がありません。スコアに影響する可能性があるといっておけば、生徒は本気で問題を解き、より正確なデータがとれます。そう考えればあの曖昧な説明にも納得がいくでしょう。

ただ、これはあくまで推測ですので、決して安心して手を抜くなどということは絶対しないでください。真実は College Board しか知りませんし、2018年には、試験官にセクション5はスコアに影響するといわれたと生徒が証言するなどというこもとありましたから。(信ぴょう性はなぞ)どのセクションも全力でやりましょう!

不正・カンニング防止説

もうひとつの説がテストの不正防止のためではないかというものです。ほとんどありませんが、事前に問題・解答を入手できてしまっていた場合、セクション5をいれることにより、不正者を割り出すことができます。なぜなら、セクション5は予告なしで出題されますし(=準備ができない)、すべての問題が新しいもの(SATの問題はときより再利用されることがある)なので解答はありません。なので、セクション5で不正をするのはとても難しいので、そこのスコアと他のセクションを比べることで事前に不正をしていた可能性があるかどうかを調べられます。

例えば、最初の4つのセクションで満点だったのに、最後のセクション5では半分しかとれていなかったら怪しいですよね?セクション5とその他のセクションのスコアを比べることによって、その生徒が本当に自分の実力でそのスコアをとったのかを判断できる可能性があるのです。

しかし、筆者はこの説にはあまり説得力がないと思っています。確かに事前にテストを入手している生徒を割り出すことはできるかもしれませんが、そんな生徒ほとんどいないですし、もっと頻繫に起こっているであろうカンニングには全く効果がありませんから。また、もし本当に不正防止の目的で導入しているのであれば、ときどきしかやらないがとても不自然だと思います。

旧SATにもセクション5はあった?

筆者がSATセクション5が実験用のセクションだと信じるには、もう1つ理由があります。それは2016以前の旧SATにも、同じようなパートがあったからです。

旧SATでは実験用のセクションは毎回あったようで、その理由から今と違いほとんどの生徒がその存在について知っていたそうです。ただ、その実験用セクションは6つあるうちのどれかだったそうなので、ほとんど分からなかったそうです。

旧SATでもどれが実験用かを伝えていなかった College Board なので、セクション5がそうだと断言しないのも納得できます。ただ、セクション5がいつも実験用だという保証は残念ながらありません。

まとめ ~SATセクション5の対策~

ポイント

①SATにセクション5があっても驚かない(落ち着いて解く!)

②スコアに影響するかもしれないので、セクション5でも絶対に手を抜かない

③常に柔軟に対応できるように、「心の準備」を欠かさない

SATセクション5については「対策法」などという洒落たものは必要ありません。というか、問題はいつもランダムなので、準備・勉強のしようがありません。

大切なのは、セクション5があるかもしれないという心の準備をすること。小さなことですが、小さな動揺が命とりになるので。

ちなみに、余談ですがSATセクション5があるということを全く知らなかった筆者はパニック状態でした。笑 なんだこれ?これスコアにカウントするの?などの疑問で頭がいっぱいで、20分しかない短いセクションなのにぜんぜん集中できませんでした。皆さんはそうならないように、常に柔軟に対応できるように「心の準備」を忘れないようにしましょう。

 

アメリカ大学ランキングのおすすめ【一覧表】

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アメリカの大学をリサーチする時に役に立つランキング。でも、ひとことでアメリカ大学ランキングとはいっても、ほんとうにいろいろなものがありますよね。

それぞれが独自のシステムをして使用しているので、ランキングによって評価は大きく変わります。だから、全部みていると混乱してきますよね。今回はそれぞれのランキングの特徴はもちろん、ランキングの正しい使い方などについて書いてみたいと思います!

アメリカ大学ランキング完全ガイド(もくじ)

ランキングの正しい使い方

忘れてはいけないのは、ランキングは主観的なものであるということ「正しい」ランキングなど存在しません。なので、ランキングの使い方には十分気を付ける必要があります。ランキングのメリット・デメリットをしっかり理解し、正しく使うことで、ランキングを効果的に使うことができます。

メリット

1)大学のレベル・ランクが分かる

この大学は聞いたことがあるけど、どれくらいのレベルなのだろう?大学を調べるときに1番最初に気になるのがその大学のレベル・ランクですよね。これは入学難易度に直結してきますし、なにより大学が世間一般ではどのように評価されているかを知ることはとても重要です。なぜなら、自分と世間の評価・理解に差があることがよくあるからです。

例えば、地元では有名な大学でも、全国レベルではどうでしょうか?知名度が抜群でも意外と評価が低かった、その逆のパターンもよくあります。聞いたことがないような大学でも、意外と全米有数の名門校だったなんてことも珍しくありません。

ちなみに、筆者が1番驚いたのはカリフォルニア大学のバークレー校とロサンゼルス校のランキングをチェックしたときでした。日本での知名度がとても高いせいか、僕の中では勝手にトップ5級の超難関校だと思っていました。しかし、ふたをあけてみるとトップ20ぐらいの評価をしているところが多かったので、意外でした。いや勘違いしないでくださいね。トップ20は十分難関ですし、カリフォルニア大学のレベルはとても高いです。でも、僕にとってその小さな差は意外と大きかったのです。このようことがあるので、自分と世間の評価に大きな差がないことを確認しましょう。

2)大学を比較できる

やっぱり何個かの候補の中から選ぶときは、よーく比べてから良さそうなほうを選択しますよね。ただ、自分の頭のなかで比べようとすると、どうしても偏った比べかたになってしまうことがほとんどです。その点、ランキングを使えば同じ条件下で比べることができるので便利です。レベル・ランクの比較はもちろん、ランキングによっては他の要素(大学の特徴やソーシャルライフなど)も比べることができます。

3)新たな大学に出会える

これがランキングの1番のメリットではないでしょうか。大学選びでは、星の数ほどあるアメリカの大学の中から自分にあった大学をさがすのが理想ですが、ほとんどの大学を知らない多くの生徒にとって、これは至難の業です。どれから調べたらよいのか分からないですし、1つずつ検索していてはいくら時間があっても足りません。

そこで役に立つのが大学ランキングです。さまざまな条件・項目で検索できるランキングは、大学リスト作成の初期段階(=ラージリストの作成時、詳しくは「【アメリカ大学選び】大学志望校リストの作り方」をご覧ください!)でとても便利です。

単純にレベルで選びたいならトップ100大学ランキングなどで調べるのもよいですし、合格基準や大学の規模などの条件つきでも検索できるので、自分の理想とする大学をより簡単に絞りこむことができます。

また、希望専攻科目が決まっているのならば、その科目のプログラムランキングをみてみるのもよいでしょう。なぜなら、例え大学全体としてのレベル・知名度が高かったとしても、自分の専攻プログラムのレベルが低ければ意味がないからです。

最初から知っている大学の中で選ぼうとすると、どうしても視野が狭くなってしまい、自分がフィットする大学を見落としてしまいます。ですが、ランキングはうまく使えば、あなたのドリームスクールをより効率的にさがすことができます。

デメリット

1)主観的であり必ずしも「正確」ではない

これがランキングの最大の欠点でしょう。万国共通で「正しい」大学の評価方法など存在しません。故に、それぞれのランキングは独自の評価システムを使用し、これは必ずしも公平であるとは限りません。何を重視するかよってどうしても偏りが生じてしまいますし、これが生徒に間違った認識を与えてしまう可能性は否定できません。

実際、自分の大学が正しく評価されていない・ランキングに欠陥があると感じる大学職員も多く、大学ランキングの信用性が毎年議論されるほどです。

2)ランキングは操作できる?

昨今、ランキングは大学の人気と知名度を大きく左右します。高い順位をとれば必然と受験者の数も質もあがるので、中にはランキングの順位をあげることに一生懸命になる大学も増えています。これらの大学はランキングの上げ方を熟知しており、そういった大学を批判するひともいます。(教育の質を上げることよりも、ランキングを上げることに集中しすぎているなどの意見があります)まあ、教育の質が上がっていないのに、ランキングが上がるほどあまくはないと思いますが、必ずしもランキング=教育の質ではないことを理解しておきましょう。

また、まれにランキングが(特にマイナーなやつ)特定の大学をひいkしているということもあります。明らかに場違いの大学などがあったら、そうかもしれません。なので、なんでもかんでもみれば良いというわけではなく、ランキングの信用度を判断するのも重要です。まあ、おすすめのランキングなどは後に詳しく紹介しますので。

アドバイス

以上のメリットとデメリットを考慮したうえで、いくつかのアドバイスにまとめましたので、時間がない方もここは ぜひ読んで下さい。

1)ランキングを信用しすぎない

これはもう説明するまでもありませんね。主観的な評価で成り立つランキングを過度に信用しすぎるのは禁物です。

2)細かい順位は無視

ランキングでの10~20くらいの違いは、ほとんどのないものと考えても大丈夫です。(一概に全部がそうとは言えませんが)なぜなら、ランキングによって順位はコロコロ変わるからです。例えば、ランキングAでは7位なのに、ランキングBでは4位でランキングCでは16位なんてことはざらにありますから。だから、あまり順位にこだわりすぎるのはおすすめできません。

3)最終決断にランキングは使わない

2)の理由から、大学の最終決断(受験する大学を決めるとき、合格した大学から実際に行く大学を決めるとき)にランキングを使うのは厳禁です。例えば、7位と70位の大学では前者の方がレベルが高いでしょうが、14位と20位とかではほとんど同じランクですから、わざわざ「ランキングの高い方」にこだわる必要はありません。むしろ、ランキングの高さよりも、自分にフィットするのはどれかを考えましょう。ランキングはあくまで新たな大学を見つけるために使うのが良いでしょう。

ランキングが主観的な情報なのに対して、客観的な情報もあります。例えば、卒業率や1年生の定着率などは純粋な統計ですが、その大学の生徒の満足度を正確に表しているので便利です。主観的な情報と客観的な情報両方をうまく使いながら、大学選びをするのが良いでしょう。

アメリカ大学ランキング一覧表

▷=メリット ▶=デメリット ★=個人的なおすすめ度(★4がMAX)

メジャーな大学ランキング

1番権威・影響力がある3つのランキング。大学を総合的に比べている。

U.S. News & World Report(★★★★)

評価方法 (U.S. News より):卒業率・定着率などの「outcome」35%、教職員リソース20%、専門家の評価20%、ファイナンシャルリソース10%、合格者の成績、卒業生の寄付5%

▷1番メジャーであり、もっとも世論への影響力が強い大学ランキング。シンプルに世間での大学の評判を知りたいひとにうってつけです。

▷ランキングは4つのカテゴリー(総合大学、リベラルアーツなど)に分かれており、同規模の大学を比べることができます。また、専攻科目ごとのランキングもあります。

▷卒業率や定着率など、生徒の満足度や大学のサポートの良さを示す項目を重視。

▶生徒のソーシャルライフはあまり考慮されていない。また、卒業生の就職率や平均年収なども対象外。

公立大学より私立大学の評価が高くなりがち?(クラスサイズや合格難易度など私立大学に有利な項目がある)

Forbes(★★★)

評価方法 (Forbes より):卒業生の収入20%、生徒の満足度20%、生徒の借金20%、American Leaders(億万長者、有力な女性などの成功者をどれだけ輩出しているか)15%、予定通りの卒業率12.5%、学問的成功12.5%

▷U.S. Newsほどの権威はないが、人気が高いランキングの1つ。

▷大学の評判よりも、生徒の卒業後に注目している。大学の卒業生がどれくらい成功を抑めているかを知ることができ、大学がどんな人材を育ているか分かる。

▷卒業後の「借金」を考慮しているため、大学の値段の高さ・ファイナンシャルサポートの良さが分かる。

▶大学をサイズに分けていないため、マンモス校から小さい学校まで公平に比べてられているが疑問。

「成功」の定義(お金、地位、名誉)が限定的。あまり高収入ではない分野(教育や非営利活動)や下積みが長い職業(医者など)に進む生徒が多い大学は評価されにくい。なので、必ずしも Forbes の「成功」=「生徒の幸福」ではない。

▶卒業後の「借金」や「年収」などの項目は、裕福な家庭からくる生徒が多い大学の方が有利のため、それが大学の奨学金制度や教育レベルの正当な評価かは疑問。

生徒の卒業後にフォーカスしているため、生徒の大学での実体験や満足度があまり分からない。

Niche(★★)

評価方法 (Nicheより):アカデミック40%、価格27.5%、教職員7.5%、キャンパス5%、多様性5%、ソーシャルライフ5%、生徒アンケート結果5%、ロケーション2.5%、安全性2.5%

▷さまざまな項目のデータを使い、大学の総合的な評価をしている。

▷大学での生徒の「ソーシャルライフ」に注目したランキング。自分がフィットするキャンパス・コミュニティを探しているひとにおすすめ。

▷アンケートを通じ生徒と卒業生の「生の声」をランキングに反映されている。

▷「ベストフード」や「1番安全」など、50以上のトピックのランキングがある。

▶U.S. News や Forbes ほどは有名ではなく、世論への影響力はあまりない。

▶ランキングに使われている、全ての項目が重要とは限らない。例えば、「スポーツ」や「パーティーライフ」などは大学を選びときに気にしないひともいる。

その他の大学ランキング

大学の評価基準が一面的なため(ある特定の項目だけみたものなど)、あまり大学の総合的な評価・評判を知るにはおすすめしません。なので、大学のリサーチのためというよりは、興味本位で見るぐらいがいいでしょう。

The Wall Street Journal/Times Higher Education(★★)

WSJ/THE のモットーは「生徒のための大学ランキング」4つの評価基準(リソース、生徒のケア、結果(卒業率など)、環境)全てが生徒目線で大学を評価するためのものであり、純粋に教育の質を知りたいひとにおすすめです。ただ、あくまで総合的な評価ですので、どの専攻・クラスに当てはまるわけではないということをお忘れなく。

Top American Research Universities(★★)

その名の通り、大学で行われている研究・リサーチだけ注目したランキングです。Top American Research University で使われているデータは研究出版物、助成金、学部レベル(SATスコアなど)、受賞歴など、操作されにくいものがほとんどです。研究者のキャリアへ進もうと考えているひとはぜひ。

Princeton Review(★)

Princeton Review には総合ランキングはなく、その代わり60個以上にも及ぶトピックごとにトップ20校まで紹介されています。政治的思想(リベラルかコンサバティブか)、飲酒量、医療サービスなど他にはない様々なランキングがありますが、これはステレオタイプ的なところもあるので信じすぎないように。

Washington Monthly(★)

ほとんどのランキングが大学を生徒目線で評価しているのに対して、Washington Monthly「社会への貢献度」というユニークな観点から大学を査定します。大学の卒業生が「社会的流動性 (social mobility)」、「研究 (research)」、「公共サービスの促進」にどれくらい貢献しているかにより順位が決められています。

30 under 30 list (college ranking)(★)

Forbes の 30 under 30 list とは、20の産業で活躍する30歳以下の若者、つまり今最も「ホットな」次世代のリーダーたちを600人載せたリストです。(各産業から30人)また、その 30 under 30 list の人物を最も輩出した大学のトップ10を発表しています。いかにも、有名な経済誌である Forbes がやりそうな「ビジネスの観点からみた大学ランキング」ですよね。ちなみに、このランキングは先に紹介した Forbes 大学ランキングの評価基準の1つとしても使われています。

Social Mobility Index(★)

年々高騰する大学費用。それは社会経済的地位の向上を目指す生徒たちの大きな足かせとなっています。そんな現状に警鐘を鳴らすのが Social Mobility Index を出版している CollegeNet。彼らのランキングは学費、生徒の経済状況、卒業後の収入・仕事などに重きを置いており、より経済的流動性を高めている大学、つまりより貧困層の生徒の手助けをしている大学を評価しています。なので、学費が比較的高い名門校はほとんど載っていません。

まとめ ~ランキングは信じすぎない~

今回のポイント

①ランキングは主観的であり「正確」なものなどない

②ランキングで大学に細かい優劣はつけない

③ランキングは新たな大学をみつけるために使う

筆者はほとんど U.S. News のランキングが使用してなかったので、いざ調べてみると思っていたよりもたくさんランキングがあったので驚きました。それぞれ「こだわり」というか、評価基準が違うので比べるのは難しかったですが、何とか僕なりにまとめてみました。

ランキングは使い方さえ誤らないければ、とても役に立ちます。実際、僕も受験した学校の内、半分くらいは(+進学した大学も)ランキングで初めて知ったものでした。ただ、何回も書いているように、ランキングで受験する・進学する大学を決めるのはおすすめしません。どうしても知名度などを気にするのは分かりますが(僕もそうでした)、1番だいじなのは、あなたがその大学にフィットするかどうかで、順位ではありませんから。

 

【アメリカ大学の選び方】志望校選びに重要な18のポイント

f:id:miumiu19:20200730064133j:plain専門学校から4年制大学まで全てを合わせると、アメリカには約5300もの大学があるそうです。ちなみに、日本は約780校なので、そのすごさが分かりますよね。まあ、人口と国土の広さが桁違いなので当たり前ですが。

さて、本題にもどると、この中から自分にベストな学校をさがすのは本当に大変です。何せよ、いろいろな項目があるので、どれを重視すべきかが分からなくなりますよね。クラスサイズ?先生の質?スポーツ?ってね。まあ、どれもだいじではありますけどね。

今回は、効率的な大学リサーチ・志望校リストの作り方をご紹介します。 

アメリカ大学志望校リストの作り方(もくじ)

ラージリストとスモールリスト

大学志望校リストは2段階に分けてつくることをオススメします。というのも、いきなり受験する10校に絞れというのは大変なので、最初はラージリストをつくりましょう。

ラージリストとは、その名のとおり大きいリストのことで、ここでは少しでも興味があったり、受験する可能性がある大学をポンポンのせていきましょう。あまり1つ1つの大学を深く調べる必要はありません。なぜなら、実際に受験する大学をラージリストの中から選択するときに、つまりラージリストをスモールリストにするときに、しっかり調べばよいからです。あとで、あまり好みじゃないなーと思ったら、リストから外せばいいだけのことですから、ラージリストづくりは気軽に!

僕は最終的に18校ぐらい受けましたが、ラージリストには30校以上はあったと思います。やっぱりラージリストがあると、その候補から削ればいいだけなので、スモールリスト(最終リスト)をつくるのがとても楽でした。皆さんもぜひこの2つのリストを使いこなしましょう!

また、ラージリストができたら、そのリストにのっている(受験する可能性のある)大学のレベルや特徴だけでなく、募集要項も確認し、ExcelGoogle Sheets などに記録しましょう。なぜなら、行動する前に何のテストを受ければいいかや推薦状は何枚いるのかを分かっていれば、あとで何かが足りないなんてことにならずにすみますから。

ちなみに、ラージリストとスモールリストをつくる理想的なタイミングは、以下の「アメリカ大学受験計画書」に詳しく書いてありますので、ぜひそちらも参考にしてください!

大学を3つのグループにわける

リストの大学は、自分の学力と比べてランクづけします。日本でいう入試難易予想みたいなものですね。アメリカ大学受験の場合、自分のテストスコアを大学のテストスコア(四分位数)に比べて難易度予想をします。ちなみに、大学の共通テストスコアの四分位数や平均は Prep Scholar などのサイトで簡単にみつけることができます。

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共通テストスコアの四分位数

四分位数 (Quartile) は合格者の共通テストスコアを4つにわけて表します。例えば、75パーセンタイルスコアが1440点だとしたら、合格者のトップ25%は1440点以上とったということです。つまり、あなたのスコアが1440点以上なら、あなたはトップ25%に入る可能性が高いので、合格する可能性も必然と上がります。(ただ、これは前年のデータなので、変わることもあります)

リーチ

いわゆる高望みの大学ですね。もしSAT(Math & EBRW 両セクション) やACTのスコアが合格者の25パーセンタイルスコア以下の場合、その学校はリーチ校になります。例えば、あなたのSATスコアが Math 620点 EBRW 600点だとしましょう。大学Aの25パーセンタイルスコア(つまりこのスコア以上だと合格者のトップ75%に入る)が Math 700点 EBRW 700点なら、あなたのスコアはどちらも合格者のトップ75%に入らないので、その大学はリーチ校となります。またSATの場合、どちらかのセクションが25パーセンタイル以上だとしても、リーチとしてカウントしましょう。

ただ、スコア関係なしに常にリーチ校という学校があります。それは、ハーバード、MIT、スタンフォードカリフォルニア工科大学、IVYリーグ上位校などのトップ10の常連校です。これらの大学は、いくらスコアがよくても、入学選考のレベルがダントツで難しいため、「ターゲット(合格圏内)」になることはありません。

ちなみに、リーチ校の合格率は10%以下と考えた方が良いです。つまり、受かることをあてにしてはいけません。すごく運がよかったら合格するかも、と考えておきましょう。

ターゲット

こちらは合格圏内の学校です。判断方法ですが、SAT(両セクション)・ACTのスコアが75パーセンタイル~25パーセンタイル(つまり真ん中のMid-50)にあること。また、SATの場合、どちらか片方のセクションが75パーセンタイル以上であっても、その大学はセーフティではなく、ターゲット校とすべきでしょう。

当たり前ですが、スコアが25パーセンタイルよりも75パーセンタイルに近ければ近いほど、合格率はあがります。なので、それにもよりますが、ターゲット校の合格率はだいたい40~60%ぐらいではないでしょうか。

セーフティ

最後はすべり止めです。ACT・SAT(両セクション)のスコアが75パーセンタイル以上に入っていれば、その学校はセーフティとして良いでしょう。ただ、これはあくまで共通テストだけを使った予想なので、他の課外活動・推薦状・エッセイの出来によっては、合格率が下がる可能性もあります。

なので、一概には言えませんが、セーフティ校はだいたい75%ぐらいの合格率と考えておきましょう。確実ではありませんが、かなり高いチャンスがあります。

3つのバランス

ラージリストをつくるときは、3つのグループ全てに大学があるようにしましょう。ただ、実際にそれぞれのグループから何校をうけるかは、あなた次第です。まあ、スタンダードは1:1:1ですが、例えば、セーフティを減らし、その分多くリーチを受けたいのであれば、スモールリストをつくるときに、そうなるように調節すればいいだけのことです。そこは受験費用 (application fee) と受験できる大学のリミット (学校によっては)と相談しながら決めましょう。

僕の高校は受験できるのが10校まで(少な!)と決まっていたので、すごい悩みました。やっぱり、いくら受かる確率が高いとはいえ、セーフティを削るのは意外と勇気がいるものです。でも、結局僕はリーチ重視で行きましたが、結果的にはよかったと思います。アメリカの受験は1回きりですので、チャレンジすることもだいじです!

大学しらべのチェックポイント

ここからは、大学を調べるうえでの、チェックポイントを紹介していきます。最初に言った通り、いろんな項目がありますので、とりあえず思いつくかぎり全部書いてみたいと思います。

アカデミック (学業)・セクション

まず、大学のチェックポイントを大きく2つのグループにわけると、アカデミック(学業)とソーシャルライフ(キャンパス生活)になります。無論、大学には勉強しに行くので、より重視すべきはこれから説明するアカデミックに関するチェックポイントです。

大学のレベル・評判

最初にチェックすべきは、大まかなレベルと立ち位置、そして評判です。ハーバードやスタンフォードなどの超名門はともかく、アメリカの大学はほとんど知らないというひとは多いのではないでしょうか?実際、僕もはじめはトップ100大学の3分の1も知りませんでした。まあ、僕のアメリカ人の友達たちも地元の大学しか知らないかんじなので、無理もありません。

だからこそ、まずはアメリカ大学ランキングなどをみて、どんな大学があるのかみてみましょう。僕がよく使っていたのは U.S. News によるランキングでしたが、他にも The Higher Education や Forbes などたくさんあるので、いろいろみてみましょう。

ランキングをみて、興味がある大学は、自分のスコアと比べて、ラージリストの3つのいずれかのグループに入れましょう。まだ、テストを受けたことがないというひとは、厳密にグループ分けしなくてもよいですが、セーフティクラスの大学も忘れないようにしましょう。(レベルの高い大学ばかりにならないように)

ランキングの注意:ランキングはあくまで大まかなレベルを判断するためだけに使いましょう。絶対大学選びの最終決断などをランキングでするのはやめましょう。なぜなら、ランキングはそれぞれが独自の評価方法でランキングづけをしており、いろんなのをみれば分かるように、ランキングによって大学の評価は、これでもかというぐらい違います。だから、必ずしも15位が22位より上というわけではありません。30位と70位では別ですが、差が10~20くらいならほぼ同じレベルです。なので、大学を「ランキングが高い」という理由で選ぶのはオススメしません。

学部のレベル

もしも大学で専攻したい科目が決まっているのならば、その分野に強い大学を中心にリサーチするのもよいでしょう。いくら大学としてのレベルが高くても、あなたの勉強したい専攻のプログラムがあまり良くないのなら、意味がありません。別に細かく決まってなくても、大まかに進みたい分野が(IT、医療系、ジャーナリズムなど)があるならば、それだけでだいぶ絞れます。

また、大学自体はあまり有名じゃないけど、特定のプログラムだけ群を抜いてレベルが高い、なんてこともあります。例えば、ワシントン大学イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校はすごい有名ってわけではありませんが、コンピューター・サイエンスに関してはトップクラスのプログラムを持っています。ついつい大学の知名度などを気にしてしまう人もいると思いますが、より優先すべきは科目のレベルです。

特別プログラム

大学によっては、複数の異なる分野にまたがるプログラム (interdisciplinary) や普通とは違うユニークなプログラムなどがあります。例えば、カリフォルニア大学バークレー校では、M.E.T というビジネスとエンジニアリングを合わせたプログラムがあります。4年の間に2つの学士号がもらえるうえ、2つの分野で一流の教育をうけられるという、とても魅力的なプログラムです。

また、南カリフォルニア大学には World Bachelor in Business というアジア・ヨーロッパ・アメリカの3つの大学で勉強し、3つの経営学士号を取得するというユニークなビジネスプログラムがあります。このような大学特有のプログラムは2つ以上の分野を極めたいという人やちょっと普通と違う勉強してみたいという人はうってつけです。

ただ、こういったプログラムは、枠が少ないうえ、途中編入できないことがほとんどですので、興味があるひとはしっかりと準備し受験しましょう。

研究プロジェクト・施設・教授

特に理系の生徒は、大学でどんな研究が行われているのかや施設の充実度を調べておくことがだいじです。学校によって力を入れている分野はちがうので、それによって研究資金・設備や教授の質がちがってきます。特に後者は、理系の生徒に限ったことではありません。もし尊敬する学者、研究者(ノーベル賞受賞者など)、教授などがいるのならば、そういう人たちのしたで勉強できることほど、うれしいことはないですよね?また、大学によって研究プロジェクトに参加できる機会などもちがうので、しっかり調べておきましょう。

学習環境

この項目で最初にチェックすべきは、大学のサイズとクラスのサイズ。大きい大学と小さい大学(または中規模の大学)では全く雰囲気がちがいます。どちらがいいということはなく、これは好みの問題です。

また、勘違いしてほしくないのは、大学のサイズとクラスのサイズは必ずしも関係していないということです。大規模の大学であっても、クラスは比較的小さかったり、逆もあります。クラスサイズもまた好みの問題ですので、自分にあったものをさがすのがよいでしょう。

2つ目は生徒のつながり・コミュニティ意識の強さです。生徒同士は助けあう感じなのか、それともライバル意識が強いのか。前者は生徒同士で協力し合う感じで、後者はお互いに切磋琢磨していく感じですかね。

3つ目はケアの充実度です。教授(質問用の時間をとってくれるのかなど)やカウンセラーはよくケアしてくれるのか、それとも自分のことは自分でやれ!という感じなのか。でも勘違いしないでくださいね。大学は幼稚園ではないので、他力本願ではダメです。ケアがよいといっても、何でも人任せでよいというわけではありません。

これらは全て自分に合うかどうかの問題なので、別に正解はありません。あと注意してほしいのは、こういうのはあくまで全体的な雰囲気・特徴であって、全部があてはまるわけではありません。ケアが良い学校にだってあまり協力的ではない教授もいるだろうし、逆もあります。大事なのは柔軟性と適応力です。

僕は特にこのポイントを重点的に調べました。というのも、僕は①コミュニティ意識がつよく・アットホーム的な大学に憧れていた②できればクラスサイズが小さいところがよかった③教授と生徒の距離が近く、気軽に質問できる環境がよかったの3つがあったので。まあこれは人それぞれですけどね。

海外留学

日本人学生にとっては、アメリカの大学に行くこと自体が「留学」ですが、さらに他の国で語学留学やインターシップをしたいというひとは、海外留学制度が充実した大学を考慮すべきでしょう。ニューヨーク大学みたいに、世界中にキャンパスがあるところもありますし、ジョージタウン大学みたいに190近くの留学プログラムがあるところもあるので、留学を考えているひとは必見です。

就職

卒業しても仕事がみつからなければ、大学に行く意味がありません。(言い過ぎかな?)なので、全体の就職率のほか、学部ごとの就職率・企業側からの評判なども調べておきましょう。

アメリカの企業によっては、実用的な知識をもった生徒が好まれることもあるので、その大学のプログラムの実用性やインターシップの成功率なども重要でしょう。

また、卒業生のネットワークの強さも大学によってちがいます。学歴・技術はもちろんだいじですが、「コネ」も同じぐらいパワフルになりえますし、持っているに越したことはないので、そこのところもリサーチしておきましょう。

大学院に進む予定のひとは、大学院への進学成功率などにフォーカスしましょう。行きたい大学院の学部にもっとも生徒を送りだしているのはどこか?がポイントです。

ソーシャルライフ・セクション

最初に言ったとおり、大学を選ぶうえで1番だいじなのは、アカデミック(学業)セクションのチェックポイントです。まずは、アカデミック・チェックリストを使い、ラージリストに大学を加えていきましょう。

次に、ラージリストをスモールリストにするとき、または単純にラージリストを絞りたい場合、大学のソーシャルライフ・チェックポイントをみます。これは大学の特徴、大学での生活が自分に合ったかものか調べるためです。いくら大学のアカデミックスが満足のいくものだとしても、環境が合わなければつらいだけです。そういことにならないようにも、このセクションもおろそかにはできません。

それでは、さっそくチェックポイントをみていきましょう。

ロケーション

1番はこれでしょう。大学が位置する場所の環境は3つのタイプにわけることができます。都会 (Urban)、田舎 (Suburban)、田舎 (rural) の3つです。

ロケーションに影響されるものは主に2つです。自由時間の使い方・遊び方、そして就職・インターシップのチャンスです。

都会の大学であれば、クラブへ行ったり、ショッピング行ったりとシティライフを満喫することができ、必然とそういうふうに過ごすことが多くなるでしょう。また、外食の種類も豊富なので、日本食などにも困らないでしょう。もう1つのメリットは、就職やインターシップがしやすいことです。もちろん、学部にもよりますが、大都市には大企業などを含め、ビジネスが密集していますから、チャンスは多いでしょう。ただ、物価は高いでしょうし、外で遊びすぎたり外食しすぎると破産してしまうので注意です。笑 

大学の環境が郊外、田舎に近づくにつれ、自然が豊かになってきます。(あたりまえですが)もし、のんびりと静かな環境で、勉強に集中したいというひとは、こっちが向いていると思います。生徒はあまり外には出かけず、寮でパーティーや飲み会を開いたり、友達と部屋で映画をみたり過ごします。だからか、郊外や田舎にある大学は横のつながりが強いことが多いです。食事はほとんど寮か、数少ないレストランなので、ひとによってはきついかもしれません。でも、物価が安いのはいいですよね。

キャンパス

キャンパスの重要性は改めて説明するまでもありませんね。生徒の「家」であり、カレッジライフの中心であるキャンパスを理由に大学を選ぶひとも珍しくありません。自然に囲まれたキャンパスや大都市のど真ん中にあるキャンパスなど例をあげていったらきりがありません。これは完全に個人個人の好みの問題なので、できるのなら1度見学することを強くオススメします。ただ、それは難しいというひとは、写真やヴァーチャル・ツアーなどを通して、自分がそのキャンパスで生活しているところを想像してみましょう。

治安

環境に関しては上記のようなエンターテインメントやレストランなどに目が行きがちですが、キャンパス周辺の治安は絶対調べておきましょう。なぜなら、それによって行動が制限されることがあるからです。例えば、夜遅くによく出歩いたり買い出しに行くひとは、それをしても安全なのかどうか知っておく必要があります。また、治安が悪い場合は、大学側がどういう対策を講じているのかも調べておきましょう。

クラブ活動・アクティビティ

課外活動はキャンパスライフの全てといっても過言ではないでしょう。大学の授業はそんなに長くありません。なので、生徒たちは空いた時間をじぶんのパッションに注ぎます。大学新聞・ラジオ、環境運動、研究クラブ、模擬国連、ビジネス、ボランティアなどその活動は多岐にわたります。

ただ、大学選びの段階ではそんなに課外活動を気にする必要はありません。というのも、大体の大学はいろんなクラブ活動が既にあるうえ、なければ自分がつくればいいからです。もしどうしても外せない・やりたい活動があるなら、似たようなのがその大学にあるかチェックしたりすることはできますが、そうでなければ、いろんな種類の活動があることだけ確認するだけで十分でしょう。

グリークライフ

グリークライフ (Greek Life) とは、大学にある社交クラブみたになものです。1つの大学にいろんなクラブがあり、アメリカ大学のパーティーライフの中心を担っています。このグリークライフの存在感は大学ごとに強い・弱いがあり(ハーバードみたに全くない学校もある)、その存在感が強ければ強いほど、パーティーカルチャーが強い大学になります。もし、グリークライフに興味があるならば、それがある大学をさがすのもよいでしょう。

生徒のデモグラフィック

デモグラフィックとは生徒の人種、性別、社会経済階級構成のことをさします。性別はどこも大体半々なのであまり気にすることはありません。ただ、個人的には人種構成だいじだと思います。やっぱり、多様性がある学校のほうがよかったので。(海外生を含め)いろんなタイプの人がいるほうが、楽しそうだし、自分と馬があうひとも探しやすいですからね。

昨今は人種だけではなく、社会経済階級にも多様性を求める学校が増えてきました。これはつまり裕福な家庭からくる生徒と貧困層の生徒、そしてその間にいる全ての層の生徒を受け入れようということです。これもまた色んな視点を知ることができるため、社会経済階級の多様性もチェックしてみましょう。

また、それ以前に、その大学の生徒と馴染めるか・コミュニティにとけ込めるのかを判断するうえで、デモグラフィックは重要です。例えば、富裕層の子供が多い大学には、遊びにお金を多く使う生徒が多いです。なので、必然的に「交際費」にかかるお金が増えますので、それがきついひとは、そういった大学を避けたほうが良いかもしれません。全員が全員そうであるわけではありませんが、どうしてもそれが主流だと金銭的な理由で色々不便や居心地の悪さを感じたりすることが多くなります。

人間の価値観は育った環境(社会経済階級)とアイデンティティー(人種)に多く影響されるので、どういう生徒がいるのかを調べるうえで、デモグラフィックはとても役に立ちます。

宗教

アメリカでは宗教系の大学は全く珍しくありません。ただ、その宗教の大学への影響力はまちまちです。最近では、一応宗教系の大学ではあるけど、ほとんどその感じがない・いたって普通の大学というところも多いですしね。

ガッツリ宗教系であっても、ほとんどの大学は宗教・人種に関係なく温かく迎えてくれるので問題ありません。例えば、ノートルダム大学はカトリックの影響が強く(キャンパスに教会があるほど)、生徒もカトリックが多いですが、他の生徒も受け入れますし、差別・宗教行事などの参加の強制などは全くありません。むしろ、カトリックの良さである、互いを助けあうことが信条なので、生徒間の絆はとても強いなどと良いこともあります。

なので、あまり宗教自体は気にしなくてもいいですが、生徒のデモグラフィックが偏ったり、特有の「空気感」などがあったりするので、大学のソーシャルライフを学ぶうえでは欠かせないでしょう。

スクール・スピリッツ&スポーツ

スクールスピリッツとは愛校心のことです。アメリカでは、生徒たちがそこの大学生であることをすごく誇りに思っている、いわいる「スクール・プライド」が高い学校があります。これらの大学は、スポーツチームが強いことが多く、自チームを大勢で熱狂的に応援する試合観戦が名物です。

ファイナンス

アメリカの大学は本当に学費が高くて、頭が痛くなりますよね。だから、大学を学費で選ぶひともいるでしょう。ただ、これはあまりオススメしません。

なぜなら、実際にかかる学費とウエブサイトなどに載っている「スティッカープライス」(店頭表示価格)は違うことのほうが多いからです。例えば、ランキングや公式サイトにのっている学費が7万ドルだとしても、実際は奨学金などでそれ以下になる場合が多いです。

なので、学費で選びたくなる気持ちは分かりますが、まずはアカデミックとソーシャルライフからリサーチし、最後に経済的に可能かを検討することをオススメします。こうすれば、本当だったら奨学金をもらえて行けたのに、学費が高いすぎて受験するのを断念してしまった、なんてことを防ぐことができますから。

ただ学費は安いに越したことがありませんよね。ここからはちょっとでも海外留学がしやすくなるように出来ることを紹介します。

奨学金

アメリカには2種類の奨学金があります。Need-Based は必要に応じて支給されるもので、各家庭の経済状況を審査したうえで奨学金の額がきまります。ただ、海外生 (International Students) に支給される奨学金アメリカの生徒(Domestic Students)に比べてはるかに少ないため、結構厳しいです。

さらに、これは学校にもよりますが、Need-Basedで受験する際は、あなたの経済状況も考慮されるため、それにより不合格とされる可能性もあります。大学側も海外生に出せる奨学金に限度があるため、学力・能力的には大丈夫でも、それにより落ちてしまうことがあるのです。逆に経済状況が入学選考の対象とはならない Need-Blind Admission もありますが、先ほど言ったように、海外生がこれの対象になることはほとんどありません。

なので、海外生はもう一方の Merit Scholarship を狙うほうがいいです。これは成績や課外活動の優秀者に送られるので、海外生でも十分チャンスがあります。もしも全額近くの奨学金が欲しい場合、自分のレベルよりも少し下の大学を必ず受けましょう。そちらのほうがチャンスがあります。僕も何校かオファーをいただきましたが、全てセーフティ校・ターゲット校からでした。リーチ校は受かるだけでもギリギリなので、なかなか奨学金がもらえることは少ないですね。

大学によっては、生徒全員が自動的に Merit Scholarship の対象になるところもあれば、さらに追加の願書が必要だったり、早めに願書を出さないと選考対象にならないところもあるので、しっかり奨学金情報を集めることをお忘れずに。

州立大学・私立大学

よく州立大学のほうが安いと聞きますが、それはその州に住んでいるひと・家を持っているひとに限ります。州外・海外生にとってはあまり変わりません。まあそれでも私立より高いことは少ないですし、それを理由に州立大学を選ぶひともいます。

ただ覚えておいてほしいのは、私立のほうが奨学金の合計金額や枠が多いということ。だから意外と私立のほうが安くなることもあります。まさにさっき書いた、「スティッカープライス」に惑わされてはいけないということですね。特に奨学金を多く出している私立大学などを調べてはどうでしょうか?

寮を出る

大学によっては1年生は寮に住むことを義務付けているところがありますし、そうでなくても1年生の間は寮生活のほうが良いと思います。最初は土地勘がないうえ、寮はキャンパスに近くセキュリティもしっかりしているので、いろいろと便利で安心です。

ただ、寮費もばかにはならないので、2年目以降は大学近くのアパートなどを友達と借りるのも良いでしょう。家賃を何人かで分ければ安くすみますし、寮とはまた違った楽しさがあります。

まとめ ~完璧を求めない~

短くまとめようと思っていたのですが、無理でした。笑 以下に要点をまとめました。

今回のポイント

①ラージリスト・スモールリストを使いこなす

②大学はレベルごとに3つのグループに(リーチ、ターゲット、リーチ)

③アカデミックで大学をリストにのせ、ソーシャルライフで自分にあった大学にしぼりこみ、ファイナンスで経済的に可能か判断する

最後に、大学選びをする時にやってはいけないことは、「完璧」な大学を探そうとすることです。すべてが満点な大学などありません。「完璧」を求めすぎると結局疲れてしまうだけなので、ポイントには必ず優先順位をつけましょう。最初に優先順位を決めリサーチに取り組めば、大学選びはスムーズにできます。グッドラック!

アメリカ大学受験の流れ【4年間の計画を立てよう!】

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コレッジアプリケーション(大学願書)って本当に大変ですよね。やる事が多すぎて、途中でわけがわからなくなってきます。だからこそ、直前になって、あれが足りなかった!とか、これも必要なの?とならないように、しっかり計画を立てることが大切です。備えあれば患いなしです!

偉そうなことを言っている筆者ですが、僕がアメリカの大学に進学しようと決めたのは10年生のころで、本格的に始動したのは11年生と、かなりのんびり屋さんでした。もっと早く、計画的に始めていればな~といまでも思います。(1番の後悔。。。)

皆さんにはそういう思いをしてほしくないので、ちゃんと計画をたてることを強くオススメします。また、既に始めているひとも、何か忘れていないか・これからの予定をチェックすることが大切ですので、ぜひ僕の理想とする「アメリカ大学受験マスタープラン」を参考にしてください!

日本とアメリカの学年の違い

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ちなみに、僕はアメリカの学年で書きますが、分からないひとはこれを参考にしてください。また、これはあくまで僕が理想とする計画なので、必要に応じて自分用にアジャストしてください。

アメリカの受験時期

後ほど詳しく書きますが、アメリカの受験願書は12年生の時に出します。しかも早いと(Early Decision など)12年生の10月、遅くても1月ぐらいまでに提出するところが多いです。なので、12年生が始まる頃には、ほとんど「準備完了!」っていうのが理想です。

9年生になる前にやるべきこと

アメリカの高校は4年間なので、9年生~12年生の間の成績や課外活動が入学選考の対象となります。それ以前のものは基本的にカウントしませんが(テストスコアや賞などは学校によって例外あり)大学受験に向けての準備をすることはできます。

4年間の計画を立てる

4年間の計画を立てるのに8年生・7年生ほど最適な時期はありません。早く始めるに越したことはありませんから。マイ・マスタープランをつくりましょう!

自分の好きなことをみつける(課外活動の方向性を決める)

これはすごくだいじです。例えば、課外活動とひとことでいっても、何でもかんでもやればよいというわけではありません。自分の好きなことは何か。自分はどんな人間なのか、またどんな人間になりたいのか。

大げさに聞こえるかもしれませんが、大学受験では自分をうまくアピールしなければなりません。そのためにはまず自分を知り、それをもとに受験計画を立てましょう。

9年生にやるべきこと

簡単リサーチでモチベーションUP

人間は目標がなければ頑張れません。特に4年間の全てが入学選考の対象になるアメリカ大学受験では、常に高いモチベーションを維持することが求められます。

だからこそ、始める前に「目標」を定めることが大切なのです。

なぜアメリカの大学に行きたいのか?を再確認し、どんな大学があるのかを調べてみましょう。簡単なリサーチを通し、あなたのドリームスクール(志望校)を探すのです。やっぱり憧れの学校がみつかるとモチベーションがぐんとあがりますからね。

いろんな課外活動にチャレンジ

課外活動と一言でいっても、なんでも適当にやればよいわけではありません。まず、欠かせないのは「芯」です。芯=じぶんの好きなことであり、その芯を中心にレジュメを完成させることが理想です。

例えば、「サッカー」が「あなたという人物を語るうえで欠かせないもの(芯)」だとしましょう。単にサッカーを毎日ガムシャラにやっているだけでは、あまりアピールになりません。もちろん、全国区で有名な選手(有名クラブのユース所属・大会で優勝)なら話しは別ですが、サッカー少年なんていうのは腐るほどいますので、それだけでは印象には残らないでしょう。

「じゃあサッカーなんか意味ないじゃん」というわけではありません。それがあなたのパッションであり「芯」であるのならば、それを中心に展開していけばいいのです。例えば、

①サッカー審判の資格をとり、下のカテゴリーの試合の審判をする

②コーチや監督に挑戦する

③地域でチャリティー大会を企画する

④子供たち向けのサッカー教室を開催する・サッカービデオをつくり公開する

⑤サッカーチームの新入生を先輩が手助けするメンタープログラムをつくる   など

とりあえず思いついた5個を上げてみました。キーワードは「リーダーシップ」、「地域貢献」、そして「コミットメント」です。

「コミットメント」とは、あなたが本当に好きで、情熱を持って取り組んでいるということです。大学はあなたがどんな人か、そして物事に対して「夢中」になれる人なのかをみます。すぐ諦めたり、色んなことを浅くやる人は、あまり評価されません。

「地域貢献」とは、文字通り他の人を助けることです。これは凄く大事です。大学がボランティアなどを評価するのは、常に他の人のことを考えることができ、そのために頑張れるひとを探しているからです。だから、課外活動を考えるときも、地域や周りに自分の行動を通じて、貢献できないか考えてみましょう。

「リーダーシップ」は、、、説明するまでもありませんね。とはいっても、9年生からリーダーできるひとは少ないでしょう。でも、別に難しいことでなくて良いのです。ようは、自分の「行動力」が示せばよいのです。自分から率先して考え、動き、チャレンジすることを心掛けていれば、あなたの「行動力」は伝わります。

と、まあ長くなりましたが、9年生で一番大事なことは、いろんなことにチャレンジすることです!

「えっ?さっき言ってたことと真逆じゃん」とはならないで下さい。だって、いきなり自分の「芯」は?と聞かれて分からないってひとも多いでしょう?大丈夫、9年生は自分の芯をさがす「テスト期間」です。少しでも興味があったらチャレンジしましょう!

10年生にやるべきこと

テスト勉強開始

 アメリカの大学、特に上位校は、ほとんどの場合なんらかのテストスコアを提出しなければなりません。これは極めて重要なので、しっかり準備しましょう。まず、SATとACT両方を試して、どちらを受験するかを選択しましょう。そしたらあとは徹底的に勉強です。もし、準備完了だと感じたら、10年生の間や11年生まえの夏に受験するのもよいでしょう。でも、慌てることだけは避けたいので、余裕をもって始めましょう。

大学リストの作成1(ラージリスト)

ざっくりとした志望校リストをつくりましょう。もう試験を受けていたり、模擬試験などである程度じぶんの実力がわかっているというひとは、3つのグループに分けて考えるのも良いでしょう。(リーチ、ターゲット、セーフティ)

推薦状を誰に書いてもらうか考え始める

まず、必要な推薦状のタイプ(理系・文系、科目指定)と枚数を確認しましょう。もし、仲が良い・好きな先生などがいる場合は、その先生に標準を定め、積極的に話したり、放課後に質問しに行ったりと関係を深めましょう。無論、自分の評価を下げる行動は厳禁です。まあ、どの先生に対してもそれはダメですが、特に気を付けてくださいということです。

課外活動はより「軸より」に

9年生はトライすることがだいじだと言いましたが、10年生はより自分の好きなことを中心にシフトしましょう。別に数は重要ではありません。もしあなたが大の科学が好きで、科学コンテストに命をかけたいのなら、それでよりでしょう。ただ、いろんなことを浅くやるのはやめましょう。また、単なる「クラブや部活の一員」や「ボランティアの参加者」から、より自分自身がリードし、行動を起こすことを心掛けましょう。のちにやりたいプロジェクトなどを考えるのも良いでしょう。

11年生にやるべきこと

カレッジエッセイを書き始める

慌てて書いたものが良いはずがありません。コレッジエッセイはじっくり考え、何度も添削することによって、ベストのものが生まれるのです。11年生の冬ごろからアイデアをだして、遅くても3月ごろには書きはじめましょう。そして、夏の間にほぼ完成させ、しばらく時間を置いてから、提出の1~2ヵ月ぐらいまえに、最終チェックをしましょう。

推薦状をリクエス

 11年生の終わりごろに(絶対夏休みのまえに)、推薦状を書いてもらいたい先生に、その意思を伝えましょう。なぜなら、いきなり頼んでも先生は困るだけだからです。いい推薦状を書いてもらいたいなら、先生にたっぷりと考える時間を与えてあげましょう。はやい先生なら、夏休み中に書いてくれるかもしれません。また、先生によっては、推薦状を書く生徒をより知るために、インタビューをするひとがいるので、早いに越したことはありません。

テストを受験

ひとにもよりますが、11年生中に共通テストを受験するのが理想でしょう。早すぎるとまだ実力が伴ってなかったり、遅すぎるとプレッシャーがあったりするからです。一応、12年生でも受けられますが、そこまで引きずるのはあまりオススメしません。あくまで、保険として考えるのはよいですが、最初から12年生のテストがあるからいいや~とは思っちゃだめです!

大学リストの作成2(スモールリスト)

最初に作ったラージリストから、実際に受験する学校に絞りましょう。スタンダードで行くなら、リーチ、ターゲット、セーフティの学校数の比率は1:1:1ですが、ちょっとギャンブルしてうえを目指したいひとや、逆にもっと慎重にすべり止めを増やしたいひとは、そちらを多めにするなどした方が良いでしょう。

課外活動に「リーダーシップ」を

前年より一層、リーダーシップを発揮することを心掛けましょう。小さくてもいいので、クラブを作ったり、プロジェクトを立ち上げてみましょう。ただ、そういうのが苦手なひともいるでしょう。そういうひとは、「リーダーになること」に集中せず、自分の好きなことで、精一杯やることを心掛けましょう。

12年生にやるべきこと

願書(アプリケーション)の作成

願書は大学受験の肝です。まあプラットフォームにもよりますが、意外と記入する情報が多く、地味に時間がかかるので、早めにはじめましょう(12年生まえの夏~12年生9月)。

もし、複数の願書を提出しなければならないなら、なおさらです。やっていくうちに、意外なものが必要だったりしますからね。

提出

よく願書の提出はいつごろがいいの?と聞かれますが、まあ早いに越したことはありません。ときどき、1ヵ月ぐらいまえに出すと、願書をじっくり読んでくれるとか、計画性をアピールできるとか聞きますが、それはあまり期待しないほうがいいですね。でも、はやく出すことにデメリットはないので、できるなら1ヵ月まえにでも提出しちゃいましょう。ただ、テストをギリギリまで受けたいひとや、課外活動が終わってから書きたいというひとは、無理にはやく出す必要はありません。はやさより質ですからね。

まとめ ~キーワードは「早めに」~

いかかでしたか?なんかやることが多すぎて、こんがらがってきますよね。でも、ちゃんとやるべき事を把握し、はやめはやめに始めていれば大丈夫。しっかりと計画をたて、ひとつずつこなしていけば、必ず結果はついてきます!グッドラック!

【さらばSAT・ACT?】アメリカ大学が共通テストを除外する理由

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2020年5月、アメリカの名門カリフォルニア大学が5年後までに、SATやACTなどの共通テストを入学選考から除外すると発表しました。日本でも有名なバークレー校 (UC Berkeley) やロサンゼルス校 (UCLA) をはじめとする10校からなるアメリカ最大規模の州立大学群であるUC System 。その決断は、アメリカ大学界全体に大きな波紋をもたらしています。しかし、一番その影響を受けるのは、言うまでもなくこれから受験を控えている生徒たちですよね。なので、今回は共通テスト廃止の影響と対策について解説したいと思います。

なぜカリフォルニア大学はSAT・ACTを廃止したのか?

まず知っておきたいのは、このトッピクは長年議論されていたということ。青天の霹靂のように感じるひともいると思いますが、意外とSAT・ACTアンチは多く、特に最近は共通テストへの風当たりが強くなっている気がします。その影響を受けてか、SAT・ACTをオプショナルにする大学も多く、その数は150校にものぼります。有名どころでいうと、Univerisity of Chicago や Bates College などですかね。

カリフォルニア大学もそのトレンドに乗ったかたちですが、なぜSAT・ACTを入学基準にすることへの反対派が増えているのでしょうか?ひと言でいうと「共通テストの不公平性」への不満ですね。これは裕福な家庭の子供のほうが、貧困層の子供よりも高いスコアをとりやすいから不公平である、という主張です。確かにお金と時間に余裕があるほうが断然有利。お金があれば、テスト教材などが買えますし、塾やテスト対策コースに入ることができます。また、1回のテストでかかる受験料も安くはないので、貧困層の子供は受けられる回数にも限りがあるでしょう。それにテスト勉強にあてられる時間の差、というのも納得がいけます。家族のために働かなくてはならない子供たちはたくさんいますし、そういう子供たちにとっては学校の勉強だけで精一杯ですから。

SAT・ACTは「学力の物差し」としては不完全?

共通テストの一番の目的は平等に学力を測り、生徒が大学でやっていけるかを判断することです。しかし、貧富の差による「不平等性」が点数に影響するとなると、共通テストは正確に学力測定できていない可能性があるということです。

その疑問を検証しようと、UCバークレー校の大学院生である Zachary Bleemer はあるデータを集めました。それはSATスコアと大学の卒業率の関係性です。もしSATが正確に学力を測定しているのならば、SATスコアが低い生徒ほど、卒業率も低くなるはずです。実際、平均卒業率が83%なのにたいして、低SATスコアの生徒全体の卒業率は55%と明らかに低く、SATの正確性は立証されたように思えました。

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Zachary Bleemer 氏のデータ

しかし、彼はある点に注目しました。低いSATスコアでUC校に入学した生徒はどうだったのかという点です。低SATスコアの生徒は本当に学力が低いがために卒業できないのか、それとも入った大学(比較的レベルが低いため)の環境が影響しているのかを見極めるためです。すると、意外にもUC校に入った低スコアの生徒たちは、SATの点数が低かったにもかかわらず、ほとんど平均と変わらない卒業率(77%)を残していることが分かりました。つまり、ポテンシャル的には十分大学に適応できるのに、SATの点数が低いがために良い大学に行けなかったという生徒がいるのです。これは長年共通テストを使い生徒の学力を測り、大学についていけるかを判断していたアメリカの大学にとって予想もしなかった結果です

SATなどの共通テストが皆に平等ではないというのは事実です。しかし、個人的には入学選考に残しておいてほしかったですね。というのも、生徒の「学力」は高校の成績と共通テストのスコアで評価されてきました。共通テストがなくなると、成績だけで判断することになりますが、これは高校によって大きく変わるため、これこそ「公平」に評価することが難しいです。例えば、日本の高校生の成績とアメリカの高校生の成績を比べるには限界がありますよね。全然違う環境、システム、カルチャーの中でやっているのですから。僕も2つの高校に通いましたが、同じ「A」でも全然違うな~とよく思いました。

共通テストは皆、同じテストを受けうるので、そういう「不公平さ」はありません。なので、共通テストは残したままで、それをもっとみんなが公平に受けられるようなシステムを作ってほしかったですね。

共通テスト除外後の対策

SAT・ACTはこれからも受けるべき?

答えはYESです。共通テストを入学選考から除外する大学が増えているとはいえ、まだほとんどの大学は共通テストの提出を義務づけています。特にトップクラスの大学はやはり高スコアを求めていますので、ちゃんと勉強して、自分のベストスコアを叩きだしましょう。ちなみに、今回テスト除外判断をしたUC校も2021・2022年は共通テストを受けつけています。また2023・2024年は入学選考には含まれないものの、奨学金の選考基準にはなります。それ以降は完全に除外されるので、2025年以降にUC校を受験するひとは必要ないかもしれません。

また、コロナウイルスの影響で、多くの大学がSAT・ACTの提出を免除しています。しかし、やはり受けられるのであれば、受けましょう。高いスコアが取れれば、あなたの強力な武器となります。もしスコアが低い場合は、送らなくても良いのですから、受験しても損はありません。

成績表重視になる?

アメリカの入学選考には主に以下の2つのパートに分けられます。

  • 学力(academic ability)
  • 人格評価(personality)

先ほど書いたように、学力は共通テストと成績表によって評価されます。ただ、この共通テストがなくなると、より成績が重視されると思われます。これは成績評価(レターグレードや数値評価)などだけではなく、そのコースや科目の難しさなども含まれます。

また、共通テストという判断材料が1つなくなるわけですから、他の項目(エッセイ、課外活動などの人格評価)などもより重視されます。今まで以上に、こちらのほうに力を注ぎましょう。

 まとめ

一言でまとめると、共通テスト排除する学校が増えているのは、貧富の差による「不公平さ」を理由に入学選考に含むことを反対するひとがいるからです。

生徒が今すべきことは

①引き続きSAT・ACTで高得点を目指すこと(高スコアは強力なアピールに!)

②成績や課外活動・エッセイなどに今まで以上に力をいれること    の2つです。

またなにか新しい情報があれば、お伝えします!

 

 



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